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湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

今、東京で一番古いビル街

2009-02-05 22:42:16 | 本郷後楽園昼休み散歩


窓が段々になっているところを見ると、たぶん内部は階段になっているのだろう。
そんな想像をするだけでも、近代建築は楽しい。
今のビルは、みんな四角くて遊びがないから、中の様子など興味も持てないのだ。
コストの問題はもちろん、高層化もあって、なかなか凝ったものはできないということだろう。
じゃあ、昔は資金が潤沢だったかといえば、決してそんなこともなかったはず。いや、今よりもかえってお金はかかっただろう。でも、きっと建物にかける思いの深さが、現代とはまったく違っていたのではないか。
古い建物が並び、今でもそれがオフィスや店舗、住宅として機能している外国の映像を見たりすると、日本のビル街の無機質さに愕然としてしまう。いつからだろう、日本人が持っていた美意識をどこかへ置き忘れてきてしまったのは。
そんな時は、東大の構内へ。
ここは、歩いていると次々と古い建物が現れて、しかもそのすべてが現役だ。
利潤を追及する会社のビルだったら、とっくに建て替えられていたに違いない。ここが、学校でよかったと思うばかりだ。







100年後の心
アート驚く教室へ
東大に通っています
高いか安いか赤門ランチ
メトロはレトロ
松本楼を教室で味わう
突撃!東大の昼ごはん
翼よ、あれが昭和の日だ

紅葉する家

2008-12-05 22:54:42 | 本郷後楽園昼休み散歩


以前『呼吸する家』として紹介したことがある建物。
この夏に見た時も、以前よりさらに緑に覆われてエライことになっていたのに、先日久しぶりにここを通ったら、すっかり紅葉していた。建物の地肌まで露出して。
おぉ、やっぱり2階には窓があった!
『呼吸して一年で生まれ変わる家』または『色が変わる家』と呼んでもいいようですね(笑)。

100年後の心

2008-12-01 23:19:21 | 本郷後楽園昼休み散歩


こんなに草木に覆われて、ただ静かに秋の空を映している池の畔に立っていると、ここが都内であることを忘れてしまいそうだ。
東大キャンパスにある『三四郎池』にやってきた。
元々は加賀前田家の庭園『育徳園』内に「心」という文字の形に造った池で、『心字池』と呼ばれていたらしい。
現在の呼び名になったのは、夏目漱石の『三四郎』で描かれて以降だという。
散歩する人、読書をする人、お弁当を食べている人、写真を撮る人…。お互いが邪魔をしない距離で楽しんでいるところがいい。
2羽のカモさえ、紅葉を映して染まる水面に、身を隠すようにじっと寄り添うばかりだ。
ちょうど100年の時を経て、ここは変わったのか、変わっていないのか。
それとも、時は止まったままなのか。
ただ、向こうの崖の上に美禰子が現れるのを待たずに、僕は帰路に着くのである。
だって、昼休みが終わっちゃうのだ。




向こうに見えるのは東大病院。その手前下に、三四郎にも登場する「運動場」がある。現在は人工芝。


こちらは剣道部。


こちらは、東大の正門を入ったところ。この季節、構内はどこも色鮮やかです。今日はGRDを持っていけばよかった。悔しい。




色づく街角

2008-11-01 01:50:38 | 本郷後楽園昼休み散歩


まるでパリの小粋なアパルトマンと見まごう(見まごわないか!)モダンな『聖台ビルディング』だ(1971年築)。


そして、隣には先日訪れた『東京大学総合研究博物館小石川分館』に似た(色だけか!)建物が。こちらは、大正12年築。

昨日の元町公園の南側である。昭和遺産に登録したい一角。
この前の坂道を、鉄道(路面電車たが夏目漱石の著書にはこうある)が上り下りする古い写真を見たことがある。
僕たちが目にする昔の写真はモノクロなので、なかなか想像がつかないのだが、実はこんなふうに結構カラフルな建物も多かったようだ。
無機質なビルの建ち並ぶ今の風景よりも、情緒に溢れたぶん散歩のしがいがある街並みだったに違いない。




秋の本郷1-1

2008-10-30 23:47:47 | 本郷後楽園昼休み散歩


聞くところによると、御茶ノ水坂の途中にある元町公園の存続が決まったそうですね。
よかった、よかった。なにしろ、昭和5年にできた古い公園だというのに、隣の旧元町小学校と一緒に取り壊して新しい体育館にする計画だったらしいから。
なんでもかんでもブッ壊して建て替えちゃおうという世の中で、こうして「残す」という流れが生まれているのはとても喜ばしいことではありませんか。
今日は、この秋一番の冷え込みとなった。元町公園もひんやりとした透明な空気に包まれて、いつもと変わらず神田川の向こう岸を行く電車の音を聞いていた。


