なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養陽性例

2017年12月26日 | Weblog

  感染管理の相互評価で地域の基幹病院に行った時に、血液培養陽性例は全例カルテチェックして、治療に問題がある時にはさりげなく?介入しているという話だった。

 当院は血液培養の結果は主治医が見るだけだったので、まずは血液培養提出例を全例集計することにした。ただ集計するだけでは、先月にそんなことがありましたか、で終わってしまうので、介入するかどうかはともかく、まずは陽性例を把握することにした。(どれだけ遅れているかということになるが)先月は血液培養提出が16例で、そのうち3例で2セット陽性だった。ちなみに2セット提出率は100%。

 1例目は58歳男性で、大学病院でも手術できないとされた後腹膜脂肪肉腫だった。当院で手術して、20Kgにおよぶ腫瘍摘出が行われた。脾動脈瘤の破裂による再手術を乗り越えたが、腹腔内感染症になっていた。自壊して、ドレナージされたこともあり、幸い治癒していた。この患者さんは血液培養で大腸菌ESBLが検出された。その後、腹腔内転移・肺転移・腰椎転移があり、両下肢の症状を呈していた。退院して、腰椎の放射線療法の適応について、がんセンターに紹介となった。

 2例目は84歳男性で急性胆管炎で総胆管結石疑いだった。基幹病院の消化器内科に紹介して(ベット満床で数日当院入院)、中部胆管癌と診断された。胆汁細胞診と組織診で腺癌が検出されていた。相談の結果、胆管ステント挿入のみ行って、後は緩和ケアBSCだけの方針になった。在宅へ向けた療養のため当院に転院してきて、現在リハビリ中だ。この方は、Klebsiella oxytocaが検出された。

 3例目は79歳男性で、腰痛・発熱で救急搬入された。ちょうど救急当番は整形外科医だった。腰椎MRIで化膿性脊椎炎と診断されて、やはり基幹病院救急部へ転送となっていた。血液培養からはStaphylococcus aureus(MSSA)が検出されて、やっぱりという結果だった。

 来月から、細菌検査室で血液培養陽性になった時は感染管理室で把握することにした。はい、本当に大分遅れています。血液培養提出数も基幹病院の1/10しかない。

コメント (1)
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