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湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

昭和9年のコンビニ

2008-06-19 23:33:05 | 本郷後楽園昼休み散歩


本郷三丁目の交差点から上野方面に向かって道路の右側の歩道を行くと、コンビニの『サンクス』が現れる。
この店先を行く人も、利用する人さえも気づいていなかったりするのだが、前の横断歩道を渡って道の向こうで振り返ってみると、そこがスゴイ建物であることに驚かされる。


入口の上に『さかえビル』とある。昭和9年に建てられたというから、戦前のものだ。
さらに、よく見るとちょっとゴテゴテ気味の飾りも多く興味深い。
そこに、いかにもコンビニという色彩の激しいボーダーの看板がはめ込まれ、なんとも不思議な光景になっている。






とはいえ、ここは生き長らえているという事実に喜ぶべきだろう。戦火を潜り抜けてきた貴重な建物だけに、激化しているコンビニ戦争にも打ち勝って、ずっとずっと残ってほしいものですね。


以前にもご覧いただいている立派な本郷中央教会(昭和4年)からさかえビルまで、古い建物がズラリと並んでいる。


教会の左隣。これまた堂々たる佇まい。


『さかえビル』を過ぎてさらに上野方面へ進むとすぐ、シンプルだけど味のある『松竹会館』が。1階はカフェになっているようだ。

懐かしい街を新規開拓

2008-06-11 23:40:32 | 本郷後楽園昼休み散歩


ケチャップ関係でドロドロになっている血液を正常の値にもどすべく、昼休みは散チャリに励む。
会社の周囲はあらかた行き尽くした感があるため、今日は新規開拓である。
駅の向こう側、三崎町経由で、初めて飯田橋方面にアプローチしてみた。川とその上にかかる巨大な首都高に行く手を阻まれて遠い世界のような気がしていたが、渡ってみたらどうということはなかったな。ご近所さんだ。
しかも、古い建物もポツポツ採取できる。いいぞ、いいぞ。ウロウロしていたら、おぉ我が母校まで見えてきた。懐かしいけど、すっかり様変わりしてしまい浦島太郎だ。
いやぁ、自転車だと意外に近いことを実感。完全にランチ圏内である。選択肢が一気に広がった感じ。お弁当がない日の楽しみが328%増(自分比)!
よーし、次回はO部長おススメの洋食屋さんで、ナポリタンの大盛りに決定だ!


おいおい…












本郷ヒルズコレクション

2008-06-06 23:21:01 | 本郷後楽園昼休み散歩


突然ですが、久しぶりに晴れ上がったので、青空が似合うスペインに飛びました。






というのはウソで、本郷の西片あたり、山の手への坂道(新坂)にある集合住宅です。
本郷のアンダルシアと呼びたくなるような街並みに見えますが、実はたった二軒だけ(笑)。古い木造家屋が多い坂の下と、同じ古くてもやはり高級感を漂わせるお屋敷が多い坂の上の、ちょうど中間に建っています。

自転車を押しながら急な坂を上りきると、古くからの大きなお宅が並ぶ一角が現れる。その多くは高い塀に囲まれていて中の様子はうかがえないのだが、たいていは既に建て替えが済んでいるようだ。
ぱーぷー…というお豆腐屋さんのノンキなラッパの音にさえ、敷地内の大型犬が吠えまくったり、門や塀に『SECOM』のステッカーが貼ってあったりする。
その点、建て替えしていない木造家屋は、無防備だ。門柱はあっても、もとから扉がついていなかったり(笑)。
まるで、両手を広げて僕を迎えてくれているかのようだ。
本当は迎え入れてくれるわけではないのだろうが、少なくとも僕にはそう見えてしまうのである(笑)。


以前は病院だったらしい。紫陽花が満開のころ、またうかがいたい。今日は洗濯物が満開だった。




遠くから見たら日本家屋のようだったのに、洒落た造作の洋風建築だった。


そして、さらに狭い路地に迷い込んだら、こんな長屋も発見。学校がひけたら、みんなでケンケンパッでもやりそうな懐かしい空間だった。

色あせても輝いていた

2008-05-19 23:09:48 | 本郷後楽園昼休み散歩


東京ドームの北西方面に、凸版印刷のRを描くガラス張りの大きなビルが見える。
足を延ばしてみると、その周辺には印刷・製本関連の会社や町工場がひしめきあっていることがわかる。
ところが、驚くのは廃業してしまったところが多いことだ。
ITの進化で本が売れない時代になったことはよくわかる。でも実は、本づくり自体もDTP化、デジタル化が進み、これまでは当たり前だった工程が不要になってしまったなんてことがたくさんあるのだ(これは小石川の共同印刷周辺でも同様)。
こんな路地にある写真屋さんも、かつては業界人の持ち込むフィルムの現像やプリントで大忙しだったはずだ。

