花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

「ポルトガル旅行」(7)

2014年01月26日 | 海外旅行「西ヨーロッパⅠ」ポルトガル・英国
≪世界遺産・「トマールのキリスト修道院」≫

「コインブラ」を出たバスは、南方106km離れた町「トマール」に向かって走った。その町の世界遺産「キリスト修道院」を見学するためだ。

この修道院は、1147年にリスボンの北東、サンタレンをキリスト教の「テンプル騎士団」が戦ってイスラム教徒から奪還したレコンキスタの功績に対し、アフォンソ一世から与えられた土地に「テンプル騎士団」が建てた城砦と聖堂が始まりだった。
しかしその後、「テンプル騎士団」が禁止されると、建物は「キリスト騎士団」が引き継ぐことになり、エンリケ航海王子他王室から団長を迎えたという。

ここはポルトガル国内最大の規模を誇る修道院で、12世紀から16世紀まで5世紀にも渡って次々と増改築された。そのため建物には、各時代の建築様式が見られる。

バスを降りて歩いて行くと、オレンジ色のアロエの花の向こうに大きな石造建造物が見えて来た。これが「キリスト修道院」なのだった。私達は南門から中に入った。

  

木が植えられた中庭を囲んで大きな回廊が作られていた。エンリケ航海王子が増築したもので、修道士達の墓が作られているそうだ。
次に絢爛豪華な聖堂に入った。そこが最初に造営された「テンプル騎士団聖堂」なのだった。歴代聖人の絵が額に入って壁に並べられていた。

次いで天井が高く質素な細長い部屋に入った。そこが「テンプル騎士団」が禁止されてから、この修道院を受け継いだ「キリスト騎士団」の「聖堂」だった。
壁には飾りは少なかったが、天井が見事だった。良く見ると赤い十字架が書いてあった。

  

  

二階に広い場所があったが、かってはパイプオルガンが置かれていたらしい。
暫く長い廊下を歩いて行くと、修道士達の食堂があった。その傍に大きい鍋が幾つも乗ったかまどがある調理室があった。ここで最高200人近い修道士が生活していたそうだ。

 

小さな庭に出た。正面に今まで見た事が無いような凝った装飾を施した外壁があった。これが「マヌエル様式」で飾られた場所だった。
透かし彫りの大きい窓が造られているが、その周囲の装飾が「マヌエル様式」だと言うのだ。
上部に「キリスト騎士団」の「マルタ十字」と国の紋章が施してあり、窓の周りに船のロープ、鎖、海中の珊瑚、海草などを飾りつけてあるのだ。
また他の装飾を見ると、水の泡や南方にいる動物や植物も装飾として付け加えられているのだ。正に大航海時代に起こった建築芸術なのだろう。

  

この修道院の一部には、エンリケ航海王子が1420年から40年間も暮らした建物もあったそうである。
外に出て下を眺めたら、「トマール」の静かな佇まいと夕方の景色が見えた。

 

最後に言うと、ポルトガルでは1910~1926年の第一共和制の時期にカトリック教会と国家は分離され、1976年の共和国憲法でも政教分離を確認している。
しかし実生活では国民の90%がカトリックの信者であって、社会や文化にローマ・カトリック教会の影響は大きいらしい。本によると、近年では若者の宗教離れが進んでいると言われている。


 







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4 コメント

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Unknown (アンジェラ)
2014-01-26 17:23:07
ソナタさん、こんばんは~♪

今朝は暖かくて午前中はプラス2度でした。
そちらは雪はどうですか?

お天気に恵まれて素晴らしい旅をされましたね~
行った事のない国ですが、楽しく見させてもらっています~

今日、主人が6泊でゴルフの旅に出かけました。
南国で楽しい時間を過ごして来てほしいです。
Unknown (サマンサどら猫)
2014-01-26 20:38:03
これがうわさのテンプル騎士団の本拠ですか?なかなか強面の一面もあったとか聞いてますが。風格がありますねえ。
Unknown (伊豆の花)
2014-01-27 08:30:09
そちらの天候は如何ですか?

「ポルトガル」の冬は凌ぎやすいのでしょうか?
まだ、ゆっくり、ブログ旅を楽しむゆとりがなくて、コメントを控えています。
最終章には、追いつきますから、それまで、「ゴメンアサ~イ」です。
Unknown (ソナタ)
2014-01-27 10:23:35
アンジェラさん、お早うございます♪
今朝は-8℃の中で、1時間除雪しましたよ。
お陰さまで汗をかき、運動になりました??
ご夫君はどちらにゴルフに行かれたのですか。
次はアンジェラさんが変わって温かな地域に行けると良いですね。


サマンサどら猫さん、お早うございます♪
テンプル騎士団の事は正直な所、余り知りませんでしたが、当時は王族を凌ぐほどの政治経済力を持っていたようですね。なぜ禁止されるに至ったのかを調べましたが、今一つ納得が行かずにいます。
ポルトガルでは、単に団長をすげ替え、名前を変えただけで実際は存続したのも同じだったとか…。
とに角凄い規模なのと財宝を限りなく使ったきらびやかな聖堂に驚きました。
ここもポルトガルの金庫だと思いました。


伊豆の花さん、こんにちは♪
コメント有難うございました。
この時期は旅行のオフ期ですが、最低6~7度、最高16~20度と南欧なら北海道の私などには丁度快適な時期で良かったですよ。
どうか無理しないで下さいね。
写真だけ見ていただけば、あり難いですから。

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