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湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

近所の昭和食堂へ行こう

2010-05-31 19:19:14 | 湘南ライナーで読む


書店の棚で見つけたときには、思わず「おっ」と声をあげてしまった。
だって、こういう本を待っていたのだから。いや待ちきれずに、どこかにこんな企画を持ち込もうと思っていたほど(笑)。ただ、僕が考えていたタイトルはちょっとだけ違って『大衆食堂かながわ』だったのだけれど。

『神奈川庶民食堂』(湘南海童社刊 1048円+税)は、いってみれば『絶滅食堂で逢いましょう』の神奈川版である。昔から近所にあった普通のお店が、以前のままで、以前の味で営業を続けた結果、今では希少な存在となってしまった、そんな古きよき飲食店を紹介してくれている。
その各店舗の紹介が、いかにもの宣伝文でないところがいい。取材者視点で優しく描かれている。しかも、ライターは若い女性が中心らしく、どれも明るい筆致。楽しく読むことができるのも嬉しい。おっさんの僕などが書いたら、せつなくモノ悲しい懐古趣味的でおかしな文章になってしまいそうだもんね(そうでもないか)。

それにしても、実に魅力的なお店がよくもこんなにもあるものだ。びっくりです。わざわざ東京になんて行かなくても、ご近所でたっぷり楽しめるじゃん!
助かるのは、中の様子やメニューがわかるところ。暖簾をくぐるのに勇気がいる店があんがい多いんですよね。特に僕は肝っ玉が小さいから(笑)。
ただ、冒頭にも書かれているような「取材拒否」の理由もわかるので、訪問する時はくれぐれも常連さんの邪魔をしてはならないことだけは肝に銘じよう。

尚、海童社からは『繁盛店』シリーズが何冊も発売中されている。もちろん、我が家にもB級グルメ系が3冊ストックされている(笑)。

おっと、すでに何軒か伺ったお店もありました。
磯村屋(横浜)
たまや食堂(大磯)
三ちゃん食堂(新丸子)
まりも食堂(鎌倉)
小林屋(平塚)
横浜市役所第三食堂(横浜)
県立歴史博物館内ともしびミュージアム喫茶(横浜)※写真なし
平塚市役所食堂(平塚)
県立体育センター内 玉屋食堂(平塚)

この木、何の木、欅の木

2010-05-21 20:07:27 | 湘南ライナーで読む


ちょっとだけいい話である。
温かくなったり、懐かしくなったり、切なくなったり…。
『欅の木』(小学館刊 952円+税)は、内海隆一郎氏の短編作を谷口ジロー氏が漫画化したもの。淡々とした語り口と静かな進行、それに味のある穏やかな絵柄が見事に融合して、おじさんたちの心にじわじわ滲みてくる。
じゃあ、いっぺん内海隆一郎氏の本も読んでみようと思って図書館で短編集を何冊か借りてみた(書店では1冊も見つからなかった!)。
どこにでもいそうな普通の人を主人公にした、でもちょっとだけいい話がずらり(「人々シリーズ」ともいうらしい)。
ところが、なぜか漫画を読んだときのような感動がやってこない。なにか物足りない感じ。なかなか滲みてこないのだ。実に不思議。
やっぱり谷口氏の漫画の印象が強すぎて、もう活字だけでは満足できなくなっちゃったのか(笑)。いや、きっとそれは僕の想像力が乏しいせいだ。単に頭の中で物語がうまく映像化できないだけなのだろう。
こうなったら、内海隆一郎原作・谷口ジロー作画の続刊に期待するしかない(そっちか)。

写真は通りかかった近所の公園で。この間まで空がよく見えていたのに葉が茂り緑が濃くなって、大きな木陰ができていた。


思い出鉄道

2010-05-13 21:32:26 | 湘南ライナーで読む


先日、有隣堂本店で『今よみがえる昭和30年代の相模鉄道』(BRCプロ編著 860円+税)を買った。
最後のページに「プチ写真集 一冊一冊が手作りの本です」と記されている、たった28ページA5版の小冊子だ。子供の頃、相鉄線の線路脇で見ていた懐かしい車両の写真が並んでいる。その中に、二俣川あたりを走る4両編成の黄色い電車が見える(写真は白黒だけど)。



ここは、子供のころよく遊んだ場所で、川に落ちて流されたボールをみんなで追っては、よく川面にまで降りていったことを思い出す。足を滑らせて落っこちてしまうと、靴がヘドロだらけになった。
沿線に住み、音を聞き、踏切を渡って小学校へ通っていた僕の少年時代の思い出には、いつも相鉄の電車があった。その手がかりとなるこの本は、お宝である。
プチ写真集のシリーズには、他に『横浜市電』『小田急』『京浜急行』『千葉の鉄道』がある。きっとそれぞれには、たくさんのおじさんたちの思い出も閉じ込まれているはずだ。


いかにも「手づくり」でしょ(笑)

★遂にこれ! スンゴイ企画が!

