湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

住宅街の定食店

2010-05-27 18:18:50 | B食の道


平塚駅南口から海に向かう。
右手に河野邸の見える5差路を左斜め(南東方向)に進む。朝夕は学生たちがゾロゾロ歩く道だ。そこをしばらく行って左手、路地をほんの少し入った所に『食事処』の暖簾が揺れていた。

驚いて自転車を停め、暖簾の脇に貼り出されていたメニューを見る。
『静岡屋食堂』と書いてあるぞ。
そうか、ここだったのか。以前こちらで読んだ記憶がよみがえる。お昼は家で何か作るつもりだったが、急遽方針を変更して暖簾をくぐることに。

奥に長い店内に先客は4名。席数は20ほどだろうか。僕の後から、さらに3名が入店してきた。
入口付近には水のサーバーが置かれている。まずは自分でコップに水を注ぎ、隣の棚からもう一方の手で雑誌を取り、厨房に注文を告げながら席に着く。これが常連客のスタイルのようだ。

注文を受けたお母さんがお父さんに伝えると、すぐにいい音、いい匂いがしてくる。あっという間に『バラ肉のしょうが焼き定食』(500円)と『玉子焼き』(150円)が運ばれてきた。


どうです、この分厚い豚バラ。しかも、こんなに脂身がたっぷりなのは、これまでの僕のしょうが焼き史上、間違いなく最大である。
噛みつくと、その独特の風味が口腔にジワ~と広がった。薄いバラ肉の脂身は死ぬほど好きなのだが、実は厚い肉の脂の塊はあまり好きではない(よくわからないでしょ)。ところが、その僕でさえこいつはイケルと感じるのだから、脂の塊マニアにはこたえられないはず。おいおい脂の塊マニアなんているのかよってツッコミを入れたあなた、びっくりしないでくださいよ。僕以外に『バラ肉のしょうが焼き定食』を頼んだお客が二人もいたのだ。彼らは常連のようだから、たぶん脂の塊マニアに違いない。そうでないとしたら、すでに習慣性になってしまった脂の塊中毒患者と見ていいだろう(笑)。

さて味付けはというと、生姜風味がやや薄い。どちらかというと焼き肉テイストの濃い目のタレだ。ただし、ドロドロ感はまったくなくておいしい。付け合わせの少量のキャベツの上に、肉と一緒に炒めたと思われるモヤシまで載っていて嬉しい。こりゃあご飯がどんどん進んじゃいます(笑)。

ここで懸念されるのが、定食にありがちな「せっかくおいしいおかずなのにご飯が足りなくなる問題」である。大盛りにしてもらえばよかったなどと、後で頭を抱えるケースが多いんですよね。
ところが、心配は無用。ご飯は、僕のこれまでの定食屋さん史上最大級の丼にドドーンと盛られている。すばらしイッス(モヤサマ風に)。
さらに、わかめの味噌汁。こちらも大きめのお椀になみなみと。これにお新香が付いて、定食系・丼系ともほとんどが500円前後で食べることができるのだ。すごいコストパフォーマンス!だけどお父さんお母さん、これでやっていけるンスカネ(再びモヤサマ風に)。

そして、玉子焼きだ。ここここ もリーズナブルで懐かしくって絶賛したけど、ここのはさらにその上をいっちゃった(笑)。ごく普通の玉子焼きなんだけどなぁ。ボリュームもタップリで、ほのかに甘くて、何もかけずに堪能できます。最後はお砂糖の固まりまで発見(笑)。



帰り際、一息ついていたお父さんとお母さんにちょっと聞いてみると、ここで45年になるという。屋号は「おじいさんが裾野(静岡県)出身で、最初はお茶屋だったんだ。そのうちいろいろ扱うようになって食堂も始めた」とのこと。
ごちそうさまを言って外へでると、背中でお二人の会話が聞こえてきた。

「じゃあ、ウチももうすぐ半世紀ね」
「そうだよ、いつの間にか老舗だぞ、老舗!」
「ワハハ…」

まさに住宅街にある隠れた銘『B食』店。再訪確実です。


建て替えたらしく古い定食屋の雰囲気はないが、暖簾の地の色褪せ具合が歴史を物語っている。
尚、食べ終えた食器の返却はセルフのようです。いや、お客が自主的にやっている風にも見える。こういう定食屋さんって、なんかいいんですよね。


ここまで読んでいただけたんですね。ありがとうございます&すみません今日もめちゃめちゃ長くって。まぁいいか、超自己満足日記ですから。って、勝手な野郎だ(笑)。