アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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山本太郎氏も「野党共闘」見直し、問われる日本共産党

2024年03月20日 | 野党共闘
   

 れいわ新選組の山本太郎代表は今月10日、京都市内で行われた集会で、次の衆院選の「野党共闘」について見解を述べました。報道は次の通りです。

<山本太郎代表は…「今、野党が固まっても仕方がない。党が候補者を降ろすのは筋違いだ」と述べ、野党共闘による候補者の絞り込みに否定的な考えを示した。
 山本代表は「野党が固まらないと(自民党に)勝てないのは理解できる」としつつ、消費税増税を決めた民主党政権を批判し、「名前を変えたように見えるが、(立憲民主党と)一緒に政権をひっくり返そうとはならない。野党が固まって政権交代できても民主政権の再来になる」と指摘。消費税減税などの経済政策を共闘の条件に入れなければ難しいとした。>(11日付京都新聞)

 野党共闘には重要政策での一致が不可欠。まして共闘で政権交代を目指すなら。そうでなければたとえ政権交代しても市民の期待に沿う政権にはならない―というのです。きわめて妥当な主張です。

 同様の趣旨を、「野党共闘」の要となってきた市民連合の中野晃一運営委員(上智大教授)も述べていました。
 中野氏は、「本来、どういう政権になるかは選挙の後にしかわからない」のに「選挙前に踏み込みすぎた面がある」とし、「それぞれの政党が自由活発に独自の政策を訴えて有権者に売り込み…具体的な政策は、各党で主張をし、政権をつくる段階になったら、互いに歩み寄ればいい」と、これまでの「野党共闘」を反省し見直す必要性を強調しました(2月28日のブログ参照)

 山本氏と中野氏の主張は相通じるものがあり、本来の「野党共闘」の在り方、「政権交代」による連立政権の方向性を示したものと言えます。これまで「野党共闘」で中心的な役割を果たしてきた両氏が、ともにその見直しを主張している意味は小さくありません。

 そこで問われるのは、日本共産党です。

 共産党は先の第29回党大会決議でも、「激しい共闘攻撃、反共攻撃は、支配勢力の側が、「市民と野党の共闘」が政治を変える現実的な力であることを認識し恐れている証しである。ひるまず、力をあわせて打ち破ってこそ、政治を変える展望がひらかれる」(1月19日付しんぶん赤旗)と、これまでの「野党共闘」を繰り返し賛美しています。

 しかし、党内がこうした志位和夫前委員長を中心とした党中央の見解に無条件で賛同しているかといえば、そうとは言えないでしょう。
 例えば、大きく後退した先の衆院選直後(2021年11月28日)、党幹部の一人はツイッターで、「共産が「政権に関わる存在」になったときに「全く異なる不安になるのでは」と分析。政権交代を軸にした選挙戦での訴えが「国民の中に広がる不安をつかんだものではなかった」などと省みる投稿をした」(21年12月15日付朝日新聞デジタル)ことがあります。投稿は党の方針と異なるとしてすぐに削除されました。

 投稿の主は田村智子政策委員長(当時)、現在の幹部会委員長です。「政権交代」を訴えた「野党共闘」が有権者・支持者に「不安」を与えたという反省です。

 政党間の共闘が重要であることは言うまでもありません。だからこそ、それはどうあるべきか、とりわけ「政権交代」を訴えるなら、各党の独自政策と共闘、政権(連立政権)との党関係はどうあるべきか、共産党は根本的に見直す必要があります。
 田村委員長はその点でリーダーシップを発揮すべきではないでしょうか。
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