「日本そばのかけそばでしょ」
目隠しテストされたら、そう答えてしまったかもしれない。
本厚木の『麺や食堂ブラジル』の、たしかに「かけそば」ではあるが、これは中華そばのかけそばだ。
シンプルにいきたいと思って、あえて具なしの「かけそば」(580円)に挑戦。具材から染み出てくるエキスがないからか、スープは魚介系のダシが前面に出ていて、おまけに腰がありストレートの細麺なので、まるで日本そばのような印象である。
個人的には断然鶏ガラ系のスープが好みなのだが、ん~これはこれで悪くはない。
いや、麺の喉越しがめちゃめちゃよくって、いつまでもツルツルやっていたいくらいだ(笑)。
とにかくこれは何も入っていないところがいい。実は、薬味のネギさえ別添えというところも潔い。途中からこれを加えると、またさわやかになって楽しい。
細くて腰のあるいい日本そばを喉越しで味わう。その喜びを中華で実現したような素敵な逸品である。
このお店、昭和26年創業のもともとは食堂で喫茶店でもあったらしい。そうか「ブラジル」はコーヒーのね。
その喫茶食堂時代の名残か、セットメニューに丼ものがいくつか用意されており、そのネーミングから思わず頼んでしまった「豚マヨ丼」(330円)がなかなかコッテリとしていて、夕方まで胸焼けが止まらず(笑)。
やはり、ここは入るなり堂々と「かけそばひとつね」と注文して、出てきたら一気にツルツルッとやって、サッと店を後にする…こちらとしても、そんな潔さが必要であったのだ(笑)。
店内にはレトロなグッズがいっぱい。窓の上には百恵ちゃんのLPが。