東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

羊の原毛,紡ぎ,染色,そして織り 3/29 (原毛の洗浄2/2)

2020年06月08日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 原毛に絡みついた干し草などのゴミを綺麗に取り除くと、最後に石鹸による洗浄をします。この洗浄が終わって天日干しすると、紡ぐことができる羊毛になります。ここまででも、相当に時間と手間がかかる手仕事です。しかし、元気に走り回っている羊の毛を刈り、羊毛へと仕立てていく過程を楽しむことができます。まさにスローライフの極みと言ったところでしょうか。なお、小学校の放課後学習の1コマにこの洗浄作業を入れており、子供に体験してもらっています。

        最後に石鹸を使って綺麗に洗浄、原毛から羊毛へ


 原毛の洗浄にどんな洗剤を使おうか、最初ずいぶんと悩みました。洗濯用の洗剤は、合成であったり、香りがついていたり、漂白剤が入っていたりします。数年前インターネットで探していると、たまたま羊毛専用の無添加固形石鹸を見つけました。ただし、固形のため扱いがやや面倒です。なお、この羊毛専用の無添加固形石鹸はもう販売されていないようです。代わりに、同じ成分の液体石鹸に切り替わったようです。固形石鹸が無くなり次第、液体に変えようと思います。なお、菜種油などを使って自分で石鹸を作っても良いかもしれません。

  固形石鹸を削る     網袋に入れて溶かす    原毛を洗浄
  

 固形石鹸は使う前に削って粉砕します。つまり粉の状態にします。さらに、網袋に入れて揉みながら温水に溶かす必要があります。十分に固形石鹸が溶けてから、原毛を入れて押し洗いしながら洗浄します。これらの作業は、温水設備のある施設で、しかも複数人ですると効率的に行うことができます。ちなみに揉み洗いは厳禁です。フェルト化してしまいますので。

  洗浄後に排水      石鹸水をきる     綺麗な水を入れる
  

 石鹸による洗浄が済むと、何度も水洗い(できれば温水が良い)して石鹸の成分を洗い落とします。それが終わると、最後に自然乾燥します。私は、網の間に濡れた羊毛を挟むように入れます。そして、風通しの良い場所に網を渡して乾かします。最初は滴が垂れます。時々濡れた羊毛の上下を入れ替えると良いでしょう。風通しが良ければ2日程度で乾きます。乾いた羊毛は、次にカーディングして紡ぎやすいように繊維の方向を揃えます。

    最後の水洗い          網に入れて自然乾燥
 


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