コロナ対策のためしばらくお休みしていたコットンクラブ、久しぶりに皆さんと会って活動しました。窓を全開にするなど、三密対策をしました。私は羊毛を紡いで毛糸を作りました。田布施農工高校の羊の原毛を洗浄して作った羊毛です。紡ぎが終わる7月末頃、染色して,織り始めます。恥ずかしながら、9月頃までには布作品にできないかなと思っています。完成までの道のりはだいぶ長いですが。
長い時間をかけて玉巻きしたたくさんの糸
皆さんそれぞれ、自分の作業をもくもくとしていました。布パラソルを加工する方、綿から種を取る綿繰りをする方、カーディングする方、スピンドルで糸を紡ぐ方、織りをする方などです。お互い2m位離れて座り、楽しく談笑しながら作業を進めました。途中、玉巻きした糸の集金をなどをしました。また、小さな子供さん二人が見学にやってきました。
布パラソル加工、織り、綿繰り 綿繰り、糸紡ぎ
カーディングが終わった羊毛を、いよいよ紡いで毛糸にします。今では紡ぎ器を使って毛糸にすることが多いです。しかしながら古代から現代まで、かつ全世界で今でもスピンドルが使われています。日本の弥生や古墳時代などの古代遺跡でも出土します。出土するのは、紡錘車と呼ばれるスピンドルの回転部分です。私も当初はスピンドルを使って毛糸を紡いでいました。しかし、だんだんと紡ぎ器を使うようになりました。今回使ってみたのは、明治か大正時代頃に使われていた古い足踏み式紡ぎ器です。今の紡ぎ器を使う前に使っていました。今でも何とか使えます。
明治か大正時代に使われていた古い足踏み式紡ぎ器
まずスピンドルですが、コマのように回転する力を使って羊毛を撚ります。そして、撚られた羊毛をスピンドルの軸に巻き取ります。当初は太い毛糸ばかりしか紡ぐことができませんでした。最近は綿を使っても糸を紡いでいます。自分用にスピンドルも数種類制作しました。個人的には素焼きの紡錘車を使ったスピンドルが使いやすいように思います。
羊毛用スピンドル 太めに紡いだ毛糸 A:本焼き,B:素焼きスピンドル
さて、古い足踏み式紡ぎ器は古い機械だけに、使うにあたった次のような苦労がありました。①足踏みをしていると車輪のベルトがよく外れる。②ギヤに油をささないと硬く動きがぎこちない③移動中に板などがずれたり外れる④糸巻きを取り出すことができないことなどです。手に入れた時、まったく動かなくて修理が大変でした。こんなにも使い勝手が悪い紡ぎ器ですが、一つだけ優れた機能があります。それは糸巻きが自動的に移動するため、巻き取り位置をいちいち変えなくてよい事です。
糸巻き周辺の機構 撚り具合の調節ネジ
一般的に足踏み式紡ぎ器は、片足を使って車輪を動かします。そして、片手で毛糸の吸い込みを調節し、もう片方の手で羊毛の繰り出しを調整します。足と手の連携が大切です。最初はその連携に苦労しました。自転車で言えば、脚の回転とハンドルを持つ手の連携に似ています。今は足踏み紡ぎ器を難なく扱えるようになりましたが、同じ太さの毛糸を連続して紡ぐことがまだできません。
足踏みする踏み板 糸巻きの移動機構 巻かれた毛糸
健康(史跡巡り)ウォーキングクラブは、コロナ対策のため9月まで活動を自粛します。
久しぶりに来た茶臼山古墳、後円部の頂上に登ってみました。頂上部からは柳井市街が見渡せ、遠くを見ると平生町の赤子山や田布施町の行者山と石城山が見えました。この古墳は山側にありますが、作られた当時は海が迫っていたと思います。茶臼山古墳直下にある祇園社の鳥居前まで海だったのではないかと思います。当時の古墳は目立つ場所に作られていることが多く、一種のステイタスシンボルだったようです。
茶臼山古墳の後円部から柳井市街を遠望
