なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

めまい2例

2017年12月07日 | Weblog

 月曜日の午後に、救急外来から2名のめまいの患者さんを入院させた。ひとりは当院に工事で来ていた業者の61歳男性で、病棟内で下を向いて設計図を確認していて、上を向いた瞬間に回転性めまいが発症した。

 車いすで救急室に連れて来られていた。意識清明で麻痺はない。頭痛はなく、その時の話では耳鳴・難聴はありませんと答えた。じっとしていればめまいがないが、頭位変換で回転性めまいが生じる。

 頭部CTは異常がなかった。午後に耳鼻咽喉科外来(大学病院から)があったので診てもらった。耳鼻咽喉科医から連絡が来て、静止した状態でも左向きの眼振があり、BPPVではなく前庭神経炎ではないかという。左中耳に浸出液が貯留して中耳炎もあった。すぐにはめまいが治まらないので入院治療にして下さいと依頼された。鼓膜切開をしたが、抗菌薬を使用するような膿性ではないそうだ。

 入院翌朝には、すっかりめまいは消失していて、ベットに座って新聞を読んでいた。突然発症と翌日の完治からはBPPVと思われたが、静止時の眼振は合わない。中耳炎が鼓膜切開で良くなってめまいが改善したということはあるのか(それも回転性めまいが)。

 2週間くらい前に風邪症状があり、その後中耳炎になって、医療センターの耳鼻咽喉科で診察を受けていた。数年前に中咽頭癌で治療を受けてフォローされていた。耳鳴はないが、左耳は難聴になっていた。経過からは前庭神経炎様だが、めまいが突発して翌日完治はないと思う。次週にまたそちらの耳鼻咽喉科の予約があるというので、そのまま退院にした。

 もう一人は73歳女性で、ゆらゆら・ふらふらの訴えだった。朝から症状があり、良くならないので救急要請した。内科医院に高血圧症・脳梗塞後遺症(ラクナ梗塞)で通院していた。いろいろな訴えが続いたためか、精神科受診を勧められて、最近通院し始めたそうだ。そちらの処方はデパスとベルソムラだった。

 断続的に「ああ~」と声を上げて、過呼吸になっては戻る。年齢もあるので一通り検査したが、異常はなかった。いつものアタラックスPを点滴静注で入れるとけっこう落ち着いた。家族の希望もあり、入院で経過をみることにした(個室希望なのでOK)。入院後もいろいろと訴えがあるが、救急搬入時のような険しい表情はないので、そのうち退院できるだろう(たぶん)。

コメント
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