読書日和

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東京都知事選その1 筋違いの脱原発

2014-01-14 20:41:25 | 政治
1月23日告示、2月9日に投開票が行われる東京都知事選挙。
今日は元首相の細川護熙(もりひろ)氏が出馬を表明し、同じく元首相の小泉純一郎氏とタッグを組んだことで大々的に報じられています。

両氏は「脱原発」を掲げ、これを都知事選の争点にしたいとしています。
小泉純一郎氏は「原発即時ゼロだ」とも言っていました。

原発をどうするかのエネルギー政策は、国政でやることです。
小泉純一郎氏は「そんなことはない、争点だ」と主張していましたが、私はこれには違和感があります。

また、原発即時ゼロとのことですが、代替エネルギーはどうするつもりなのでしょうか。
現在、国内の全原発が停止しているため、火力発電所をフル稼働して、どうにか電力を賄っています。
ただし火力発電には「燃料」が必要で、エネルギー資源の少ない日本ではその燃料の輸入量と輸入に掛かる費用が大幅に増加しています。
経済産業省の試算によると今年度の燃料費は、東日本大震災が発生した2010年度と比較して約3兆6千億円も増加するとのことです。
事業として何か形になるものを作るわけでもないのにこの金額はかなり重いのではないでしょうか。
燃料費が大幅に上昇した分、電気料金も今後さらに上昇することでしょう。

それと火力発電は二酸化炭素(CO2)を排出します。
火力発電所をフル稼働しているということは、二酸化炭素の排出量も大幅に増加しているということです。
日本は民主党政権だった2009年秋、当時の鳩山由紀夫首相が世界に向けて「CO2排出量を1990年比で25%削減する」という公約を発表しました。
しかし原発が一基も稼働しておらず火力発電に頼る現状ではこの公約実現は到底不可能です。
この現状を踏まえ、現政権は昨年11月、25%減を3%増に変更しました。
これが現在の日本のエネルギー事情で、火力発電頼みではこういうことになります。
CO2排出を減らすどころか増やしてしまい、地球温暖化を食い止めることにも全く貢献出来ないです。

小泉純一郎氏は昨年の11月、「代替エネルギーは他の人達が”知恵”で何とかしてくれる」という主張をしていましたが、それはいくら何でも無責任過ぎではないでしょうか。
「脱原発」「原発即時ゼロ」と耳障りの良いことを言うだけなら誰にだって出来るのです。
大事なのは中身で、何の代替エネルギー策もなく脱原発だけ主張しても大幅に悪化した燃料費、CO2排出の問題はどうにもなりません。
現状の日本は地球温暖化を食い止めるどころか促進する側に回ってしまっているということを、細川護熙氏や小泉純一郎氏は分かっているのでしょうか。

そして改めて指摘しますが、これは国政でやることなのです。
「都民」への政策そっちのけで「脱原発」「原発即時ゼロ」などと主張するのは筋違いではないかと、私は思います。
コメント
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