茶臼山古墳から降りて芝生の木陰で昼食休憩を取りました。平日だったため誰もおらず、巨大な古墳を見上げながらの休憩でした。休憩が終わると、古墳から代田八幡宮方面に向かって坂道を降りました。途中、いつもは通らない正行院横を通る道を下りました。正行院を過ぎると、かつて金毘羅宮ががあったと思われる荒れた山道を抜けました。
静かな正院の門 金毘羅宮の跡? 金毘羅宮への石階段
金毘羅宮跡に登るための、草が生い茂った荒れた石階段を降りると、火伏地蔵尊に行きました。市街地から奥まった場所にある地蔵尊のため、注意しないと見落としてしまいます。続いて、代田八幡宮傍にある宮本大師堂に寄りました。この付近は古くから宮本と呼ばれる地域です。この地域で信仰されていた大師堂ではないかと思います。お地蔵様が安置されているだけの小さな建物です。講などの集まりは、各家を順番に回っていたのではないかと思われます。
見落としそうな火伏地蔵尊 代田八幡宮傍の宮本大師堂
宮本大師堂を見終わると、何度も来た代田八幡宮に行きました。柳井市で最初に建立された神社だそうです。宇佐神宮から勧請され、元々は黒杭に鎮座していたものが西暦833年に今の宮本地区に移ったそうです。代田の名前は、代かきされた田んぼに由来するそうです。
代田八幡宮 茶臼山神社の祠 国木田独歩置土産碑
代田八幡宮の鳥居脇に、茶臼山古墳の場所に元々あった茶臼山神社の祠が安置されています。古墳を発掘整備する時に代田八幡宮に移したそうです。代田八幡宮を出ると、国木田独歩置土産碑に行きました。この碑の向かい側に、三角餅で有名だった藤坂屋はあります。残念ながら、今は三角餅を製造していません。藤坂屋を見ると、出発地点に向かって戻りました。自分に、お疲れ様。
柳井港~茶臼山古墳周辺の史跡巡りウォーキングの下見コース
小麦を脱穀した次日は雨の予報でした。早朝に空を見ると、まだ雨は降っていませんでしたが雲が広がっていました。急いで小麦畑跡に行って小豆の種を蒔きました。蒔き終わった頃にポツポツと雨が降り始めました。小豆を使った料理、例えばお汁粉や羊羹が好きな私です。そのため、毎年ではないのですが、小豆を使ってお汁粉を作ったり、時々羊羹を作ります。
株間を広めの50cmに、小豆の種をまく
種をまく間隔は広めの50cmにしました。1ヵ所に3粒の種をまきました。発芽後に芽を二つにします。毎年のことですが、小豆はカメムシの被害にあいます。せっかく実った鞘に、穴を開けて汁を吸うのです。そのため、今年は特に害虫カメムシに注意をはらおうと思います。秋の収穫時期には、実った鞘ごと株を抜いて天日乾燥し、叩いて、小豆を落とし、最後に唐箕で風選しようと思います。東京に住んでいた頃にも小豆をよく栽培していました。
小豆の種子 1ヵ所に3粒の種 この直後に雨
毛糸を紡ぐ前に、カーディングと呼ばれる作業があります。カーダーを使って、羊毛(ウール)をほぐすと同時に、梳(す)いて繊維の方向を揃える作業です。ちなみに、江戸時代まで日本では羊を飼育していなかったようで、これらの道具は明治時代にヨーロッパから伝わってきました。日本では絹を除いて綿やからむしなどの植物繊維を主に使っていました。弓の弦ではじいたり、細い棒を打ち付けたりして、それらの植物繊維をほぐしていました。
カーダーで羊毛をほぐすと同時に、梳(す)いて繊維の方向を揃える
まずは、洗浄が終わった羊毛を用意します。その羊毛から、1掴み分の羊毛を取り出します。その羊毛を最初はふかふかになるようにほぐします。ある程度ほぐれたら、繊維の方向を揃えるように梳(す)きます。なお、一度にたくさんカーディングしようと量を多くすると、うまくカーディングできません。1掴み分位の羊毛が適量です。
