新海誠監督、原菜乃華主演、『すずめの戸締まり』、11/12、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ACチケットBC4、鑑賞料金1000円)。2022年45本目。
新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』を公開2日目に観てきました。
九州の片田舎に住む少女岩戸鈴芽はある日地震を鎮める「閉じ師」の青年宗像草太と出会います。
廃墟で彼を探すうちに誤って扉の封印を解いてしまった彼女は椅子の姿に変えられた彼とともに日本各地にある災いの扉を閉める旅に出る、というお話です。
まずは気になるところから。
鈴芽は彼女の地元である宮崎で草太と出会い、ネコの「ダイジン」を追って愛媛へ、さらに兵庫、東京、最終的に岩手まで旅をします。
各地にそれぞれ災いの扉はあり、その扉を閉めそこなうと地震が起こるという設定です。
こんなことを言うのもなんだけど、いくら地震大国日本とはいえ、地震過剰すぎじゃないですか。
鈴芽たちが扉を閉めそこなっていたら、5日連続で地震が起きてたってこと?
それはちょっとないかな、と思いました。
それはちょっとないと思ったのは閉じ師の設定もそうですね。
地震を鎮める閉じ師が何人いるかというと草太と彼の祖父の二人だけなのです。
しかも祖父は現在入院中なので実質草太一人なんですよ。
日本全国の地震を鎮めなければいけない閉じ師がたった一人?
それはありえないんじゃないの?
各都道府県に一人ずついたとしてもそれでも少ないような気がするんだけど。
しかも閉じ師って専業でやっているわけでもないんですよ。
草太は将来教師になりたい、教師をやりながら閉じ師もする、というようなことを言っていました。
え、閉じ師って片手間で出来るようなことなの?
というか、教師が副業をやりながら出来ることなの?
っていうかそれ以前に地震を鎮めるというような一大事をどうして民間人がやらなきゃいけないの?
それは国家がやらなきゃいけないことでしょう。
映画を観ながら次から次へと疑問が湧いてきました。
申し訳ないんですが、本作における「閉じ師」という職業はまったくリアリティがないと思いました。
作品の根幹をなすアイディアにリアリティがないのですから、作品そのものにリアリティがない、と言ってよいです。
ただ、、、この作品の背景には現実に起きた東日本大震災があるんですよ。
作品の中で東日本大震災と対峙する、新海監督のスタンスは評価されるものがあると思います。
勝手な想像でソースも何もないのですが、新海監督は東日本大震災で直接被災されたか、もしくは大事な方を亡くされたのではないでしょうか。
それで心に傷を負い、閉じ師という職業の人たちがいて、彼らが地震を鎮めてくれたら、と思った。
矛盾してますよね。
実際閉じ師が存在したら、東日本大震災は起きてないのですから。
でもそう思いたくなる気持ちは充分わかります。
自分は九州人です。
幸いにしてと言っていいのかどうかわかりませんが、2011年3月11日に起きた東日本大震災も、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災も被災していません。
無論事実としてそれが起きたことは知っています。
また映像ニュースも何度となく見ました。
その感想はというと、現実とは思えない、もっと言ってしまえばまるで映画のようだ、というものでした。
映画のようだって?ふざけるな、実際にたくさんの人が死んでいるんだ、と憤る方もいるかもしれません。
けれど震災の恐ろしさ、そして大事な人を亡くしたことの悲しみというものは、実際体験してみないとわからないことだと思います。
だからこの『すずめの戸締まり』という映画も自分の心に突き刺さるというようなことはなく、ただ細かいところが気になっただけでした。
でもこの映画が誰の心にも突き刺さらない映画だとは思いません。
東日本大震災や阪神・淡路大震災に被災された方は観に行かれても良いのではないでしょうか。
震災で負った心の傷が癒されるかもしれません。
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』を公開2日目に観てきました。
九州の片田舎に住む少女岩戸鈴芽はある日地震を鎮める「閉じ師」の青年宗像草太と出会います。
廃墟で彼を探すうちに誤って扉の封印を解いてしまった彼女は椅子の姿に変えられた彼とともに日本各地にある災いの扉を閉める旅に出る、というお話です。
まずは気になるところから。
鈴芽は彼女の地元である宮崎で草太と出会い、ネコの「ダイジン」を追って愛媛へ、さらに兵庫、東京、最終的に岩手まで旅をします。
各地にそれぞれ災いの扉はあり、その扉を閉めそこなうと地震が起こるという設定です。
こんなことを言うのもなんだけど、いくら地震大国日本とはいえ、地震過剰すぎじゃないですか。
鈴芽たちが扉を閉めそこなっていたら、5日連続で地震が起きてたってこと?
それはちょっとないかな、と思いました。
それはちょっとないと思ったのは閉じ師の設定もそうですね。
地震を鎮める閉じ師が何人いるかというと草太と彼の祖父の二人だけなのです。
しかも祖父は現在入院中なので実質草太一人なんですよ。
日本全国の地震を鎮めなければいけない閉じ師がたった一人?
それはありえないんじゃないの?
各都道府県に一人ずついたとしてもそれでも少ないような気がするんだけど。
しかも閉じ師って専業でやっているわけでもないんですよ。
草太は将来教師になりたい、教師をやりながら閉じ師もする、というようなことを言っていました。
え、閉じ師って片手間で出来るようなことなの?
というか、教師が副業をやりながら出来ることなの?
っていうかそれ以前に地震を鎮めるというような一大事をどうして民間人がやらなきゃいけないの?
それは国家がやらなきゃいけないことでしょう。
映画を観ながら次から次へと疑問が湧いてきました。
申し訳ないんですが、本作における「閉じ師」という職業はまったくリアリティがないと思いました。
作品の根幹をなすアイディアにリアリティがないのですから、作品そのものにリアリティがない、と言ってよいです。
ただ、、、この作品の背景には現実に起きた東日本大震災があるんですよ。
作品の中で東日本大震災と対峙する、新海監督のスタンスは評価されるものがあると思います。
勝手な想像でソースも何もないのですが、新海監督は東日本大震災で直接被災されたか、もしくは大事な方を亡くされたのではないでしょうか。
それで心に傷を負い、閉じ師という職業の人たちがいて、彼らが地震を鎮めてくれたら、と思った。
矛盾してますよね。
実際閉じ師が存在したら、東日本大震災は起きてないのですから。
でもそう思いたくなる気持ちは充分わかります。
自分は九州人です。
幸いにしてと言っていいのかどうかわかりませんが、2011年3月11日に起きた東日本大震災も、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災も被災していません。
無論事実としてそれが起きたことは知っています。
また映像ニュースも何度となく見ました。
その感想はというと、現実とは思えない、もっと言ってしまえばまるで映画のようだ、というものでした。
映画のようだって?ふざけるな、実際にたくさんの人が死んでいるんだ、と憤る方もいるかもしれません。
けれど震災の恐ろしさ、そして大事な人を亡くしたことの悲しみというものは、実際体験してみないとわからないことだと思います。
だからこの『すずめの戸締まり』という映画も自分の心に突き刺さるというようなことはなく、ただ細かいところが気になっただけでした。
でもこの映画が誰の心にも突き刺さらない映画だとは思いません。
東日本大震災や阪神・淡路大震災に被災された方は観に行かれても良いのではないでしょうか。
震災で負った心の傷が癒されるかもしれません。
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。