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小坂の悪魔憑きって動物と女の子が多いんですよねえ By朱雀

2008年04月08日 17時13分32秒 | TRPG関連
「……ただ今から18:42発 JNL483便ベルリン行きの搭乗手続きを開始いたします。
 お乗りになられる方は5番窓口までお越しください……」


……まだついてくる。
姿は見えないけれど、確実に私のすぐ近くに潜んでいる。
……馬鹿な! 飛行機に乗ってまで追ってきたとでも言うのか?
狼が? ドイツからわざわざ日本まで? 馬鹿な!
……でも待てよ? そういえば聞いたことがある。
「向こう」の狼は人の姿になることができるとかどうとか……
だとしたら、やっぱり近くにいるのか?
この空港のどこかに、あの狼が……?

デモンパラサイト小坂シリーズ 第167話 「狼の影」

まず初めに――遅くなってマジ申し訳ありませんでした(平謝り)

登場PC
近衛 りる(カラドボルグ8/バルディッシュ5) PL:k
小坂でも最大級火力を誇る電撃系ツンデレ少女。
男性恐怖症気味な上に最近不登校気味。まだ新学期も始まったばかりですよ。
時々とんでもない誤解を招く発言が飛び出るのはご愛嬌。お陰で日森が涙目。

刃字忌(バルディッシュ9/バルディッシュ8) PL:ミドリ
被虐オーラでも身体から出してるんじゃなかろうかとさえ思える良識派黒猫。
今回は3日間寝ずの番をしながらも、昼間にベッドで寝れて本人は幸せそうな様子。
瑠璃にどこか似た誰かさんに目をつけられてしまったようです。

朱泉 牡丹(ブリガンダイン9/ウォーコイト8/ウォーコイト8) PL:GHETTA
気がついたらトップクラスの防御力になってた、不幸な巻き込まれ型少女。
高校卒業してからはバイトに明け暮れる毎日だそうです。
少しは自分の体のことも大事にしてあげてください。

横太郎(ドラグーン8/ガントレット7) PL:00doll
オンバシラを継承してますますスズメの範疇から外れつつある自由奔放賭博雀。
ゴンとのヒエラルキーの上下関係には厳しくこだわっている様子。
そのうち雀から雀士になるんじゃないかとか思ってるのはGMだけですかそうですか。

千呪院 早苗(クロミカズラ6/イツノオハバリ5) PL:ゴンタ
実はも何も、名前を見ただけで一目瞭然な千呪印大僧正の隠し子。
悪魔憑きじゃなくて覚醒者らしいけど、別にどっちだろうが大して気にはしていない様子。
何度も立ち上がっては何度も自爆し倒れる忙しない子です。



セラフィム小坂支部に「自分は命を狙われている、守ってほしい」という依頼がきた。依頼者は速見 辰夫と名乗り、小坂に本社を持つとある金融企業で働いていた。彼は現在若干26歳にしてドイツにある海外支社に勤務しており、今回日本に帰国するにあたって小坂警察の某警官(多分恵理?)からセラフィムを紹介されたのだという。
依頼者はドイツにいた頃に何度か会社からの帰り道で(裏路地とはいえ首都ベルリンであるにもかかわらず)狼の群れに襲われたことがあり、それを証明するあちこちに鉤裂きのできたスーツも日本に持って帰ってきていた。
依頼者の妄想と頭ごなしに否定することもできなかったため、体の空いているメンツを召集するジョーさん。しかし来たのは未成年の女の子×2と動物1匹……。
この手の仕事がある時に限って男手も年長組もつかまらないのはきっと何かの罠。
ジョーさん、依頼者の信頼を得るために必死で弁明してました。

ひとまず小坂にいる数日間だけでも依頼者の身辺警護をすることになり、交代制で会社への行き帰りや自宅での警護を始めるりる&朱泉&刃字忌。
依頼人が若くしてエリートであることもあって、住んでいるマンションもかなり高級……のはずだったのだが、久しぶりに自宅に戻ってみると、マンションの裏手にいつの間にか大型ショッピングセンターが完成していたらしく、窓の外いっぱいに広がるUSATYに依頼者涙目な1シーンもあったり。
数年見ないと街って変わりますよね。

*USATY(ウサティ)
腹黒いウサギのキャラクターが目印の大型ショッピングセンター。
ポイントカードに使用期限があったりバッタ物が安売りされていたりと、初心者にはお勧めできない侮れない店。
しかしそれが逆に小坂の主婦の自称買い物上手魂を刺激するのか、意外な人気を誇っている。
ちなみにどこぞのイ○ングループの総合小売企業とは一切関係ありません。念のため。

