国民生活2019.8 暮らしの法律Q&Åより 萩谷雅和弁護士解説
相談
高校生の息子が自宅前で部活の練習でバットの素振りをしていたところ、
近所の子どもにあたり、けがをさせてしまいました。
その子の親が目を離したすきに近づいてきたようです。
こちらに100%の責任があるのでしょうか?
回答
誤って(過失によって)他人に外相を与えてしまった場合には、
加害者側は被害者側に対して、その損害を100%賠償しなければなりません。
これは民法709条(不法行為)という条文に規定されています。
賠償すべき損害の中身は、病院での治療費や痛い思いをさせたことに対する慰謝料などです。
しかし、本件では、100%の責任があるとは言えない場合が多いと思われます。
考え方のポイントは「過失相殺」
「過失相殺」とは、被害者が加害者に対して損害賠償を請求する際に、
被害者にも過失があった場合に、被害者の過失に応じて損害賠償額が減額されること
被害者側の過失とは、「その子の親が目を離したすきに近づいてきた」という点です。
普通に判断能力のある人だったら近づいたら危険だとわかり、一定の距離以内には近づかないはずですが
この危険がまだわからない程度の年齢の子どもを外へ連れ出す親は、
子どもの手を離さない。あるいは、手を放しても親がすぐ手をつなげる程度の距離のところにいて
子どもの行動をコントロールできるようにしておく、ということが求められます。
本件では、「その子の親が目を離したすきに」という点に、被害者側に一定の「過失」があったと思われるのです。
その点で100%の責任ではなく、いくらか減免されると思います。ただ、はっきりしません。
ただ、路上で素振りをすること自体、路上にはどのような人が通りかかるかわからないこと
危険判断を十分にできない人も通る可能性があることを考えれば、かなり危険な行為とも言えます。
ですから、素振りをする側には、他者にけがをさせない等危険をさけるよう十分に注意すべき義務があることは明らかです。
そうしたことを考えれば、過失割合(全体の損害額から差し引かれる割合)はそれほど大きくはないように思われます。
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子どもを持つ方なら、こんな場面に遭遇するかもしれないと思われたのではないでしょうか。
加害者側にも被害者側にもならないように注意が必要です。
出かけるときは、子どもの手を離さない。
手を放しても親がすぐ手をつなげる程度の距離のところにいて
子どもの行動をコントロールできるようにしておくことが本当に大切です。
路上でなにかする場合には
周りに充分に気をつけながら行うことが必要ですね!
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相談
高校生の息子が自宅前で部活の練習でバットの素振りをしていたところ、
近所の子どもにあたり、けがをさせてしまいました。
その子の親が目を離したすきに近づいてきたようです。
こちらに100%の責任があるのでしょうか?
回答
誤って(過失によって)他人に外相を与えてしまった場合には、
加害者側は被害者側に対して、その損害を100%賠償しなければなりません。
これは民法709条(不法行為)という条文に規定されています。
賠償すべき損害の中身は、病院での治療費や痛い思いをさせたことに対する慰謝料などです。
しかし、本件では、100%の責任があるとは言えない場合が多いと思われます。
考え方のポイントは「過失相殺」
「過失相殺」とは、被害者が加害者に対して損害賠償を請求する際に、
被害者にも過失があった場合に、被害者の過失に応じて損害賠償額が減額されること
被害者側の過失とは、「その子の親が目を離したすきに近づいてきた」という点です。
普通に判断能力のある人だったら近づいたら危険だとわかり、一定の距離以内には近づかないはずですが
この危険がまだわからない程度の年齢の子どもを外へ連れ出す親は、
子どもの手を離さない。あるいは、手を放しても親がすぐ手をつなげる程度の距離のところにいて
子どもの行動をコントロールできるようにしておく、ということが求められます。
本件では、「その子の親が目を離したすきに」という点に、被害者側に一定の「過失」があったと思われるのです。
その点で100%の責任ではなく、いくらか減免されると思います。ただ、はっきりしません。
ただ、路上で素振りをすること自体、路上にはどのような人が通りかかるかわからないこと
危険判断を十分にできない人も通る可能性があることを考えれば、かなり危険な行為とも言えます。
ですから、素振りをする側には、他者にけがをさせない等危険をさけるよう十分に注意すべき義務があることは明らかです。
そうしたことを考えれば、過失割合(全体の損害額から差し引かれる割合)はそれほど大きくはないように思われます。
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子どもを持つ方なら、こんな場面に遭遇するかもしれないと思われたのではないでしょうか。
加害者側にも被害者側にもならないように注意が必要です。
出かけるときは、子どもの手を離さない。
手を放しても親がすぐ手をつなげる程度の距離のところにいて
子どもの行動をコントロールできるようにしておくことが本当に大切です。
路上でなにかする場合には
周りに充分に気をつけながら行うことが必要ですね!
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