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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

フライ、ダディ、フライ。

2005-08-02 23:15:56 | 読書
金城一紀著、『フライ、ダディ、フライ』読了。

映画『フライ、ダディ、フライ』がやたら自分のツボにはまったので、これは原作も傑作に違いない!と思って手を出した次第です。
結論からいうと、初めてのような気がします、映画と原作を比べて、映画のほうがはるかにいい出来だと思ったのは。
といっても映画と原作ではストーリーはほぼ一緒です。
何しろ最後の決闘があっさり決着がつくところまで同じなのですから。
じゃ、何が悪かったかというと、金城一紀、文章が下手。笑。
もちろん比べる相手は自分なんかじゃなくて、例えば浅田次郎や宮部みゆきですけどね。
直木賞を受賞したという以上はもう少しマシな文章を書くのかと思っていました。
自分の場合、文章が上手い、下手は言い換えればその文章を読んで、気持ちよくなれるかどうかってことです。
その点で、金城一紀の文章はイケテなかった。
例えば123p、このページは十一行あるんですけど、朴舜臣っていう名前が七回も出てくるんですよ。
日本語って(日本語に限らず言語ってものは)同じ名前が何度も続けて出てくると読みにくくなる、って性質があります。(と思います。)
だからこそ代名詞ってものがあって、それを用いることでリズムよく読ませるのです。
しかしながら金城一紀、代名詞の存在を知らないのか、朴舜臣はずっと朴舜臣のまま、一度として代名詞が用いられることはありません。
二行足らずの文章で三度も朴舜臣っていう名前が出てきたら、そりゃ読みにくいって!
もし映画を観るか、小説を読むか、迷っている方がいたら、自分は断然映画の方をお薦めします。(まぁそんな選択はありえないですけれど。笑。)

ところでこの『フライ、ダディ、フライ』、角川書店と講談社の二つの出版社から出版されているのですね。
絶版になった作品が別の出版社から出版されるという話はたまに聞きますが、普通に流通している小説が別の大手出版社から同時に出版されるというケースは初めて聞きます。
自分は若干値段が安かった角川書店版を購入しましたが、もしかして、内容に違いがあるのでしょうか。
詳しい事情をご存知の方がいらっしゃったら、そこら辺の事情、教えてもらえると嬉しいです。
コメント
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