棘間のゴミを取る 1掴み分の羊毛 カーダーに載せる
カーダーには無数の針状の棘が打ち付けてあります。その棘を羊毛に引っ掛けるようにしてほぐします。棘は無数にあるため、カーディングには意外に腕の力が必要です。カーダーを持っていない方は、左手で羊毛を掴んで右手に持った櫛で梳(す)いてもかまいません。高価ですが、ハンドルを回しながらカーディングするドラムカーダーもあります。
ほぐしつつ繊維の方向を揃える 繊維の方向を揃え終わる
カーディングが終わると、ふわふわになったなった羊毛をカーダーから取り出します。普通ならば、この状態ですぐに紡ぐことができます。
私の場合は、その後に一手間かけています。その理由は、私が使っている田布施農工高校の羊の毛の特徴からきています。毛の長さが均一ではないこと、毛がカールしているため絡みつきやすいこと、やや毛が硬く太いなどの特徴があります。こればかりは、羊毛を取るために飼育されている羊ではないので仕方ありません。
カーダーから毛を取る フワフワの羊毛 細く引き伸ばす
その一手間とは、カーディングされた羊毛を引き伸ばすことです。硬くてカールした羊毛は、注意しないと太い毛糸になりがちです。連続して細い毛糸を紡ぐため、手元から繰り出しやすいように引き伸ばしておくのです。工業的に毛糸を生産するラインも、毛糸になる直前まで多段ロールで細く引き伸ばしています。次はいよいよ紡ぎの工程に入ります。
紡ぐ時に手元から羊毛を繰り出しやすいように引き伸ばしておく
1週間前に刈り取りして天日干ししていた小麦を、みなさんのご協力の元に脱穀しました。私は脱穀の準備をしただけで、ほとんどは皆さんに楽しげに脱穀していただきました。役割分担したわけではないのに、脱穀する人,干した麦を降ろして運ぶ人,麦を脱穀する人に,手渡す人,脱穀し終わった麦わらを縛る人など、自然に協力できました。見ていてとても気持ち良かったです。脱穀が終わった後、私がトラクターで農機具を小屋に運ぶ時も、ローダーに載せていただいたりと、ありがたいことです。
誰ともなく自然に役割分担して、麦を脱穀する方々
午後2時から脱穀を開始する予定でしたが、発動機と脱穀機の調整をするため1時半頃に動かしました。紫大麦と小麦(パスタ用)を先に脱穀しながら調整しました。次のように調整・準備しました。最初、発動機に水や軽油を入れて動かしました。そして、回転数を最適にしました。続いて、発動機と脱穀機を平ベルトで連結してワックスを塗りました。脱穀機は殻を排出する口を開けたり、脱穀が終わった小麦を入れる袋をセットしたりしました。
発動機に水を補給 ワックスをベルトに塗る 小麦を覆うシートを外す
脱穀は思いのほか早く終わりました。3年前に古い足踏み脱穀機を使いましたが、とても時間がかかりました。やはり発動機を使うと早いです。ところで、10年位前に大学生に脱穀などの歴史を実体験で教えたことがあります。古代から現代までの脱穀機などの農機具の進歩を体験してもらったのです。それは、こきはし、千歯こぎ、足踏み脱穀機、発動機による脱穀などです。今の子供達にも体験させたいものだと思います。
手渡された小麦を脱穀 皆さんで交代しながら脱穀
脱穀が終わると、皆さんに麦わらを差し上げました。麦わらはスイカやウリ類の栽培に欠かせない敷きわらとして使えます。稲よりも耐久性があるので重宝します。しかし、どこにでも売っているわけではありません。毎年、たくさんの麦わらが余るのですが、今回はほぼ全てもらわれていきました。なお、カッターで麦わらを細断して切りわらを作るつもりでした。しかし、今回は不要でした。
脱穀が初めての方も、脱穀体験
