なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

さすがDr.CT~肺炎

2018年03月07日 | Weblog

 内科新患を診ていた若い先生(大学病院からのバイト)から、発熱が続いて酸素飽和度が低下した63歳女性のことで相談があった。当院の糖尿病外来に通院している。DPP4阻害薬、メトホルミン・SU薬でHbA1cが6.7%と良好だった。華奢な患者さんで、メトホルミン1500mg/日は多過ぎるかなという印象を受けた。

 2週間前に当院の新患外来を受診した。1週間前から咳と微熱が続いていて、軽度に喘鳴もあったようだ。新患担当医(大学病院からのバイト)は胸部X線で肺炎像がなかったので、PL顆粒とムコダイン(のジェネリック)を処方した。

 症状が続いて、高熱となって食欲も低下して今日の再受診になった。今日の新患担当の先生は胸部X線(正面と側面)を撮影したが、肺炎像はなかった(指摘できなかった)。血液検査で白血球数11300、CRP18.3と炎症反応が上昇している。血液ガスもとってくれていて、酸素分圧が52.4Torr(室内気)と低下していた。

 胸部X線で肺炎はないようですが、と言われたが、これは肺炎に違いない。患者さんを診察すると、軽度に喘鳴が聴取された。気管支喘息の既往はない。気になってRSウイルス迅速試験(ついでに余計かもしれないがインフルエンザも)を出してみたが、陰性だった。肺炎球菌尿中抗原は陰性だった。新患の先生がネブライザーもしてくれたが、喀痰はどうしても出なかった。

 後は、Dr. CTにお任せだ。胸部CTで左下肺野に粒状~斑状影が散布していた。非区域性のようにみえる。斑状影が区域性だとインフルエンザ菌(区域性でも肺炎球菌はあるが)だが、起炎菌は何だろうか。

 気道症状があって、経過が長い時や炎症反応が上昇している時は、あっさり胸部CTを検査している。とにかくDr.CTは優秀で頼りになる。胸部X線は肺炎があるものとわかって見ても、肺炎像は指摘できない。見る人が見ればわかるのかもしれないが。

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