丸善で「不明熱 Fever of Unknown Origin」大野城太郎翻訳(カイ書林)を見つけた時に、翻訳本なので買うかどうか迷った。役に立つかどうかわからないが、不明熱の本を集めているので結局購入することにした。「原書は日本国内の一部の感染症専門医には必須の書物として流通している」そうだ。
内容は系統的なところもあるが、基本的に感染症を中心に記載されている。教科書というよりは、「世界的なエキスパートによるクリニカルパール」なので、診療のコツのようなものが散りばめてあるということらしい。
教科書としては、野口善令先生の「不明熱の診断学」などがあるので、それにこの本をプラスするとちょうどいいのだろう。研修医に勧める本ではないが、指導医は読んでおいて、ちょっとアドバイスする時に使えるということか。詳細な訳注が追加してあり、amazonの書評に「翻訳者自身に不明熱の本を出してほしい」とあったが、同感です。
金曜日の午後に、感染症相互評価でがんセンターに行ってきた。検査部で細菌検査を担当している検査技師は一人だけだそうだ。したがって、土日は培養検体が出されてもそのまま保存するだけで、培養に回るのは週明けの月曜日になってからになる。当院は細菌検査担当の検査技師は4名が交代で行っている。細菌検査の仕事は(培養検体が少ないので)1日技師一人で済むくらいの業務なので、その日担当でない他の3人は生化学など他の仕事をしている。
交代でしているので土日も午前中に出てきて、培養検体があればすぐに培養にかかれるし、血液培養の結果が出ていれば可能な限り報告している。がんセンターのICDの先生に、「細菌検査技師は複数にした方がいいですよね」と言ったが、大きな組織ではいろいろあってあって難しいらしい。