初夏の一番の農作業である麦の脱穀が終わってホッとしました。脱穀した麦はシートに広げて天日乾燥して保管します。この小麦はパンにしたり、ホットケーキなどにして食べます。ちなみに、去年収穫した古い小麦は不要になりました。鶏に餌として食べてもらおうと思っています。
脱穀機の脱穀口 袋に入る小麦 小麦粒を乾燥
天日乾燥中の小麦の脱穀準備をしました。トラクターのフロントローダーに脱穀機,発動機,カッター(麦わらを細切れにする機械)などを載せて運びました。これらの機械は、一度では運べないため数回往復しました。麦の脱穀は、次の日に皆さんと一緒にします。そのため、今回はその準備だけをしました。準備が終わると、小麦跡をトラクターで丁寧に耕耘しました。後日、この耕耘した畑に小豆の種まきをしようと思います。去年、小豆に加えて枝豆の種まきをしましたが、今年は小豆だけにしようと思います。
麦の脱穀準備が終わると、小麦跡をトラクターで丁寧に耕耘
現在、農家の多くはコンバインを使って小麦を収穫しています。刈り取り,脱穀,そして細断を一度に済ませることができるため効率的です。しかし、半ば趣味で麦を栽培している私には高価すぎます。そのため、今だに古い農機具を使っています。どれも昭和30年代に使われた農機具で、農業を廃業した古老などからいただいた農機具ばかりです。郷土館に陳列してもおかしくない古い機械ばかりです。
脱穀機をトラクターで運搬 A:カッター,B:発動機,C:脱穀機
小麦の脱穀準備が終わると、小麦を刈り取った跡をトラクターで丁寧に耕耘しました。畑が乾いていたため、1速落としてゆっくり耕耘しました。そして、同じ場所を2度耕耘しました。耕耘機は耕耘幅が狭いため耕耘に時間がかかりますが、トラクターは耕耘幅が広いので短時間に耕耘が済みます。実はこのトラクターも親しくさせていただいた古老よりいただいたものです。私が運転するトラックに載せて東京から田布施に運搬しました。元々は水田で使っていました。一度田んぼにはまって立ち往生したこともある思い入れのあるトラクターです。
のんびりと耕耘作業 もうすぐ耕耘終了 もう一度丁寧に耕耘
原毛に絡みついた干し草などのゴミを綺麗に取り除くと、最後に石鹸による洗浄をします。この洗浄が終わって天日干しすると、紡ぐことができる羊毛になります。ここまででも、相当に時間と手間がかかる手仕事です。しかし、元気に走り回っている羊の毛を刈り、羊毛へと仕立てていく過程を楽しむことができます。まさにスローライフの極みと言ったところでしょうか。なお、小学校の放課後学習の1コマにこの洗浄作業を入れており、子供に体験してもらっています。
最後に石鹸を使って綺麗に洗浄、原毛から羊毛へ
原毛の洗浄にどんな洗剤を使おうか、最初ずいぶんと悩みました。洗濯用の洗剤は、合成であったり、香りがついていたり、漂白剤が入っていたりします。数年前インターネットで探していると、たまたま羊毛専用の無添加固形石鹸を見つけました。ただし、固形のため扱いがやや面倒です。なお、この羊毛専用の無添加固形石鹸はもう販売されていないようです。代わりに、同じ成分の液体石鹸に切り替わったようです。固形石鹸が無くなり次第、液体に変えようと思います。なお、菜種油などを使って自分で石鹸を作っても良いかもしれません。
固形石鹸を削る 網袋に入れて溶かす 原毛を洗浄
固形石鹸は使う前に削って粉砕します。つまり粉の状態にします。さらに、網袋に入れて揉みながら温水に溶かす必要があります。十分に固形石鹸が溶けてから、原毛を入れて押し洗いしながら洗浄します。これらの作業は、温水設備のある施設で、しかも複数人ですると効率的に行うことができます。ちなみに揉み洗いは厳禁です。フェルト化してしまいますので。
