花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

日本の北限のブナ林を散策

2007年10月20日 | 「北海道内旅行」登別・定山渓・洞爺・函館・道東・三笠・旭川・道北・奥尻島他
 今日は農園の友人二人と一緒に晩秋の紅葉を楽しむため、日帰りのバスツアーに参加し、我が国の北限のブナ林のある黒松内町に行った。
 一昨日からの天気予報では、北海道全域で今日は90%雨という事だった。しかし、バスが走り出すと、次第に小降りになり、虹も出た。そして3時間後に道南の黒松内町に近づくに連れて、不思議なことに止んだのだ。

 先ず、ブナセンター(写真①)に行き、国の天然記念物「黒松内町歌才(うたさい)ブナ林」の説明を聞いてから、ブナ林に向かった。
 入り口から入った所で、明るい白樺の林が出迎えてくれた。下草の笹藪が刈られて白っぽく枯れ、美しい独特の雰囲気を醸し出していた。(写真②)

 ① ②

 雨上がりの濡れた遊歩道には、落ち葉が沢山落ちていて柔らかくて歩きやすい。しばらく歩くと左側に朱太川の流水音が聞こえてきた。
 アップダウンしながら次第にブナ林の奥へと入って行った。粘土質の滑りやすい傾斜した山道には、木で土留めをした階段が作られていて、気分良く安全に登ることができた。
 途中でガイド氏が、太いブナの木に耳を当てて水の流れる音を聞く仕草をしたので、私も真似をして見たがよく分からなかった。
北限のブナは一枚の葉が大きく、その変わり数が少ない。また、本州のブナより成長するのが早く、寿命も150~170年と本州の平均寿命250年に比べて80年以上短いのだとか。ブナの生育は、一般的な植物のその常識と反対らしい。
 途中、急に空が開けたように思った場所のブナは、半分に折れ、幹の色も黒ずんで痛々しかったが、私はその木が圧倒的な存在感を示していた時があった事を感じた。(写真③)

 ③

 入り口から1.5km程入った標高160mの所まで登り(写真④)、引き返した。
 下りは滑りやすいので、落ちていた木の枝を拾って適当な長さに折り、杖代わりにした。他の参加者にも作って上げた。所々、下方のブナの黄葉が日に当たって輝き、美しかった。(写真⑤)

 ④ ⑤

 ブナセンターのパンフレットによると、この面積92.4ha、人の手が入った事のない1万本のブナ林は、1928年(昭和3年)に国の天然記念物に指定されたという。
 歴史では、太平洋戦争末期に木製戦闘機のプロペラ材として伐採されそうになったり、53年前には町の財政の逼迫から天然記念物の指定を解除しようという動きもあったらしい。しかし、学者や住民の熱心な保護運動により、現在まで原生林の姿がまもられていると書かれていた。

 1時間5分の散策だったが、雨上がりだったので呼吸が楽だったし、気温が低かったので、私は少し汗ばんだだけに終わった。
 普段、山歩きをしていない友人は、「途中でついていけないかも知れないと思ったが、頑張って最後まで行けたので、達成感、充実感を得られた。」と言って喜んでいた。

 散策後は「黒松内温泉ぶなの森」でゆっくり入浴した。肌がつるつるするアルカリ泉質の温泉は、汗を流し、身体が温まって気持ち良かった。着替えてから三人で休憩室でおやつを食べた。

 帰りは札幌まで2時間、バスの中で友人と楽しくお喋りしながら過ごした。
 今日のように畑仕事とは違った楽しみも魅力的なので、来月、また何処かに一緒に行きたいね、と言う話しも出た。

 家に着いたら7時半を過ぎていたが、今日も楽しい晩秋の一日だった。
 
 
コメント
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