カーディングが終わった羊毛を、いよいよ紡いで毛糸にします。今では紡ぎ器を使って毛糸にすることが多いです。しかしながら古代から現代まで、かつ全世界で今でもスピンドルが使われています。日本の弥生や古墳時代などの古代遺跡でも出土します。出土するのは、紡錘車と呼ばれるスピンドルの回転部分です。私も当初はスピンドルを使って毛糸を紡いでいました。しかし、だんだんと紡ぎ器を使うようになりました。今回使ってみたのは、明治か大正時代頃に使われていた古い足踏み式紡ぎ器です。今の紡ぎ器を使う前に使っていました。今でも何とか使えます。
明治か大正時代に使われていた古い足踏み式紡ぎ器
まずスピンドルですが、コマのように回転する力を使って羊毛を撚ります。そして、撚られた羊毛をスピンドルの軸に巻き取ります。当初は太い毛糸ばかりしか紡ぐことができませんでした。最近は綿を使っても糸を紡いでいます。自分用にスピンドルも数種類制作しました。個人的には素焼きの紡錘車を使ったスピンドルが使いやすいように思います。
羊毛用スピンドル 太めに紡いだ毛糸 A:本焼き,B:素焼きスピンドル
さて、古い足踏み式紡ぎ器は古い機械だけに、使うにあたった次のような苦労がありました。①足踏みをしていると車輪のベルトがよく外れる。②ギヤに油をささないと硬く動きがぎこちない③移動中に板などがずれたり外れる④糸巻きを取り出すことができないことなどです。手に入れた時、まったく動かなくて修理が大変でした。こんなにも使い勝手が悪い紡ぎ器ですが、一つだけ優れた機能があります。それは糸巻きが自動的に移動するため、巻き取り位置をいちいち変えなくてよい事です。
糸巻き周辺の機構 撚り具合の調節ネジ
一般的に足踏み式紡ぎ器は、片足を使って車輪を動かします。そして、片手で毛糸の吸い込みを調節し、もう片方の手で羊毛の繰り出しを調整します。足と手の連携が大切です。最初はその連携に苦労しました。自転車で言えば、脚の回転とハンドルを持つ手の連携に似ています。今は足踏み紡ぎ器を難なく扱えるようになりましたが、同じ太さの毛糸を連続して紡ぐことがまだできません。
足踏みする踏み板 糸巻きの移動機構 巻かれた毛糸
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