旧元町小学校。廃校後は専門学校として使われていた。真ん中には校章がついていたらしい。

とてつもなさそうなビル

2008-10-07 23:05:10 | 本郷後楽園昼休み散歩


『相互無尽会社ビル』である。
昭和5年の建築で、神保町二丁目にある。大きな建物ではないが、その名前から何か計り知れないエネルギーを感じずにはいられない(笑)。
実は、この名前の会社やビルが、かつては各地にあったらしい。ウィキペディアによると、「無尽会社とは一定の口数と給付金額とを定め、定期的に掛け金を払い込ませて、一口ごとに抽選、入札その他これに準ずる方法により掛金者に対して金銭以外の財産の給付をすること(物品無尽)を業として行う株式会社をいう」とある。現在では、三菱東京UFJ銀行系列の日本住宅無尽株式会社のみらしい。って、あるのかい?
このビルも、向かいにある三菱東京UFJ銀行が使っているようだが、看板もなくただひっそりと佇んでいるだけである。
そして、名前を知っている人だけが、わけのわからないエネルギーを感じている。





さて、キリン『世界のキッチンから カラメル・オ・レ』のアイデアのもとである『クイニーアマン』。セブンの焼きたてパンコーナーにあり。でも、普通のデニッシュの甘いやつでした。底がベトベトするので裏返したら、ボトルのイラストのままの焦げたカラメル状態でした。なるほど。
でも、このお菓子(パン)よりも、やっぱり『カラメル・オ・レ』の方が洋菓子のような味わいなのだ(笑)。

漱石の足跡を辿る

2008-09-05 00:45:16 | 本郷後楽園昼休み散歩


先日から読んでいる夏目漱石著『こゝろ』には、昼休みに僕が散チャリをするエリアがたびたび登場する。
「例の通り蒟蒻閻魔を抜けて細い坂道を上がって宅へ帰りました」
この物語の中盤から手紙というツールを用いながら、すっかり主人公となってしまう「先生」が書いた一文だ。
足を運んでみると、確かにこの辺りじゃなかろうかという場所に行き当たる。
当時はどんな風景だったのだろうと思いを馳せるのはなかなか楽しいし、またとても不思議な気分だ。
昼休みの散チャリが、また楽しくなる。
ただし、今日はこんなに暑くなっているとは予想外で、くたくたになってしまった。
というわけで、写真はその坂の近くで見つけた廃墟の『中村ダイヤ堂』。アイム タイヤド…。

3重連の鉄道日本社

2008-07-03 23:40:43 | 本郷後楽園昼休み散歩


写真では三軒に見えるが、実際は壁が繋がっている。
神保町の裏通り(住所は西神田)を散チャリ中に採取した古い建物。
右と真ん中はもともと一緒だったかもしれないが、左端の蔵は後でムリヤリくっつけたように見える。


一番右の棟にある玄関の磨りガラスに『株式会社 鉄道日本社』の文字。その左上には個人名の表札が掛かっていた。
調べてみると、このすてきなネーミングの会社の創業者(故人)のお名前だ。恐らく今もご家族がここで暮らし、会社も経営されているのだろう。
かつて神保町あたりには、こういったスタイルの出版社も多かったはずで、建物と共に“昭和遺産”として生き残ってほしいと思う。
ちなみに、現在はなぜか鉄道ではなく、自動車関連の出版物が大半のようだ(笑)。




裏の通りの古本屋さんやレコード屋さんは雰囲気がちょっと違う。


こちらは表通りの研数学館。建築されたのは1929年。学校自体は2000年に廃校になっている。



明日から始まる七夕祭りのための平塚駅にできた臨時改札。スイカの普及で、出場専用の簡易タッチパネルが登場。駅員用のは木製。


本郷は蔵だ

2008-06-27 23:27:44 | 本郷後楽園昼休み散歩


伝通院の裏あたりになるのだろうか、住所は小石川か。
住宅街に、突然現れる蔵2棟。
かつて、井上哲次郎という哲学者が書庫として使っていたという。隣にあった住居は震災や空襲のたびに焼けてしまったが、この蔵は残ったのだ。手前がレンガ(明治36年)、向こうがコンクリート製(大正9年)だと案内板に記されていた。もちろん、所蔵物は無事だったという。
蔵が蔵としての役目をしっかり発揮したという証になっていることも素晴らしいが、それをこうしてきちんと後世に残し続けている文京区も素晴らしい。
こういう建物に出くわす度に、文京区は散歩もの(散チャリもの)にとっての天国だと実感するのである。


善光寺境内にて。カメラを構える吉永小百合さんはいなかった(笑)。あちらは、長野です。
このY字路の左が善光寺坂。


会社に届いたさくらんぼ。2Lサイズの佐藤錦が1kg!
いやあ、美味しかった。天国です。何しろ、果物の中で一番好きなので。

路地の先に昭和の匂い

2008-06-25 23:48:11 | 本郷後楽園昼休み散歩


明日は雨らしいので今日のうちにということで、昼休みにあてもなくぶらり散チャリ。
こんにゃくえんま』の裏あたりをうろうろしてみると、まだまだ古い建物に出くわす。ただ、廃墟に近いものも多く、そう遠くないうちに建て替えられるか、時間貸しの駐車場にでも姿を変えてしまうのかもしれない。


さて、『六角坂』という看板のそばに、大きな黒猫を発見。それを左に見ながら上っていくと、その存在が道路を蛇行させたと思わずにはいられない古いお宅が突き出ていた。


いいですねぇ、こういうのが好きなんです。堂々とした洋館にもひかれますが、子供のころ読んだ江戸川乱歩の小説に出てきそうな何とも怪しい臭いが漂っています。今にも生あたたかい風が吹いてきて空が暗くなり、背景に稲妻が走りそうな雰囲気(笑)。
だから散チャリはやめられないのだ。