NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]製品安全センター
PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)2023.10.10 VOL. 438より
食欲の秋。旬を迎える食材が増え、ガスこんろでの調理が楽しい季節になりました。
しかし、使用後の掃除を怠って汚れを放置したり、掃除をする手間を省くための時短術を誤ったりすると、
一酸化炭素中毒や火災を発生させるおそれがあります。
ガスこんろの使用後は小まめに掃除し、正しい使用方法で事故のない調理を楽しみましょう。
ガスこんろの事故
【事例1】「汚れの放置」による事故(1)
ガスこんろを使用中に、台所周辺を焼損する火災が発生し、1名が軽傷を負いました。
⇒ 使用者がこんろの火をつけようとして誤ってグリルの点火ボタンを押し、その場を離れていたところ、
グリルの水受け皿にたまっていた食品かすや食材の脂などの汚れが発火したものと推定されます。
【事例2】「汚れの放置」による事故 (2)
ガスこんろを使用中に、1名が軽度の一酸化炭素中毒による頭痛を催しました。
⇒ こんろのバーナーキャップの炎口(炎の出る部分)が煮こぼれやほこり等により目詰まりしたことで、
バーナーの燃焼に必要な空気が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素が発生したものと推定されます。
【「汚れの放置」による事故を防ぐポイント】
○グリルは使用後、小まめに掃除する。
グリルを使用した後は、受け皿やグリル焼網、庫内側面などにたまった食品かすや油脂を取り除き、小まめに掃除してください。
食品かすや食材の脂等が付着していると、過熱されて発火するおそれがあります。
○グリルの使用時や使用後は、点火・消火の確認をする。
事故の中には、グリルで調理していることを忘れて外出してしまうケースや、
こんろのスイッチと間違えてグリルのスイッチを押してしまったケースもあります。
グリルは炎が見えにくい分、火がついていることが分かりづらい、
忘れやすいという特性を認識した上で、
グリルの使用時や使用後には必ず点火・消火の確認をすることが大切です。
○煮こぼれが生じた場合はきれいに拭き取る。
調理中に生じた煮こぼれを放置していると、ガス配管が腐食してガス漏れを引き起こしたり、
バーナーキャップの炎口がふさがれて点火不良や異常燃焼を引き起こしたりして、
一酸化炭素中毒や火災の原因になるおそれがあります。
調理中に煮こぼれが発生した場合は、都度掃除を行い、汚れがたまらないようにしましょう。
【事例3】「誤った掃除の時短術」による事故(1)
ガスこんろのグリルを使って鶏皮を調理中に、グリル排気口から火が出る火災が発生しました。
⇒ 使用者が脂の多い食材(鶏皮)を魚グリルで調理する際に、
グリル焼網の上にアルミ箔を敷いて加熱したことにより、
アルミ箔の上にたまった食材の脂が過熱して発火したものと推定されます。
【事例4】「誤った掃除の時短術」による事故 (2)
ガスこんろのグリルを使用して、グリル容器で魚を調理中に、火災が発生しました。
⇒ 本来、グリル容器を使用する際はグリル焼網を専用の受け台に付け替えることで使用するものですが、
使用者が焼網を取り外さずに焼網の上にグリル容器を載せて、蓋をしないまま少量の油を入れて加熱したことにより、
グリル容器内の油と上火(グリル庫内上部から出る炎)との距離が近くなったことで、
油が過熱されて発火したものと推定されます。
【「誤った掃除の時短術」による事故を防ぐポイント】
○掃除時間を短縮するために、取扱説明書で禁止されている行為をしない。
以下の4点に気を付けてください。
1. 脂の多い料理には、グリル焼網の上や下にアルミ箔を敷かない。
脂が多く出る食材(「鶏皮」や「脂がのったさんま」など)をグリルで焼く際に、
グリル焼網の上や下(受け皿の上)にアルミ箔を敷いてしまうと、
アルミ箔の上にたまった食材の脂が発火したり、飛び散った脂に引火したりするおそれがあります。
安全機能が働く前に発火する場合もあるので注意が必要です。
グリル庫内に入れるものは必ず取扱説明書で条件を確認し、機器指定以外のものは入れないようにしましょう。
2. グリル調理中に安全機能が働いて火が消えても、繰り返し点火操作をしない。
安全機能が備わっている製品では、グリル庫内が高温になるとセンサーが働き、自動で火が消える場合があります。
しかし、グリル庫内に食材の脂がたまった状態で繰返し点火操作をしてしまうと、
脂が発火したり飛び散った脂に引火したりするおそれがあるので、
センサーが働いて消火された後すぐに点火操作をしてはいけません。
グリル庫内に脂がたまっていない状態に限り、グリル庫内が冷めるまで5分程度待ってから点火を再開してください。
3. 汚れの付着を防ぐ目的であっても、グリル排気口をアルミ箔でふさがない。
グリル排気口は、グリル庫内の煙や熱を外に逃がすためのものです。
