なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス」

2016年10月10日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。当直医(外科医)から早朝に救急搬入された右胸痛・呼吸苦?の82歳男性の申し送りを受けた。当院の腎臓内科外来(大学病院から出張)に、急速進行性糸球体腎炎で通院いていた。MPO-ANCA陽性で顕微鏡的多発血管炎なのだろう。プレドニン25mg/日で治療開始して、現在はプレドニン12.5mg/日に漸減していた。他院で心臓ペースメーカー植え込み術を受けて、心房細動があった。詳細はわからないが、たぶん徐脈頻脈症候群なのだろう。胸部X線でも葉間胸水と右胸水があって、心房細動・心不全かと思ったが、胸部CTを見ると、むしろ末梢側に目立つ線状影・浸潤影で肺うっ血ではなかった。BNPが100ちょっとだが、以前の検査で130だから増悪と言いにくい。肺炎の治療をメインにして、処方されていたARBに利尿薬少量も追加して経過をみることにした。

 

 救急車は78歳女性が一過性意識消失で搬入された。アルツハイマー型老年認知症で精神科病院に通院している。当院の循環器科から降圧薬が処方されていた。ショートステイ先の施設内で、血圧が70台になったそうで、救急隊到着時も90台だった。横臥して救急車で運ばれる時から意識が回復して、車内で動いて困ったそうだ。搬入時は血圧110だった。降圧薬のうち、ビソノテープをはがして経過をみることにした。一通り検査したが(胸部X線・心電図・血液検査・頭部CT)、普段と変わらなかった。家族の到着を待って、2時間ほど過ごして、帰宅とした。7月には尿路感染症で受診している。不穏に慣れている内科病棟だが、この方は相当にひどく、入院するとしたら抑制ぐるぐる巻きになってしまう。幸いにセフトリアキソン点滴静注とキノロン内服の外来治療で何とか治癒した。

 CareneTVで「Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス」を見ていた。著書は「レジデントのための やさしイイ胸部画像教室」。やさしイイ三部作をそっくり購入している。確かにベストティーチャーだと思う。「胸部CTルネッサンス」もあるといいな。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする