7月10日月曜日は整形外科医が当直だった。右下腹部痛の19歳男性が救急外来を受診した。
前日の夜から腹痛が出現して、その日の夕方から腹痛が悪化したということだった。右下腹部に圧痛があった。時間外は簡易検査になるが、白血球10200・CRP1.3と炎症反応が症状していた。
腹部(単純)CTの読影はちょっと困ったようだが、Adult appendicitis scoreを評価されていた。Alvarado scoreしか知らなかったが、2014年からあるのだった。
評価項目から点数を10点と算出されていた(簡易検査で好中球の割合は出ないので、実際はもっと高い)。経口抗菌薬を処方して、内科外来を受診としていた。
抗菌薬をレボフロキサシンとフラジールにしていたのにも、また驚いた。(米国流の処方?。フラジールはなかなか出ない。)高次医療機関におられた先生なので、このような評価・対応が身についているのだろうか。
7月12日に内科新患を受診した。担当はもともと外科医だが、現在は内科の診療をしている先生だった。まだ腹痛は続いてはいたが(悪化はしていない)、発熱はなく炎症反応は軽減してきていた(白血球4500・CRP1.6)。同じ抗菌薬を継続して保存的に経過をみることになっていた。
虫垂炎に限らず、スコアはスコアとして、手術するかどうかは診察所見と画像所見を見ての(外科手術可能な病院での)外科医判断だと思う。
Adult Appendicitis Scoreの評価項目
スコアは以下の7項目を加算して算出
1.右下腹部に痛みがある +2
2.痛みの部位が移動している +2
3.右下腹部に圧痛を認める
- 男性、 女性 (50歳以上) +3
- 女性 (16~49歳) +1
4.筋性防御
- 軽度 +2
- 中程度または重度 +4
5.血中白血球数(×10⁹)
- 7.2 ~ <10.9 +1
- 10.9 ~ <14.0 +2
- ≧14.0 +3
6.好中球の割合
- 62% ~ <75% +2
- 75% ~ <83% +3
- ≧83% +4
7.CRP(mg/dL)
症状発現から <24時間
- 0.4 ~ <1.1 +2
- 1.1~ <2.5 +3
- 2.5~ <8.3 +5
- ≧8.3 +1
症状発現から ≧24時間
- 1.2~ <15.2 +2
- ≧15.2 +1
リスク分類 (虫垂炎の可能性)
- ≧18点:虫垂炎の可能性が非常に高い
(感度27.7%、特異度97.6%)
- ≧16点:虫垂炎の可能性が高い
(感度58.0%、特異度92.7%)
- 11~15点:虫垂炎の可能性は中程度
(感度95.9%、特異度54.2%)
- ≦10点:虫垂炎の可能性は低い
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