ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

自由詩 「悲しきものか 秋の夜は」

2006年09月28日 | 漢詩・自由詩
悲しきものか 秋の夜は

悲しきものか  人のよは
留まるすべは  無きものか
詮なきことに  心よせ
唇さむし  言の葉よ

風にむかいて  吼えてみて
赤き日をみて  誓いても
心にあいた  洞穴に
埋めるすべなく  風ぬける

永き秋の夜  虫のこえ
心にしみる  悲しみを
癒すことなく  月さえて
ただいたずらに  澄みわたる

夜のとばりは  更けゆきて
灯りはきえて  寒々と
心凍てつく  窓のそば
自分ばかりが  残される
ああ漆黒の  胸のうち


漢詩  「冷 雨」

2006年09月28日 | 漢詩・自由詩
           冷 雨

冷雨打窓日暮     冷雨窓を打つ 日暮の時
秋霖寂寂草虫     秋霖寂寂と 草虫悲し
哀心不歇弧衾裡     哀心歇まず 弧衾の裡
身老天涯莫我     身老い天涯 我を知る莫し

(赤い字は韻:四支   七言絶句仄起式)