なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

上行結腸憩室炎

2019年07月16日 | Weblog

 日曜日に上行結腸憩室炎で入院した看護師さんは、入院時の微熱が平熱となって、腹痛も入院時よりは軽減したようだ。腹部触診でも圧痛の程度が軽減している。食事しなくてもいいとは言っていたが、今日の昼から流動食を開始した。

 先週の水曜日から右傍臍部痛が始まって、翌日の木曜日にはいったん症状が軽減したが、金曜日からまた症状がぶり返した。受診時には、歩行しても響くようで、少し腰をかがめる感じで歩いていた。右傍臍部から下腹部にかけて圧痛があり、反跳痛あり・筋生防御(デファンス)はなしという所見だった。

 5年前にも全く同じ上行結腸憩室炎で入院していた。CTの画像も全く同様だった。この時は抗菌薬をセフェム系で開始して、腹痛・炎症反応が入院後悪化して、カルバペネムに変更していた。日数の問題だった可能性も否定はできないが、経過としては抗菌薬変更後に症状軽快している。

 通常ならばABPC/SBTあるいはCMZで開始して経過をみるところだが、前回のことがあり、今回は最初からカルバペネムで開始した。最近は腹腔内感染症でのCMZの嫌気性カバーが不十分になっているらしい。選択としてはPIPC/TAZでもいいが、前回の入院で使用して軽快治癒に至ったという縁起をかついで(?)、カルバペネム(イミペネム4回/日)にした。

 抗菌薬適正使用から外れているようだが、青木眞先生も、「患者さんが医療関係者の時は、カルバペネム使用は許される?(ファイザーの若手医師セミナーでの雑談)」と言っていたので、ここはそれでいかせてもらう。

 

  結腸憩室炎は、要するに憩室壁の小穿孔による限局性腹膜炎ということだ。これまで経験した結腸憩室炎は、腹腔内(少量の)遊離ガスを認めた症例も含めて、幸いに抗菌薬投与で保存的に治っている。

 

 

 

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