深夜定番食堂

2010-04-20 18:32:37 | 湘南ライナーで読む


営業時間は、夜12時から朝の7時頃まで。
人は「深夜食堂」って言ってるよ。
客が来るかって?
それがけっこう来るんだよ。
メニューはこれだけ。
豚汁定食  六百円
ビール(大)六百円
酒(二合) 五百円
焼酎(一杯)四百円
あとは勝手に注文してくれりゃあ、
できるもんなら作るよ、
ってぇのがオレの営業方針さ

という店主自らの紹介文で始まる『深夜食堂』(安倍夜郎作画 小学館 743円+税)は、ビッグコミックオリジナルに連載されたものをまとめたマンガ本だ。
ときどき書店で見かけ気になっていたのだが、この手の本はビニールがかかっていて中が確認できず“ジャケ買い”の失敗を恐れ、手が出なかった。
しかし、帯にあるメニューのように並べられた料理の数々を見ているうちに、欲望が失敗を上回ってしまいレジに向かうことに。
だって「赤いウィンナー」「きのうのカレー」「カツ丼」「ナポリタン」「ポテトサラダ」…ですよ(笑)。B食の道を行く者にとって、読まずにはいられない文字ばかりが並んでいたのだ。

“ジャケ買い”は成功だった。
好みではないが味のある絵柄、ゆっくりとしたテンポ、そして個性的な登場人物と共に一話につき一つの料理が物語を紡いでいく面白さは絶品。ニヤリとしたり、ほっとしたり、ほんわかしたり、気持ちよくなったり…。
店主が作れる料理だけなので、特別なものなど登場しない。そんな誰もが知っている味だからこそ、それを想像しながらストーリーに浸れるところがいいのかもしれない。
間違いなく、2巻、3巻と“確信買い”する気になっている。
それにしても、冒頭から赤いウィンナーと甘い玉子焼きですからね、たまりません(笑)。

ふしぎ食堂の夜

2010-03-12 20:14:56 | 湘南ライナーで読む


「足もとにからみつき、行こうとする私をしきりにはばむものがあった」
それは、町の十字路にある食堂の店先に巻き起こる「つむじ風だった」
その食堂に集う人たちの物語『つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘著 ちくま文庫 580円+税)だ。暖簾も白く店名がないこの店を、誰もが「つむじ風食堂」と呼ぶようになったという。
読んでみると、どうも大衆食堂というよりは懐かしい洋食屋さんという風情。なにしろ「コロッケ」は「クロケット」、「豚の生姜焼き」は「ポーク・ジンジャー」とメニューに書かれているくらいだ。
出てくる商店街、町並み、人々もすべてがセピア色に見える。確かに懐かしいとして描かれているのだが、日本の古い風景というより、どこか遠い外国の小さな町の話のようにも思えてくる。そのあたりが不思議な感覚で、とても心地いい。
余計なことを考えず、その町に、その食堂にすーっと入っていくことができる。そして、つむじ風に巻かれてしまうのだ。
鞄に入れておいてちょっと時間ができたとき、コーヒーでも飲みながらふわりと読むのにぴったりの文庫本だった。

おや、いま見たら映画化されていたんですね。

こういうの、いいですね。
できれば、明日着ていきたかった!

湘南ベルマーレフットサルクラブ、決勝トーナメント1回戦突破!
明日は町田を破った府中と。日曜日は決勝へ!


卒業おめでとう白書

2010-02-27 20:45:51 | 湘南ライナーで読む


先日立ち寄った書店に、こんなPOPが。
『J2白書 51節の熱き戦い』(J’sGOAL J2ライター班編 東邦出版刊 1500円)のプロモだ。
J's GOALに掲載された記事に加筆された魅力的な本になっている。J2のチームを題材にした書籍が少ないだけに、逆にサポーターたちが殺到したようで、初版はすぐに売切れてしまった。Webでは、シーズン中ほぼベルマーレの項のみのチェックだったが、こうして各チームの話題も読んでみると面白いものだ。51節の激闘はもちろん、面白エピソードもぎっしり詰まっている。
『湘南ライナーで読む』にはエントリーするつもりはなかったのだが、こんなPOPを見たので方針変更(笑)。
そのPOP、「卒業おめでとう」コメントが素晴らしい。これは、巻末についている「送辞」からの引用。ベルマーレの2009シーズンを見事にまとめ、ネタまで織り込んだ嬉しい言葉が綴られている。
でも、卒業だと思ったら、3/6もう入学です。

