goo blog サービス終了のお知らせ 

この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ベラボーに面白かった!!『キャプテンサンダーボルト』。

2015-01-07 23:25:41 | 読書
 阿部和重×伊坂幸太郎共著、『キャプテンサンダーボルト』読了。


 正月休み最終日によーやく積読だった『キャプテンサンダーボルト』を読み終えました。
 いや~、ベラボーに面白かったです。
 読む前は少しばかり心配してたんですよね。
 なぜかというとこれの前に読んだ乙一×中村航の共著『僕は小説が書けない』がまーったく面白くなかったので。
 君が小説を書きあげたら付き合ってあげることを考えてあげる♪(←台詞はうろ覚え)って何だそりゃ!って思いましたよ。乙一ってそんな歯の浮くような台詞を書く人じゃなかったのに…。もしかしたら共著という執筆スタイルは二人の作家のどちらにもプラスにはならないのでは、なんてことを思ったりもしました。
 が、この『キャプテンサンダーボルト』を読んで、そうか、共著というのも悪くはないのだなと思い直しました。
 
 伊坂幸太郎って時期によってかなり作風が違う作家じゃないですか。
 デビューしてしばらくは、緻密な構成とウィットに充ちた会話、最後の最後にドンデン返しがあって読むとスカッとする、そんな作品が多かったと思います。
 その後はかなり実験的な作品が続き、東北大震災後は若干エンターティメント性に充ちた作風に戻った気がします。
 ただそうはいっても初期のような緻密な構成というわけではなく、よく言えば読み手の想像に任せる、悪く言えば投げっ放しな結末の作品を書いたりして、多くの読み手に誤読をさせることもありました。

 しかし今回の『キャプテンサンダーボルト』はどう読み違えようもないほど最後の最後まできっちり書かれた作品でした。
 会話のウィットさは相変わらず、伏線のさりげなさには唸らされるばかりで、しかも読後感の良さといったら!

 共著者である阿部和重の著作は読んだことはありません。でもこれまでの伊坂作品にはなかった、スケールの大きさが阿部和重の持ち味なのかなと思いました(伊坂作品にも地球が滅亡するお話がありましたけどね)。

 ニンマリするシーンも多くて、ホント読んでいて楽しかったんですけど、一つだけ挙げるとしたら、313pの偽装パットですね。マジか!って思いましたよ。
 あれって本当に防毒マスク代わりになるんでしょうか?
 いざってときのためにマジネタかどうか知っておきたいなぁ、、、ってそんなシチュエーションはあり得んけどね。笑。

 新年一発目に読むにはとても相応しい作品だったと思います。
 次はいよいよ蒼史さんと約束したアシモフの『わたしはロボット』を読むぞ!(←借りてきたけどまだ一ページも読めてない…)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする