なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

久しぶりの骨髄穿刺

2016年10月15日 | Weblog

 昨日、貧血の89歳女性が内科医院から紹介されてきた。貧血の程度は、昨年夏がHb10g/dl、今年の春が8g/dlで、その後は少し間が空いて、その日はHb4.7g/dlだった。白血球数と血小板数は正常域で、白血球分画も異常なかった。MCVは93と正球性。吐血・タール便の既往はなく、直腸指診でも普通便だった。溶血でもない。1年かけての進行で、骨髄異形成症候群を疑った。

 家族の車で来るはずが、救急車での搬送となった。案外年齢の割には症状をきちんと話してくれた。採血したが、薄く水っぽい血液が採取された。さっそくだが、救急処置室で骨髄穿刺を行った。当院は院内の輸血ストックをあまり置いていない。画面で照会すると、同じ血液型の製剤はなかった。が、血液検査担当の技師さんに訊くと、他の患者さんで使用するはずだった濃厚赤血球2単位があるというので、すぐに使うことにした。まず2単位ずつ3日で、6単位入れることにした。

 紹介してきたのは、当院消化器科に勤務した後に父親の内科医院に戻った若い先生だった。電話で相談されたので、比較的近い地域の血液内科のある病院に問い合わせてもらって、受け入れが難しければ当院で対応しますと答えた。そちらの病院の先生は、学会で出かけて不在になるので、とりあえず近くの病院で輸血してもらって、その後に紹介するよう言われたそうだ。骨髄穿刺は今年初めてで、昨年も記憶にない。当院では採取はするものの、骨髄像は読めないので、診断は外注になる。

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