洗浄後に排水 石鹸水をきる 綺麗な水を入れる
石鹸による洗浄が済むと、何度も水洗い(できれば温水が良い)して石鹸の成分を洗い落とします。それが終わると、最後に自然乾燥します。私は、網の間に濡れた羊毛を挟むように入れます。そして、風通しの良い場所に網を渡して乾かします。最初は滴が垂れます。時々濡れた羊毛の上下を入れ替えると良いでしょう。風通しが良ければ2日程度で乾きます。乾いた羊毛は、次にカーディングして紡ぎやすいように繊維の方向を揃えます。
最後の水洗い 網に入れて自然乾燥
毎年6月初旬は、真っ赤なグミが収穫時期を迎えます。グミは7年ほど前に苗木を植えましたが、以降毎年のように美味しい味を楽しんでいます。昔のグミは実が小さくてとても酸っぱかったのに加えて、渋みも強かったように覚えています。その後、品種改良されたのでしょう、最近のグミは実が大きく甘さが強くなりました。食べた後に口内に残る渋みもだいぶ減りました。果物屋に売っておらず、我家で密かに楽しむ初夏の果物です。
ザルに入れた真っ赤なグミ、色からして美味しそう!
美味しいグミは何故だか鳥が食べません。対象的にブルーベリーはいつも鳥に食べられて困っています。私が考えるに、グミを鳥が食べない理由は、①食べた後に残る渋みを鳥が嫌がる。②実が枝から数cmぶら下がっているため鳥が食べにくい。③葉の茂みの下にあるため鳥が見つけにくい。④種が比較的大きいため鳥にとって食べがいがない。などではないかと思います。ブルーベリーは上記ような欠点はありません。
美味しそうな実が二つ 数日後には真っ赤な実に
来週早々には天候が悪くなるとのこと。その前に、畑で天日干ししていたタマネギを軒下に束ねてぶら下げることにしました。ぶら下げ方にもいろいろ方法があります。私は、タマネギ数個の茎葉を束ねて紐で縛り、横に渡した細棒に掛けています。タマネギを食べたい時、その束のまま台所に持っていきます。手間なく食べることができます。
タマネギ数個の茎葉を紐で結束
軒下に干したタマネギは200個位はあるでしょうか。今年は小さなタマネギが多かったように思いますが、我家で食べるには十分な量です。去年収穫したタマネギのうち食べ残したものがあります。葉が出ているので、タマネギとしてはもう食べることができません。赤タマネギのように再度畑に植えれば、単なる葉ネギとして収穫することができます。梅雨の間に、食べ残した去年のタマネギを再度畑に植えようと思います。
横に渡した細棒に束を掛ける 今年収穫した全てのタマネギ
予備洗浄が終わると、原毛をさらに綺麗にします。そして、紡ぐことができる羊毛にします。泥などの汚れは水で洗うほどに綺麗になります。しかし原毛に絡みついた干し草、木のチップ、籾殻、雑草の種などは、面倒でも一つ一つ手で取り除かなければなりません。ついでに毛玉も取り除きます。この作業が意外に時間と手間がかかります。しかし、良い毛糸を紡ぐためには避けて通れない手仕事なのです。
羊の原毛に絡みついた干し草などのゴミを取り除く
次のようにして原毛に絡みついたゴミを取ります。予備洗浄した原毛を、櫛などで軽くカーディングします。原毛内のゴミが表面に浮き上がるようにカーディングするのです。そして、指先やピンセットでそのゴミを摘まんで取り出します。干し草,木のチップ,籾殻などはその方法でほぼ摘出することができます。容易に取り出せないのは雑草の種です。特にオモナミなどの種は始末に負えません。
予備洗浄した原毛 絡みつく干し草など 左:木のチップ,右:籾殻
それらのゴミを取り終わると、次に毛玉を取り除きます。毛玉は短い羊毛の塊です。毛玉がたくさんあると、カーディングしても玉のままになりがちです。紡いでも糸が玉状になりやすくなります。また、毛玉状に固まった毛先も問題です。その場合は、櫛で軽くカーディングして固まった毛先を開放します。
