湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

氷行

2011-02-11 19:55:47 | ぶらかま


横殴りのみぞれの中、ふんどし姿の修験者が大声でお経を唱えながら自ら水をかぶる。
肌から湯気が立ち昇る様から、体温が奪われていることがよくわかる。
その寒さ、冷たさを払うかのように、彼らはさらに声量を上げていくのだ。ものすごい迫力。

長勝寺の大国祷会(だいこくとうえ)である。
メインは、この水行。千葉県の法華経寺で、睡眠時間3時間、おかゆと梅干だけで水行・読経を100日間続けてきた修験者が、ここで最後の水行に挑む。
かつては小町の本覚寺からお経を唱えながら列を作って歩いてきたらしいが、今はタクシーに分乗してくる。ちょっと興醒め(笑)。
また、伸びたヒゲを見ると100日の長さ、壮絶さを感じるが、中には案外タップリした体形の僧侶がいるのが、ちょっと不思議な気も(笑)。
あとは、お寺のサービスにも驚いた。「帝釈天」の法被を纏ったおじさん(「とらさん」でいえば佐藤我次郎さん)が水行場を囲んでいるカメラマンに向かい、あと20分で始まるとか、銅鑼が鳴ったら団扇太鼓と共にあちらから行列を作ってここをこう歩いてくるとか、30人いるので5回に分けて行なうとか、実に事細かに説明してくれるのだ。こうなるともう何か修行ではなく、エンターテインメントのようでもある(笑)。
そうこうしているうちに朝よりも気温が低下、みぞれは雪に変わり盛んに顔に撃ち付ける。体が芯から冷えてきた。
じっと見つめている僕たちの方が、実は修行しているんではないかと実感するのである。



なんでも100年ぶりだという本堂のテッペンの金色の玉ねぎ(笑)の改修披露も行なわれた。その除幕式の準備をする方。寺、僧侶、お経、荒行に不釣合いなダンディーだ。