なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

外傷性脳出血?

2020年09月28日 | Weblog

 78歳男性が先週金曜日に自宅の門のところで倒れているのを近所の人が発見した。意識は普段通りで、週末なのでそのまま自宅で様子をみていた。昨夜から嘔吐が続き、午前中に救急搬入された。

 頭部CTで左後頭葉に出血性梗塞様の病変があり、右頭頂葉に線状の出血様の病変を認めた。救急外来の担当だった内科の若い先生が診て、内科再来を診ていた当方に連絡がきた。今から頭部MRIで確認するところだという。

 

 頭部MRI(FLAIR)では両側前頭葉(特に左)にも出血像を認めた。これはむしろ、外傷性脳出血なのだろうか。

 そもそも点滴・頭部打撲による病変なのか、脳内病変発症による転倒なのか確定はできないが。前者だろうか。脳外科と脳神経内科のそろっている地域の基幹病院に搬送してもらうことにした。

 

 この患者さんは、当院の内科・循環器科・呼吸器科の外来に通院していた。高血圧症・高尿酸血症で内科外来に通院していたが、2年前に意識消失発作が続き、心電図で有意な洞性徐脈(と補充収縮)を認めたため、循環器科に紹介した。(洞性徐脈といっても、P波の形が変わる) 

 循環器科では心臓ペースメーカー植え込みにはならず、シロスタゾール内服で経過観察となった。

 その年の末から、発作的な息苦しさと咽喉頭違和感が続き、年末年始に頻回の受診があった。次の年(昨年)の1月5日に内科に入院した。耳鼻咽喉科受診や上部消化管内視鏡検査で異常は認めず、GERDの治療強化でも症状は変わらなかった。症状がある時でも酸素低下や喘鳴はまったくなかった。

 年末から呼吸器科にも受診して、COPDとしてISC/LABAの吸入が始まっていた。発作的な息苦しさなのでICSにしたらしい。

 アルコールが大好きな方で(普通の飲酒家かもうちょっと飲む程度)、調子のいいキャラクターなので(憎めない感じ)、心因性とは判断し難かった。それでも心因性の症状と考えるしかないので、SNRIを開始してみた。しだいに症状は軽快して退院することができた。

 

 今日は新型コロナウイルスのPCR検査を保健所の依頼で4件行った。先週末にCOVID-19が2名発症した店(焼き鳥屋さんらしい)で居合わせたということだった。いずれも無症状。

 

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