取り除く毛玉 毛玉状になった毛先 櫛で毛先をカーディング
このようにして、ゴミなどを取り除いて原毛を綺麗にします。原毛に絡みつくゴミを全て取り除かないと、紡いだ毛糸はごわごわした引っ掛かりのある毛糸になります。そのような毛糸で作った布や衣服は肌を傷めます。そうならないように、時間をかけてゴミを取り除くのです。とにかく、手間がかかる手仕事の連続です。
ゴミを取る前の原毛 ゴミを取って綺麗になった原毛
一昨日小麦(パン用)の刈り取りをしましたが、今回は紫大麦と小麦(パスタ用)の刈り取りをしました。刈り取りはもう少し後でもよかったのですが、スズメなどの被害がひどく、このままでは全て食べられそうな勢いでした。そのため、まだ完全には成熟していないのですが、急遽刈り取りしました。麦を刈っていると、周りではスズメたちがチュンチュンとうるさいほど鳴いていました。私が立ち退くのを待っているようでした。早朝のいい餌場になっていたのでしょうね。ところで、先日伝書鳩を保護したと思ったら、今度は麦の下にいたスズメを保護してしまいました。
紫大麦と小麦(パスタ用)の小麦を急遽刈り取り
ところで、紫大麦は脱穀後に押麦にして、ご飯に混ぜて食べる予定です。小麦(パスタ用)は、農作業小屋にある製粉機で製粉後に調理して食べます。それとは別に、放課後学習の成器塾でも使う予定です。手回し製粉機で製粉後、パスタか去年のようにホットケーキにするつもりです。
食害された小麦 食べられた小麦の穂 成熟直前の小麦
刈り取り前、麦の株下にスズメを見つけました。このままでは刈取機の下じきになるため、保護する事にしました。動きが鈍かったため、なんとか捕まえることができましたが、指先を少し噛まれてしまいました。麦の穂に飛び上がるのに何度か失敗して、下草の朝露に濡れて冷えてしまったのかも知れません。今年生まれた子スズメでしょうか、麦を食べる経験が浅かったのかも知れません。小さな箱に入れて日の当たる暖かい場所に置いていたら、麦を刈っている間にいなくなりました。箱の上が空いていたので、飛んでいったのではないかと思います。
実が付いた紫大麦 スカスカの紫大麦 保護したスズメ
今は梅雨に入るシーズンです。刈り取った麦を外に置いておくと、雨は降らなくても夜露に濡れてしまいます。農作業小屋に入れて自然乾燥することにしました。来週小麦(パン用)を脱穀するので、ついでに今回刈り取った紫麦と小麦(パスタ用)も脱穀しようと思います。
ところで、明日から仕事です。仕事が終わったらニンニクを収穫しようと思います。試しに1本掘ってみたら、「掘ってください!」とばかり球根が大きく育っていました。梅雨が本格的になる前に収穫しておかなければなりません。やれやれ忙しい毎日です。
運びやすいように束ねる 担いで農作業小屋に運ぶ
初秋に播種して、晩秋に移植したタマネギをようやく収穫することができました。毎年タマネギの葉茎が折れたのを合図に収穫します。しかし、今年は茎がなかなか折れません。折れないまま茶色になり枯れるのです。品種の違いなのかも知れませんが収穫に戸惑いました。毎年のタマネギの収穫時と同じように、タマネギを掘り上げると地面に寝かして天日乾燥しました。明日にでも束ねて、軒下に干そうと思います。
タマネギを掘り上げるそばから、天日乾燥のため寝かせる
今回のタマネギ栽培では特に肥料を施しませんでした。元肥だけで栽培しました。そのためか、大きな玉になったタマネギは多くありませんでした。これを反省して、この秋は石灰をまいて土を中和し、かつ元肥をほどこした後に苗を植え付けようと思います。そして追肥をしようと思っています。ただし、大きくなり過ぎると長持ちせず傷みやすいのが難点です。今年も100%成功のタマネギ栽培には至りませんでした。