その店先に貼られたままの『FC東京』のポスター。


中央には“KING OF TOKYO”アマラオ氏が。
そして、よ~く見てくださいよ、左の方を。
そう、浅野哲也コーチ!
2000年だから、名古屋から移籍してきたシーズンですね(それにしても、「SEXY FOOTBALL」って)。
ん~このポスター、8年もの長きにわたり、風雪に耐えてきたというわけだ。いやぁ見事というしかない。
印刷技術が優れているからなのか、狭い路地のおかげで強い日差しや雨風が防げたからなのかは不明である。




東芝ストアーでありながら、松下電器販売店!


こちらは、いつもの『大曲 鈴や』食堂の「ドライカレー」(700円)。相変わらずご飯やわらかめだが、具がいっぱいで、食べてて笑顔になる昭和の味だ。

歯と家と命を大切に

2008-05-15 23:55:40 | 本郷後楽園昼休み散歩


久しぶりに気温が上がった昼休みに、小石川あたりを散チャリ。
所々に古い建物が残っているが、この歯医者さんはいまだ現役。
治療室では、べっ甲のメガネをかけた白髪の老医師が古めかしい道具を手に、患者を待ち構えているのだろうか。「なんでこんなになるまで放っておいた!」と苦言を呈すに違いない。そして…。
ギェ~~~ッ!!
そんなことを考えながら写真を撮っていると、クルマがビューッ。
今度はフォークリフトがグィーン。
道が狭く、製本や紙関係の工場が多いので、散チャリには注意が必要な一帯でもある。






ここは以前にもアップしたことがありますが、実にいい雰囲気ですね。

博報堂々、学士巨艦

2008-05-13 23:25:33 | 本郷後楽園昼休み散歩


神保町は小さな建物が多いエリアだが、ちょっと南へ進むだけで大きなビルばかりになる。
そんなビル街の中にも、所々で魅力的な近代建築に会える。その前を歩く昼休みのビジネスマンやOLたちは、当たり前の風景だと思って気にもとめないようだけどね。
僕などは、こんな古いビルのカビ臭い一室で、暑かったり寒かったりで苦労をしながら仕事がしてみたいなどと思ってしまう。
おっと、ウチのビルだって昭和の竣工で、冷暖房の効きが悪く快適とはいえなかった(笑)。

今日は三省堂書店に行った足(もちろん自転車)で、ぐるりと回ってみた。時間があれば、このあたりもゆっくり“歩いて”みたいなあ。
上の写真は『共立講堂』のモダンな入口。昭和9年の建物だ。




『博報堂』旧本社屋は昭和3年建築。お化粧直しか、それとも壁の落下防止のためか、現在緑色の網がかけられている。


『学士会館』は、巨艦のようで圧倒される。こちらも昭和3年のもの。上階にいくほど窓が小さくなっているとこの本に書いてある。だからだな、建物自体がでっかく見えるのは。


その窓の意匠がどうしても「♪6月6日に雨ザーザー降ってきて~」のかわいいコックさんに見えちゃうんですよね。

危険な高級住宅街散チャリ

2008-05-09 23:08:38 | 本郷後楽園昼休み散歩


文京区西片あたりは、本郷台地に乗っかった“山の手”だ。
路地を入れば、ほぼ住宅地である。しかも一軒家ばかりで、風格のあるお屋敷も目につく。そして、その多くの玄関先に『SECOM』の赤いステッカーを見ることができる。
こんなエリアだからこそ古い建築物も残っている確率が高く、ホントはゆっくり歩きたいのだが、例によって今日も散チャリ。キョロキョロしながらペダルをこぐ。
こんな時に気をつけなければいけないのは(以前も書いたが)、住宅街は人通りが少ないので不審者に間違われないようにすること。
わかってはいるのだが、あの『SECOM』のステッカー、角々にぶら下がっている『防犯』と書かれた大きな提灯に、なぜかビクビクしながらのウロウロだ。怪しさ丸出しである。
そんな時に限って、突然大きなイヌに吠えられたり(笑)。
だいたい会社からかなりの距離。リスクはいっぱい。
それでも、こうして素敵な建物にシッカリ遭遇できるのだから、お昼の散チャリはやめられないのである。










