なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

水泡性類天疱瘡とDPP4阻害薬

2020年09月21日 | Weblog

 (こちらも木金土と休んで日曜日に日直で来た時に気づいた)

 金曜日に、糖尿病で内科外来に通院している83歳男性が入院していた。退職した内科の若い先生から回ってきて、当方の外来通院になった患者さんだった。興味深い既往歴があった。

 脳梗塞後遺症で神経内科の外来に通院していて、軽度の糖尿病も併せて治療していた。血糖コントロールが悪くなり、CT画像で膵に所見があり、膵癌疑いでがんセンターに紹介になった。

 診断は自己免疫性膵炎で、ステロイド投与で軽快した。外来で診始めた時には、プレドニンは漸減中止されていて、その後慎重に経過を診ていたが、再発再燃はない。

 糖尿病の治療はステロイド投与のころからインスリン強化療法になっている。年齢の割に、きちんと血糖自己測定・インスリン注射を行っていた。

 

 最近皮膚科の外来にも通院していて、四肢にびらん性皮疹が目立ち、病名はどうなるのだろうかと思っていた。今週金曜に水泡性膵天疱瘡の診断で入院になった。

 内科外来の処方にDPP4阻害薬のリナグリプチン(トラゼンタ)が入っている。以前、水泡性類天疱瘡の患者さんで、シタグリプチン(ジャヌビア)を中止したことがあった。今回は当方が不在だったためか、処方中止の指示はなかった。ステロイドも処方されていないので、連休明けに相談することにしたのだろう。

 水泡性類天疱瘡の原因になっている可能性があるので、自主的に?トラゼンタは中止にした。ステロイド投与も、インスリンの増量で対応できるので、連休明けに皮膚科医に相談されたら、必要な量を使っていただく。

 

 

 

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