臭いの拡散や汚れの付着を防ぐ目的で、アルミ箔などで完全にふさいでしまうと、
異常燃焼による一酸化炭素中毒や火災、機器焼損の原因になります。
また、ふきんなどの可燃物をグリル排気口の上に置いたままにしていると、
熱で溶けたり発火することがあり危険です。
グリル排気口の上や周囲には物を置かないようにしてください。
4. ガスこんろの下に新聞紙などの可燃物を敷かない。
ガスこんろの下に新聞紙やビニールシートなどの燃えやすいものを敷いてしまうと、
飛び散った油から引火したり放射熱によって着火したりと火災につながるおそれがあります。
ガスこんろの下には可燃物を敷かないようにしてください。
【注目!新作動画】
○ガスこんろ「12.アルミ箔にたまった脂が発火」
https://youtu.be/jG3Mvc-4FdE?si=SJu1vFLzdYC-9syr
■NITEでは2023年9月28日に注意喚起として『時短“家事”で“火事”にならないために~「汚れ」や「誤った掃除の時短術」によるガスこんろの事故に注意~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2023fy/prs230928.html
■その他の情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧ください)
(1) ガスこんろ「5. 汚れたグリル庫内の調理物が過熱されて発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1221.html
(2) ガスこんろ「6.バーナーキャップが汚れて異常燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/17042702.html
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掃除の手間を省くために、アルミ箔をしいたり、
グリルパンを使用していました。
その都度取り替えたり掃除をしたりしていますが、
このような危険があるのですね!
焼くものによっては、その脂が加熱し火災になる可能性があることが
動画を見て分かりました。
今日から気をつけます!
さぁ秋。サンマの季節です。今年は昨年より安くなっています。
ガスこんろ正しく使って、おいしく調理!!
おいしく食べきりましょう!その後の掃除も忘れずに🖕
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PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)2023.10.10 VOL. 438より
食欲の秋。旬を迎える食材が増え、ガスこんろでの調理が楽しい季節になりました。
しかし、使用後の掃除を怠って汚れを放置したり、掃除をする手間を省くための時短術を誤ったりすると、
一酸化炭素中毒や火災を発生させるおそれがあります。
ガスこんろの使用後は小まめに掃除し、正しい使用方法で事故のない調理を楽しみましょう。
ガスこんろの事故
【事例1】「汚れの放置」による事故(1)
ガスこんろを使用中に、台所周辺を焼損する火災が発生し、1名が軽傷を負いました。
⇒ 使用者がこんろの火をつけようとして誤ってグリルの点火ボタンを押し、その場を離れていたところ、
グリルの水受け皿にたまっていた食品かすや食材の脂などの汚れが発火したものと推定されます。
【事例2】「汚れの放置」による事故 (2)
ガスこんろを使用中に、1名が軽度の一酸化炭素中毒による頭痛を催しました。
⇒ こんろのバーナーキャップの炎口(炎の出る部分)が煮こぼれやほこり等により目詰まりしたことで、
バーナーの燃焼に必要な空気が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素が発生したものと推定されます。
【「汚れの放置」による事故を防ぐポイント】
○グリルは使用後、小まめに掃除する。
グリルを使用した後は、受け皿やグリル焼網、庫内側面などにたまった食品かすや油脂を取り除き、小まめに掃除してください。
食品かすや食材の脂等が付着していると、過熱されて発火するおそれがあります。
○グリルの使用時や使用後は、点火・消火の確認をする。
事故の中には、グリルで調理していることを忘れて外出してしまうケースや、
こんろのスイッチと間違えてグリルのスイッチを押してしまったケースもあります。
グリルは炎が見えにくい分、火がついていることが分かりづらい、
忘れやすいという特性を認識した上で、
グリルの使用時や使用後には必ず点火・消火の確認をすることが大切です。
○煮こぼれが生じた場合はきれいに拭き取る。
調理中に生じた煮こぼれを放置していると、ガス配管が腐食してガス漏れを引き起こしたり、
バーナーキャップの炎口がふさがれて点火不良や異常燃焼を引き起こしたりして、
一酸化炭素中毒や火災の原因になるおそれがあります。