菊坂ホテル時代

2010-02-23 19:03:24 | 湘南ライナーで読む


あの『同棲時代』から受ける暗いイメージで、上村一夫氏の絵があまり好きではなかった。実際、読んだこともない。
ところが『週刊ブックレビュー』でどなたかのオススメの1冊が気になってネットで購入。
『菊坂ホテル』(上村一夫作画 朝日新聞出版刊 1900円+税)である。
大正時代、文京区本郷に実在した『菊富士ホテル』が舞台。竹久夢路、谷崎潤一郎、佐藤春夫、今東光、菊池寛、芥川龍之介、斉藤茂吉、月形龍之介など作家、詩人、歌人、画家、役者など文化人が“暮らした”ホテルだ。マンガ家たちが集ったあの「ときわ荘」のような存在か。
そんな文化人たちの交錯する日々を、菊坂ホテルの娘である八重子の目を通して追っていく。
このあたりは会社勤めの頃、よく昼休みに散チャリしていたエリア。もちろん「菊富士ホテル跡」の碑も確認している。ノンフィクションではないものの、著名な人たちがそのあたりを行き交っていたのかと思うとゾクゾクしてきた。
開業当初は外国人向けの華やかなホテルだったそうだが、この頃は陰鬱な雰囲気が漂い、いかにもというビジュアルで描かれる。その独特の空気感、リズムが何ともいい。好きではなかった絵柄が、逆に魅力的に思えてきた。
前半の主人公である竹久夢二も、後半の中心人物となる谷崎潤一郎もあまり興味がなかったのだが、見たり読んだりしたくなってきている。
ちなみに、谷口ジロー氏は上村一夫氏のアシスタントだった。

コトの真相

2010-02-03 01:14:45 | 湘南ライナーで読む


当選確実!
ウォー!ヤッター!おめでとう!ワー!
選挙事務所が歓喜に包まれる。
津川がかけた電話の向こうにいる浩介に届くように、僕たちは「か・し・む・ら」コールを繰り返した。

「カーット!」
「お疲れした~」
ボランティアのエキストラとして参加させてもらったWOWOWのドラマW『18番ホール
』が2日午後11時過ぎにクランクアップした。

狭い選挙事務所の中、そのクランクアップの瞬間を僕も一緒に迎えるという幸運に恵まれた。一人一人俳優さんの名前が呼ばれ花束贈呈、そして拍手のアレだ。しかも、その俳優さんたちのすぐ後ろというポジション。ほんのちょっとしか参加していないのに、なんだか一緒にモノづくりをしてきたような錯覚に陥った(笑)。

僕たちが大喜びしているころ、村長候補のかしむら浩介は、高畑村北城山地区の山道を疾走していた。そして…

今日は午後4時の集合時間から出番まで待つこと4時間!
その間にスタッフから僕のクルマを「選挙カーの隣(選挙事務所脇)につけていただけませんか」と頼まれ、その中で待つ。待ちながら読んだのが、『真相』(横山秀夫著 双葉文庫 600円+税)だ。ドラマの原作『18番ホール』は、ここに収められている。
クルマの後ろから俳優さんたちによる演技の大きな声が響いている。
おぉ、いまこのシーンだな。あっ、このセリフはほとんど同じじゃん…などと、妙なライブ感覚で楽しませてもらい一人ニヤニヤ。待つことがまったく苦ではなかった。

当選確実の知らせを受けた選挙事務所。僕たちは、思い切り喜び、握手し、叫び、拳を高く突き上げた。演技とはえ、こんなに大はしゃぎしたのはあの時以来だ(笑)。
しかし、とんでもなく重々しい結末を読んだばかりだったので、なんとなく心から喜ぶことができなかったのである。


クランクアップしたので大丈夫ですよね。もう全部はずされているし。

のれんの価値を知る

2010-01-30 22:00:13 | 湘南ライナーで読む


『神奈川のれん物語~神奈川の老舗100店』(田島武著 昭和書院刊 780円)は、創業から1世紀を超える神奈川県内の商店や旅館など100軒を取材し、その歴史や現状を綴った本。神奈川新聞に連載されたものをまとめたものだ。
もっとも掲載されたのは昭和45年~46年にかけて(発行は46年12月)だから、今から40年近く前。ということは、今では1世紀半以上という店もある。
横浜松坂屋の前進である『野澤屋』、いなり寿司の『泉平』、この方の実家『天吉』、その方の歌にも登場する『日影茶屋』、あのサンドウィッチの『鎌倉ハム富岡商会』、佇まいも味も素晴らしい『力餅屋』、敷地内にこれがある『大内館』、つい寄ってしまう『井上蒲鉾店』、実は名古屋のういろうの元祖である小田原の『ういろう』など、なにしろ100店分の歴史が詰まっていてたっぷり楽しめるのだ。
実はこの本、古本市で見つけたもので、すでに絶版のはず(先日、図書館には置いてあった)。750円を1000円で購入した。それでも安い買い物だったと、つくづく思うのである。

冬の動物園と幼稚園

2010-01-25 17:56:52 | 湘南ライナーで読む


孤独のグルメ』や『散歩もの』の谷口ジロー著『冬の動物園』(小学館刊 1000円+税)を読む。
前の二冊は久住昌之氏が原作だが、こちらはご本人の著作画である。しかも、自伝的なストーリー。
ところが、さすがにやっぱりたんたんと進んでいく独特の雰囲気は一緒。ハマりますね。僕よりも上の世代(団塊)ではあるけれど、共感できる場面も多く楽しめた。こういうマンガなら、読みあさってみたいと思う。

さて、午前中に出かけた神社。隣接する幼稚園の中庭では、冬の日差しの下、子供たちが楽しそうに走り回っていた。ウチの子供も、ここの卒園生。スモックを着た子供たちの中に、ウチの子たちもいるような気がしてきた。そんなはずはない。もう10年も経っているのだから(笑)。
息子に至っては13年も前。その息子も『冬の動物園』は「面白かった」そうだ。