なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リウマチ性多発筋痛症?

2016年10月20日 | Weblog

 先週の木曜日に86歳男性が路上で転倒して、顔面を打撲した。当院に救急搬入されて、救急当番だった神経内科医がみた。鼻と額に擦過傷ができて、上口唇が腫れ上がって見た目はひどかったが、骨折はなかった。他の部位にも骨折がないので、処置をして帰宅のはずが、38℃の発熱があり、血液検査で炎症反応上昇(白血球数9000・CRP15)があった。肺炎か尿路感染症で発熱があって、ふらついて転倒したのだろうと考えられた。ところが、明らかな肺炎も尿路感染もなかった。

 発熱の原因が不明ということで内科に相談がきた。画像で特に異常はなかった。関節炎・蜂窩織炎もなかった。筋肉の把握痛もはっきりしなかった。血液培養を2セットと尿培養を提出して、入院で経過をみることにした。抗菌薬は(使う根拠はないが)セフトリアキソンを使用していた。入院後は平熱~微熱で推移した。

 入院後の炎症反応は横ばいだった。やはい感染症ではなさそうだいう気がしてきた。2回目の血液検査で白血球数・CRPは横ばいで同じだったが、血沈が100以上だった。もともとここ1~2年は寝たり起きたりの生活という。急激に身体の動きが悪くなったのかと訊くと、そのようでもあり、しばらく前からのようだもありで、はっきりしない。上肢は右側で拳上する時に痛いらしい(訊けば痛胃かなという感じ)、両側大腿部の把握痛は何度やってもはっきりしない。何とかポータブルトイレには自分で移動しているが、中腰に姿勢はつらいようだ。

 リウマチ性多発筋痛症でいいのかと思われ、今日からプレドニン15mg/日を開始してみた。臨床所見だけからは自信がないが、血沈の値が後ろを押してくれる。念のため、骨髄腫の検査も提出してみた。頭痛はまったくない。身体診察に自信ない分、関節エコーの勉強をするべきなのだろう。

 昨日記載した78歳女性も血沈が100以上だった。これは本物なのか。こちらは四肢痛はない。

(後日記)プレドニン内服で症状は数日のうちに改善してきた。ただし、1~2年前からは用事がある時以外はあまり動いていなかったので、歩行はできるが、すいすい歩くというわけではない。まあ86歳だから、そんなものか。リウマチ性多発筋痛症確診としていいようだ。

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