読書日和

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西武ホールディングスと筆頭株主が全面対決

2013-03-21 23:43:25 | ウェブ日記
西武鉄道を傘下に持つ西武ホールディングス(HD)に、筆頭株主である米投資会社サーベラスが仕掛けたTOB(株式公開買い付け)に対し、西武HDが19日、反対する方針を固めたとのこと。
同日に東京都内で開いたTOB対応についての助言機関の有識者会議に伝え賛同を得たことから、26日までに正式表明する見通しで、不採算路線廃止などのリストラを迫るサーベラスと、反発する西武HDの対立は、ついに敵対的TOBに発展するようです。
※詳細記事についてはこちらをどうぞ。

アメリカの投資会社サーベラスは現在西武ホールディングスの株式を32.4%保有しているのですが、同社はこれをさらに4%買い増し、株主総会での影響力が一気に強まる「株式保有3分の1超え」を狙っているようです。
株式全体の3分の1以上を持つ株主は株主総会で特別決議を否決できるようになります。
西武ホールディングスがTOBに反対しているのに無理やり株の買い増しを強行するため、このケースは「敵対的TOB」となります。
どこか2005年にライブドアのホリエモンこと堀江貴文氏と「ニッポン放送、フジテレビ連合軍」が激突したのを彷彿とさせるものがありますね。

この問題で深刻なのが、米サーベラス社が西武鉄道の西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線などの路線の「廃止」を要求していること。
これらの路線は赤字なので、廃止して西武鉄道全体の収益性を高めるべきというのがサーベラス社の言い分です。
西武ホールディングスは現在再び東証一部への上場寸前のところまで来ているのですが、その際の売り出し価格を高くして利益を得たいサーベラス社としては、赤字路線の廃止などをしてこの機に企業価値を高めたいのが狙いです。
しかし鉄道路線が一気に三つも廃止となれば、その沿線で暮らす人々にとっては重大な影響が出ます。
これには西武ホールディングスも反対していて、「会社」と「筆頭株主」の確執が深刻化していき、ついにサーベラス社が敵対的TOBを仕掛ける事態へと発展していったようです。

私も埼玉県の出身で西武鉄道にも乗るので、この問題にはかなり興味を持ちました。
そして先日「安倍晋三首相、TPPへの交渉参加を表明」という記事を書きましたが、このケースはTPPの「ISD条項」にもつながる話ですね。
私はアジア太平洋地域で横暴の限りを尽くす覇権主義国家・中国への「包囲網」という外交戦略の面からTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加に賛成していますが、記事内で懸念事項として「ISD条項」に触れています。
2011年11月、民主党の野田佳彦前首相がTPPのISD条項自体を知らなくて国会で大問題になったことがありました。
このISD条項とは投資家が貿易相手国の企業から不利益を被った場合、その貿易相手国を訴えることが出来るというものです。
なのでもしTPP交渉でISD条項に合意した場合、このケースで言うとサーベラス社が「西武ホールディングスのせいで不利益を被った!日本政府を訴える!」というのが可能になるということです。
自民党もこれを懸念しているため公約にも「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」としています。

西武ホールディングスと筆頭株主の米サーベラス社の激突、非常に興味深いので、また記事を書こうと思います。
私としては何としても西武ホールディングスに勝ってほしいです。

※続きの「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」を書きましたので、ご覧になる方はこちらをどうぞ。