なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養でカンジダ検出

2020年09月14日 | Weblog

 腹腔内の大動脈周囲のリンパ節腫脹が一塊となって、脾臓など周囲への浸潤像を認めた86歳女性のその後。

 高熱が出て、担当の内科の若い先生が血液培養・尿培養を提出していた。左胸水貯留が入院時より軽度に増加していたが、肺炎かどうかは判定しがたい。留置カテーテル尿なので、尿混濁も感染巣と判定し難かった。

 入院での発熱なので、培養提出後からゾシン(PIPI/TAZ)を開始していた。きれいに解熱したという経過ではなく、発熱が断続的に続いていた。

 血液培養2セットからCandidaが出ていると細菌検査室から報告がきた。院内にある唯一の抗真菌薬(他は必要時に臨時薬として取り寄せになる)のファンガード(ミカファンギン)を開始していた。

 食欲不振で末梢からの点滴と嚥下訓練をしていた。中心静脈カテーテルは挿入されていない。いったいCandidaはどこから入って来ているのか。

 大学病院から呼吸器外来に来てもらっている先生に相談したところ(感染症科に所属)、リンパ腫と判断される腹腔内の病変にCandidaが感染しているのではないかと言われた。そう考えるしかないのかもしれない。

 Candidaの種類によって抗真菌薬の選択が異なるので確認すること、眼内炎の有無を確認することとも言われた。(菌種はCandida albicansで、眼科紹介で眼内炎は現時点ではなかった)

 患者さんは全体的に衰弱してきていて、できる範囲で治療を継続するが、回復は厳しいだろう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする