東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

羊の原毛,紡ぎ,染色,そして織り 2/29 (原毛の洗浄1/2)

2020年06月05日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 予備洗浄が終わると、原毛をさらに綺麗にします。そして、紡ぐことができる羊毛にします。泥などの汚れは水で洗うほどに綺麗になります。しかし原毛に絡みついた干し草、木のチップ、籾殻、雑草の種などは、面倒でも一つ一つ手で取り除かなければなりません。ついでに毛玉も取り除きます。この作業が意外に時間と手間がかかります。しかし、良い毛糸を紡ぐためには避けて通れない手仕事なのです。

    羊の原毛に絡みついた干し草などのゴミを取り除く


 次のようにして原毛に絡みついたゴミを取ります。予備洗浄した原毛を、櫛などで軽くカーディングします。原毛内のゴミが表面に浮き上がるようにカーディングするのです。そして、指先やピンセットでそのゴミを摘まんで取り出します。干し草,木のチップ,籾殻などはその方法でほぼ摘出することができます。容易に取り出せないのは雑草の種です。特にオモナミなどの種は始末に負えません。

 予備洗浄した原毛     絡みつく干し草など   左:木のチップ,右:籾殻
  

 それらのゴミを取り終わると、次に毛玉を取り除きます。毛玉は短い羊毛の塊です。毛玉がたくさんあると、カーディングしても玉のままになりがちです。紡いでも糸が玉状になりやすくなります。また、毛玉状に固まった毛先も問題です。その場合は、櫛で軽くカーディングして固まった毛先を開放します。

  取り除く毛玉     毛玉状になった毛先   櫛で毛先をカーディング
  

 このようにして、ゴミなどを取り除いて原毛を綺麗にします。原毛に絡みつくゴミを全て取り除かないと、紡いだ毛糸はごわごわした引っ掛かりのある毛糸になります。そのような毛糸で作った布や衣服は肌を傷めます。そうならないように、時間をかけてゴミを取り除くのです。とにかく、手間がかかる手仕事の連続です。

   ゴミを取る前の原毛        ゴミを取って綺麗になった原毛
 

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