閑話休題。

一方、横太郎はゴンからの要請で、現在起こっているかもしれない「ある変化」についての調査を始めようとしていた。
「ある変化」とは、小坂の野犬の数がここ数日で減少している「かもしれない」というものだ。
つい先日リオウ絡みの一件で向かってきた犬たちを散々蹴散らしたため、その影響ではないかと思っていたのだが、数えてみるとどうにも数が合わない。
心配のしすぎなのかもしれないが、万が一何かの事件の前触れだったりすると嫌なので、手の空いているときにでもいいから調べてみてほしいという。
あまり気乗りのする内容ではなかったものの、渋々横太郎は探りを入れてみることにした。

速水の護衛を始めて数日、いつものように何の変哲もない帰り道だと思いきや、護衛についていた朱泉は不意に路地の陰から現れた野犬の群れに襲われる。
特に苦労することなく倒せたとはいえ、いくら小坂でも町中に野犬の群れが現れることなどそうそうあるわけもなく、速水が実際に何者かから狙われている可能性が現実味を帯びてくる。
さらに、速水を襲った野犬の群れが、いなくなったはずの小坂の山中に住んでいたはずの野犬であることが後でわかり、ますます事件の匂いが強くなってくる。
野犬の群れが何者かによって操られているとすれば、その犯人は確実に悪魔憑きであり、セラフィムの本分でもある。その可能性がある程度高くなってきた今、この件に人員を割かない理由はない、と横太郎に加え先日の一件以来セラフィムにも協力してくれることになった早苗も呼び寄せ、ジョーさんはこの件を正式に悪魔事件の可能性大として解決するよう改めて指示を出す。

悪魔事件であれ何であれ、依頼者が何度も襲われている以上、彼自身に襲われるだけの理由がないかどうか調べてみる必要があると判断したりる。
速水の過去を洗ってみると、大学時代に所属していた登山部で遭難事故に遭い、友人を亡くしているらしいことが判明。その時死亡した友人の写真を見せると、速水は突然発狂したように暴れだし、さらには悪魔化し襲いかかってくる。

速水は遭難事故に遭った際、悪魔寄生体に感染したが、これが偶然ショーテル系の悪魔寄生体だったため、完全には適合しきれず人格の乖離が発生した。
このため、悪魔化している際には動物的な行動を取るようになり、またその間の記憶は彼にはない。
速水が散々身の周りに感じていた狼の気配とは、つまりは乖離したもう1人の自分のことであり、当然ながら襲いかかる狼の群れも《伝染》でもう1人の自分がヴィシャス化させたものである。

《残像移動》と《触手修復》+《超軟体》+《不死身》による驚異的な回復力の前に苦戦しながらも、辛うじてヴィシャス化した速水を倒すことに成功するりる達。
これによって、当初の予定とは随分異なる形になったとはいえ、依頼も無事果たされ事件は終わったように思われた。
しかし、りるにはどうしても気にかかる「ある情報」があった。
それは速水を追って日本にやって来た人間がいるかどうか、飛行機の乗客リストを調べていた時のこと。
アルファベットとカタカタばかりの表記であったため最初は気付かなかったが、そこにははっきりと「彼」の名前が記されていた。

『Eisyun Katsuragi  カツラギ エイシュン』

葛木 永俊――それはR.o.P五大四天王が1人・神童の本名。
偶然にしてはあまりに出来過ぎている「彼」の名の出現。
どうやら、次の事件の種は既に蒔かれているらしい…………



小坂某所。
R.o.P五大四天王が1人・神童は、1人の男と向かい合っていた。
その隣には自慢げに話すドレッドヘアの男の姿。
「――……ちゅーことで、あの速水とかいう男を隠れ蓑にしたったわけですわ。あちらさんの事件もひと通り解決したみたいやし、ひょっとしたらそろそろ気付いとる頃かもしれんけど、まぁいっぺん小坂に潜り込んでしまえば後はどーにでもなるってもんですわ。」
「……ご苦労だったな。しかし、少々口が回りすぎているぞ。刑部よ」
「っと、豪うすんまへん。ほな、後はお二人でごゆっくりと」
刑部と呼ばれた男は、僅かに舌を出しながらその場を離れた。
「……やれやれ、あの口の軽ささえなければ、文句はないのだがな」
「ふっ、まあそう言ってやるな“神童”よ。むしろ奴はあの性格だからこそ戮軍を纏め上げているのではないのかね」
「……否定はせんよ」
「ならば文句はあまりつけてやらないことだ。――それよりも本題だが、これから一体どうするつもりなのかな?」
「ふむ――実は最近小坂の動きが目に見えて慌ただしくなってきていてな。この機に乗じようかと考えているのだよ」
「ほう?」
神童の言葉にもう1人の男――“葛木 永俊”は目を細める。
「それで、さしあたってどうするつもりかな?」
「私の読みでは、近いうちにセラフィムを中心に小坂の主だった悪魔憑きが不在になる。そこを叩く」
神童はそこでいったん言葉を切り、一呼吸おいて続ける。
「まずはセラフィムの連中にご挨拶、だ」

ねこねこファンディスク4

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