なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

特発性器質化肺炎

2022年12月01日 | Weblog

 火曜日の夕方に52歳の女性が受診して、肺炎として入院していた。内科の別の先生が担当していた。

 約1か月前の10月24日ごろから咳嗽と倦怠感があり、内科クリニックを受診していた。(たぶん肺炎として)メロペネムの点滴を4日間受けて、症状は軽快したそうだ。

 11月15日頃から咳嗽があり、また同じクリニックを受診して、メロペネムの点滴を4日間受けた。11月23日から咳嗽が、24日から発熱があり、25日に当院の内科新患を受診した。

 新患担当は大学病院から来ている若い先生だった。胸部X線で肺炎像があり、胸部CTでは両側肺に胸膜に接した浸潤影を認めた。

 クリニックでのメロペネムは1日1回の投与だった。抗菌薬が適切に使用されていないので、肺炎が軽快しないのだろうと判断されたようだ。経口抗菌薬(アモキシシリン750mg/日)が処方されていた。29日は発熱が続くので、患者さんは次の予約日前に再受診したのだった。

 

 入院後はメロペネム0.5gが1日3回で開始されていた。入院後は解熱傾向(?)にある。

 胸部CTを見ると、違和感というか、奇異な印象があり、少なくとも通常の肺炎ではないと思われる。経過も1か月以上と長いのだった。

 放射線科の読影レポートがすでにできていて(がんセンターの放射線科医がその日病院に来て読影)、「特発性器質化肺炎の疑い」となっていた。「それそれ」、という感じだった。 

 器質化肺炎であれば治療はステロイドになる。呼吸器科外来に来ている先生(大学病院から)に相談しましょうと、担当医に伝えた。

 特発性器質化肺炎または慢性好酸球性肺炎として、プレドニン40mg/日で治療が開始された。(末梢血好酸球は正常域で増加はなかった)

 

 クリニックで抗菌薬を点滴静注で使用するとすれば、1日1回投与のセフトリアキソンだけあれば足りるだろう。少なくともカルバペネム点滴静注はクリニックには必要ない。それも点滴500mlに1回分の抗菌薬を入れて落とす先生だったと記憶している(濃度が上がらない)。(当院外来のアモキシシリン750mg/日もちょっと心もとないが)

 

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