なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2018年03月04日 | Weblog

 昨日の土曜日は日直で病院に出ていた。眼科の先生から連絡が来て、眼科で入院中の88歳男性が脳梗塞を起こしたという。

 2日前に緑内障手術目的で入院していた。脳梗塞(小脳と後頭葉にラクナ梗塞)の既往があり、当院の神経内科に通院している。プラビックスが処方されていた。

 頭部MRIで確かに左内包に脳梗塞があった。朝に右半身不全麻痺が目立ったが、診察した時には症状は軽減していた。神経細胞が壊死に陥るか助かるかの境目なのだろう。悪化して完全麻痺になってもおかしくない。

 脳梗塞として内科で治療を開始したが、問題がもうひとつあった。内科クリニックで糖尿病の処方を受けている。処方はDPP阻害薬、メトホルミン、SU薬(グリメピリド2mg/日)だった。HbA1cが6.7%と良すぎる。

 朝の血糖が49mg/dlだったが、低血糖としての症状に乏しかった、ふだんから低血糖にさらされているのだろう。眼科医の指示でグルコース混合の点滴とグルコース静注が開始されていたが、またすぐに低血糖になった。グリメピリドの低血糖は遷延する。点滴を5%グルコースから10%グルコースに切り替えて、50%グルコース静注を繰り返した。夕方には血糖90mg/dlくらいにはなって落ち着いたかと思われたが、また血糖20mg/dl台に下がった。

 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標によれば、この患者さん(SU薬あり、75歳以上)では、HbA1c8%未満で良く、下限が7.0%になっている。SU薬を中止して、メトホルミンも漸減中止して、可能ならばDPP4阻害薬だけで7%台になれば充分だ。この目標は、下限値を設定しているところが優れている。

 この患者さんを含めて4名内科入院になり、担当患者数は42名となった。もはや慢性期の精神科病棟と同じくらいになっている。

 

コメント (1)
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