掘り上げたタマネギを天日乾燥 左より、大,二股,小のタマネギ
小麦の刈り取りをしました。午前中雨が降っていたため、小麦を刈り取るかどうか迷いました。雨が止んで昼前に麦畑に行って確認すると、小麦はそれほど濡れていませんでした。そのため、麦刈りを決行することにしました。日本は麦の栽培に向いていません。麦を収穫する時期が、ちょうど梅雨に当たるからです。毎年のことですが、梅雨のわずかな合間をみて刈り取りや脱穀をしています。
刈刃を交換修理したハーベスタを使用して小麦の刈り取り
小麦の刈り取りにあたって友達2人に協力をお願いしました。快く引き受けていただいた2人と共に、最初は麦畑に張った防鳥糸を回収しました。防鳥網を早めに張ったおかげか、それほど小麦を食害されていませんでした。続いて、私がハーベスタを使って次々に小麦を刈り取りました。
防鳥糸を外した麦畑 どんどん麦刈り 刈った麦を集める
ハーベスタは先日刈刃を新品に交換したため、面白いように小麦を刈り取ることができました。友達2人には、束になった小麦を支柱に掛けてもらいました。来週脱穀する予定のため、それまでの間に雨に濡れないようにシートを掛けました。協力していただいた友達2人、ありがとうございました。来週予定の脱穀後、スイカなどの敷わら用に麦わらを好きなだけ差し上げようと思います。
刈り取った麦を掛ける 雨に備えてシートを被覆
小麦の刈り取りが終わる頃、西田布施に住むM夫婦がやってきました。茶葉でお茶を作りたいとのことでした。そこで、小麦畑から我家近くにあるお茶畑に移動しました。そこで、好きなだけお茶の新芽を取っていただきました。少し前は小さな新芽でしたが、今はやや育った新芽です。
差し上げたやや育ったお茶の新芽
今年のコロナ惨禍で、羊を飼育している田布施農工高校に行く機会がありませんでした。そのため、今年はまだ羊の原毛をいただくことができません。来月田布施農工高校に用事があるため、その時にいただけるかも知れません。とは言え、去年いただいた原毛がまだあります。その原毛を使って、紡ぎ,染色,そして織りをしようと思います。織りまでの作業を時々、ここで紹介しようと思います。
羊の毛刈り実習をしている高校生
羊は毛質に合わせて品種があります。しかし、農業高校の畜産課で飼っている羊は、羊毛用ではありません。飼育や毛刈りなどを実習するためです。ところで、農業高校間で羊を貸し借りしているそうです。近親交配を避けるためとのこと。そのため、農業高校で飼育している羊は雑種とのことです。
泥などが付いた原毛 短い原毛を取り除く 予備洗浄で綺麗に
畜産課の高校生と言え、慣れない毛刈りを失敗することがあります。羊の皮膚を傷つけたり、同じ場所を何度も刈り直します。そのため、原毛がぶつ切りに刈られていることがあります。そのような原毛は長さがバラバラです。原毛をいただいた時、最初にする作業があります。それは、毛刈りに失敗した原毛を取り除くことです。
汚れが落ちた原毛 汚れが落ちて少しばかり白く
いただいた原毛には羊特有の油分が付いています。そのため、原毛を選別していると指にしっとりと油分が付きます。そのため、少しべとつくような感触があります。選別が終わった原毛は、泥や脂分を取り除くため予備洗浄をします。その後、一度天日乾燥します。これを済ませると、さっぱりとした扱いやすい原毛になります。続いて、原毛に付着している干し草などのゴミを取り除く洗浄に入ります。
水槽に水を溜める 溜めた水でゆすぐ 水をきって天日乾燥