ブログ 「ごまめの歯軋り」

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文藝散歩 興膳宏著 「漢語日暦」 岩波新書

2011年03月12日 | 書評
漢語の季節感 第6回 最終回

 魚や木、花名などの言葉は日本語と漢語では異なる場合がある。ご存知とは思いますが、一応ご注意の事。
「雪人」:雪だるまのこと、スノーマンではない、「麦麺」:饂飩のこと、ワンタンに同じ。「臘梅」:12月を意味する臘月に咲くから、蝋梅と書くこともある、「大椿」:ツバキは日本在来種で中国には無い、中国の大椿は大木になる別種の木、「山茶」:ツバキは中国では山茶とかく、「辛夷」:こぶしの花ではなく、中国では木蓮をさす、「発生」:事件の発生ではなく、春万物が生まれること、「鼻息」:いびき、鼾のこと、「平和」:戦争と平和という意味は近代以降のこと、心の穏かな状態をいう、「玄鳥」:カラスではなくツバメのこと、「河豚」:ふぐのこと、「瓢鮎」:鮎はあゆではなく鯰のこと、あゆには香魚と呼ぶ、「松魚」:カツオのこと、鰹は別種の魚、「桜桃」:ユスラウメのことだが、太宰治の小説ではさくらんぼとなっている、「百日紅」:さるすべり、別名紫薇という、「芙蓉」:蓮花、荷花という、日本の芙蓉の花ではない、「都踊」:都踊りではなく盆踊りのこと、「麦酒」:ビールではなく別種の酒、麦焼酎にちかい、「短髪」:ショートカットではなく、年のせいで薄くなった頭の毛、「華甲」:還暦は和製語、「巌桂」:木犀のこと、金木犀を金桂、「茶梅」:サザンカのこと、山茶花とかくと中国ではツバキの事、「海参」:海鼠のこと、「手談」:囲碁のこと、「落語」:漢語には無い、「忘年」:年忘れの事ではない、年齢の差を無視する交わりのこと。
(完)


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