一番上の写真は大正期に建てられた病院らしい(現在は住宅)。この教会も含めて、今日の写真の建物はすべて木造です。


時代を超えて散歩する

2008-05-08 23:25:46 | 本郷後楽園昼休み散歩


小田原で生まれた川崎長太郎は、文学を志し若くして上京。父親が倒れたのを機に30代半ばで故郷に戻り83歳で没するまで市内で暮らした。
その東京での若い頃を綴っている『徳田秋声の周囲』という“物語”がある。
私小説家である徳田「先生」をメインに描きながら、自分自身の話が展開されていく私小説が面白い。
そして、その舞台としてたびたび登場する「先生」の家は、本郷にある。
東大の正門の近く、このお店の前を左に進み、細い路地を入った所。今もご家族が暮らしているらしい。静かだが確かに生活感が漂う。
それだけに、若き日の長太郎がこの格子戸を何度も往き来しただろうことがリアルに迫ってくるようだ。
大正から昭和初期のことなので、このお店あのお店はできた頃かもしれないが、ここは間違いなく存在していた。
本郷を、小田原を歩き回る。それは、点と点が線で結ばれた、そして時代を超えた不思議で楽しい散歩である。

妄想の白山散チャリ

2008-04-26 00:08:41 | 本郷後楽園昼休み散歩


昼休みの散チャリは、白山方面へ。
このあたりは大きな建物がほとんどない住宅街だ。通り沿いは小さな印刷工場が並んでいる。
木造家屋ばかりかと思うと、上写真のような洋館風の近代建築が現れたりするので、見逃さないようペダルはゆっくりこぐのが大事だ。




そして、三業地あたり。幼稚園児とベビーカーを押す母親に導かれ(笑)、細い路地へ。
奥へ進んでいくと急に視界が開け、普通の民家の向こうに、妙に艶っぽい建物が佇んでいた。


場所柄、旅館か、料亭か、それとも置屋だったのかもしれない。
三味線の音に合わせて長唄でも聞こえてきそうな雰囲気。
狭い路地、向こうからやってきた小股のきれあがったちょっといいオンナと道を譲り合い、揚句すれ違いざま肩など触れ合う。そんな出会いがあっても不思議ないなどと思ってみたが、猫一匹も見かけなかった。




ただの散歩者です

2008-04-11 23:31:14 | 本郷後楽園昼休み散歩


最近、明らかに体重過多である。
プラス分を採取して分析すれば、多分そのほとんどがナポリタンだと思う(笑)。
というわけで、昼休みは運動だ、自転車をこげ、そうだ散チャリだ!
今日は、なんとなく白山方面へ向かう。そして、まだ入ったことのない路地を見つけては奥へ奥へと。
そんな時、気をつけなければいけないのは、まず不審者と思われないようにすること。
次に、つい夢中になり過ぎて皆さんの生活の場にズカズカと入り込まないように注意すること。
これは、散歩者、散チャリ者の最低限のマナーですね。
さらに、僕の場合は帰りの時間を常に気にしてなければならないところが、なかなかたいへんなのだ。昼休み限定だからね。
ところが、いつだって面白くなってきたころが、帰りの時間。
今日も、軽自動車がやっと通れるかぐらいの路地で、写真のような古い建物を発見。いいねぇ~。
でも、そろそろ。だけど、もう少し。あぁ…
とにかくギリギリまで、近所の方の視線を感じながら、悪い人間じゃないんですよ、趣味で撮ってるだけなんですよと、時おり「へ~、すごいなぁ、いいなぁ」などといらぬ独り言をつぶやきながら善人顔でカシャカシャ。そして、逃げるように全速力で、その場を去る。
充分、怪しいか(笑)。


この3階建てのお家、横のほうから見るとこんな感じ。元はどんな色だったのか。