調理中に煮こぼれが発生した場合は、都度掃除を行い、汚れがたまらないようにしましょう。
【事例3】「誤った掃除の時短術」による事故(1)
ガスこんろのグリルを使って鶏皮を調理中に、グリル排気口から火が出る火災が発生しました。
⇒ 使用者が脂の多い食材(鶏皮)を魚グリルで調理する際に、
グリル焼網の上にアルミ箔を敷いて加熱したことにより、
アルミ箔の上にたまった食材の脂が過熱して発火したものと推定されます。
【事例4】「誤った掃除の時短術」による事故 (2)
ガスこんろのグリルを使用して、グリル容器で魚を調理中に、火災が発生しました。
⇒ 本来、グリル容器を使用する際はグリル焼網を専用の受け台に付け替えることで使用するものですが、
使用者が焼網を取り外さずに焼網の上にグリル容器を載せて、蓋をしないまま少量の油を入れて加熱したことにより、
グリル容器内の油と上火(グリル庫内上部から出る炎)との距離が近くなったことで、
油が過熱されて発火したものと推定されます。
【「誤った掃除の時短術」による事故を防ぐポイント】
○掃除時間を短縮するために、取扱説明書で禁止されている行為をしない。
以下の4点に気を付けてください。
1. 脂の多い料理には、グリル焼網の上や下にアルミ箔を敷かない。
脂が多く出る食材(「鶏皮」や「脂がのったさんま」など)をグリルで焼く際に、
グリル焼網の上や下(受け皿の上)にアルミ箔を敷いてしまうと、
アルミ箔の上にたまった食材の脂が発火したり、飛び散った脂に引火したりするおそれがあります。
安全機能が働く前に発火する場合もあるので注意が必要です。
グリル庫内に入れるものは必ず取扱説明書で条件を確認し、機器指定以外のものは入れないようにしましょう。
2. グリル調理中に安全機能が働いて火が消えても、繰り返し点火操作をしない。
安全機能が備わっている製品では、グリル庫内が高温になるとセンサーが働き、自動で火が消える場合があります。
しかし、グリル庫内に食材の脂がたまった状態で繰返し点火操作をしてしまうと、
脂が発火したり飛び散った脂に引火したりするおそれがあるので、
センサーが働いて消火された後すぐに点火操作をしてはいけません。
グリル庫内に脂がたまっていない状態に限り、グリル庫内が冷めるまで5分程度待ってから点火を再開してください。
3. 汚れの付着を防ぐ目的であっても、グリル排気口をアルミ箔でふさがない。
グリル排気口は、グリル庫内の煙や熱を外に逃がすためのものです。
臭いの拡散や汚れの付着を防ぐ目的で、アルミ箔などで完全にふさいでしまうと、
異常燃焼による一酸化炭素中毒や火災、機器焼損の原因になります。
また、ふきんなどの可燃物をグリル排気口の上に置いたままにしていると、
熱で溶けたり発火することがあり危険です。
グリル排気口の上や周囲には物を置かないようにしてください。
4. ガスこんろの下に新聞紙などの可燃物を敷かない。
ガスこんろの下に新聞紙やビニールシートなどの燃えやすいものを敷いてしまうと、
飛び散った油から引火したり放射熱によって着火したりと火災につながるおそれがあります。
ガスこんろの下には可燃物を敷かないようにしてください。
【注目!新作動画】
○ガスこんろ「12.アルミ箔にたまった脂が発火」
https://youtu.be/jG3Mvc-4FdE?si=SJu1vFLzdYC-9syr
■NITEでは2023年9月28日に注意喚起として『時短“家事”で“火事”にならないために~「汚れ」や「誤った掃除の時短術」によるガスこんろの事故に注意~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2023fy/prs230928.html
■その他の情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧ください)
(1) ガスこんろ「5. 汚れたグリル庫内の調理物が過熱されて発火」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1221.html
(2) ガスこんろ「6.バーナーキャップが汚れて異常燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/17042702.html
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掃除の手間を省くために、アルミ箔をしいたり、
グリルパンを使用していました。
その都度取り替えたり掃除をしたりしていますが、
このような危険があるのですね!
焼くものによっては、その脂が加熱し火災になる可能性があることが
動画を見て分かりました。
今日から気をつけます!
さぁ秋。サンマの季節です。今年は昨年より安くなっています。
ガスこんろ正しく使って、おいしく調理!!
おいしく食べきりましょう!その後の掃除も忘れずに🖕
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