昨日医局で他の内科の先生と話をしていると、内科外来を診ていた先生から、背部痛・倦怠感で紹介された70歳代前半の男性のことで報告があった。内科クリニックに糖尿病で通院していて(血糖コントロールが悪化したかどうかは不明)、先月半ばから背部痛が出現していた。疼痛が続き、倦怠感も加わってきて紹介になった。湿布を処方していて、小柴胡湯の処方があるので、血液検査で肝機能障害があったようだ。
結果の出ているところでは、肝機能障害があり、腹部エコーで肝臓内に複数の腫瘤があった。提出した腫瘍マーカーと、腹部CTの結果をみることにした。
腹部CTの結果、膵尾部に腫瘍があり、脾臓・左腎臓に浸潤しているようだ。エコーの所見と同様に(単純なので肝転移はエコーの方が見やすい)、複数の腫瘤(転移巣)を認めた。胸水・腹水もある。腫瘍マーカーはCEAが270で、CA19-9は>120000となっていた。診断は膵尾部癌(周囲臓器への浸潤)・多発性肝転移。
検査結果が全部出たのは午後になってからだった。地域の基幹病院消化器内科の外来予約をとろうとしたところ、思いがけなくその日のうちに診てもらえることになった。診断確定後に、腫瘍内科に回されるのだろう。何とか治療の適応があるといいが、緩和ケアのみと判断される可能性もある。
検査室で腫瘍マーカーが高値の時は、希釈をやめたところで「>数字」が出てくる。以前CA19-9は>7000で、その後>12000と数字が増えてきていた。今回の値は初めて見た。
今日は依頼で脳梗塞の高齢女性に、内頚静脈からエコーカイドでCVカテーテルを挿入した。血管を縦軸(走行に沿って)で見て挿入したのは初めてだったかもしれない。今年はなかったはずの忘年会での挨拶が回ってきて、面倒だなあと思っているところ。