湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ファインプレーの結末

2012-01-08 17:20:49 | あんな話こんな話


昨年7月、創業100年を超える平塚の老舗書店『稲元屋』が閉店したという。
このお店は地元にまつわる書籍も出版していて、それらを処分すると聞いた観光協会が7書3000冊を引き取り一般に販売するという記事が湘南ジャーナルに載った。
観光協会のファインプレーである。

その本は
「わが市の写真帖 平塚50年の歩み」
「ひらつか七夕30年のあゆみ」
「ひらつか野の花 上・下巻」
「湘南平塚くらしの俗言」
「むかしばなし 続平塚ものがたり」
「平塚素描集」
の7冊。1冊300円~500円で、7冊セット2000円で販売されるという。

その会場である商店街の歩行者天国に出かけた。すると、テントでも出ているものと想像していたのに、おじさんがひとり道ばたでお店を開いていた(笑)。
おじさんは、ブルーシート上に広げた本を7冊集めては紙袋に詰めて2000円を差し出す人に渡している。僕も2000円を手に握りしめ、10人ほどの列に並んだ。

ところが、どうやらセットではなくバラで買い求める人もいるようで、おじさんはテンテコマイである。それにしても置いてある本はどう見ても100冊にも満たない。中には残り数冊という書籍もあり、だんだん不安になってきた。
不安は的中し、ブルーシートを囲んだおじいさんおばあさんたちが我先にと残った書籍を手にし始めたのだ。中でも手に入れたかった「わが市の写真帖 平塚50年の歩み」「ひらつか七夕30年のあゆみ」はアッというまに消えてしまった。
バカ正直に2000円セットの列に並んでいた者がバカを見たのである(笑)。
結局、最も数があった写真の「湘南平塚くらしの俗言」という1冊だけしか手にすることができなかったのだ。

「私は街歩きの企画をやっているボランティアで、手伝いにきただけなんでよくわからないんですよ」
みんなに詰め寄られているスタッフのおじさんが可哀想に見えてきた。
「観光協会にはあるんですよね」
「ん~わかりませんけど、観光協会は日曜で休みだからねぇ」
どーした観光協会!

市内の新聞に折り込まれるタウン誌の1面にデカデカと掲載された記事の対応としては、なんともお粗末だったなぁ。
記事の中には「19日からの観光フェスティバルでも販売」と記されているが、今日で在庫がなくなったものもあるようで不確定である。