月曜日の夕方に63歳男性が糖尿病足病変で受診した。時間外になる直前で当直医が外科医だったので、そのまま救急外来へ回された。1週間前の左足底のちょっとした外傷から足底・足背に炎症(化膿)が広がった。
外科に入院したが、保存的に治療できる状態ではなく、翌々日の水曜日に、足関節の近位で切断術が行われた。その後は義足が付けやすくするため、再手術(もっと近位で切断)になるそうだ。
当院は受診としては初診になるが、会社の健診を当院で受けていたので、これまでの検査結果が残っていた。10年間前はHbA1c8.6%と普通の健診で発見される糖尿病の値だった。その後HbA1cが10%、13%と上昇した。
3年前に治療が開始されて8%台に改善している。今年はHbA1c7.7%でコントロールのそれほど良くない普通の糖尿病相当になっていた。内科医院の処方はDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬で、最近治療を開始したという組み合わせだった。
尿蛋白は陰性、血清クレアチニン0.97mg/dl(eGFR61)とまだそれほどではなかった(眼科も受診予定)。抗GAD抗体陰性で、Cペプチドは1ng/ml弱で低下している。内科の若い先生がインスリン強化療法を開始した。
無治療の期間がもったいない。健診を受けても治療に結びつかないと意味がないが、たまにこういう方がいらっしゃる。まだ比較的若いので、いずれ退院になったら糖尿病の専門外来(大学病病院糖尿病科から)に回したい。