アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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日曜日記92・朝日新聞「ジェンダー平等宣言」・TBS「山口敬之レイプ事件」自己検証

2020年04月05日 | 日記・エッセイ・コラム

☆朝日新聞「ジェンダー平等宣言」の評価と疑問

 4月1日、朝日新聞は渡辺雅隆社長名で「ジェンダー平等宣言」を発表した。
 「報道や事業、組織のジェンダーバランスについて、今まで以上に意識して取り組む」「これまでの価値観や働き方を足元から見直すきっかけにする」という。

 具体的には、朝刊の「ひと」欄で取り上げる人物の男女比を平等にする(現在は女性比率28・4%)、「ジェンダー平等に関する社内の研修や勉強会を定期的に開く」など6項目を挙げている。

 その姿勢・取り組みは評価できる。しかし、疑問が残る。6項目の1つにこうある。「管理職に占める女性の比率を現状の約12%から、少なくとも倍増をめざす」。「倍増」したところで24%にすぎない。なぜ「少なくとも同率をめざす」としないのか。また、全社員中の女性比率は現在19・8%だと自ら明らかにしながら、その改善目標は示されていない。不十分・不徹底な「平等宣言」と言わざるをえない。「朝日」の考えるジェンダー平等とはこの程度のものなのか。

 だが、「朝日」はまだマシだ。MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)の調査では、「新聞社や通信社で管理職に占める女性の割合」は全国平均7・71%(2019年)だという(3月7日付共同)。驚くべき低さだ。「朝日」よりずっと遅れている新聞社・通信社に「平等宣言」の発想はないのか。

☆TBSはいつになったら「山口敬之レイプ事件」の特集をするのか

 「ジェンダー平等」はもちろん重要だが、メディアにはもっと喫緊の課題があるはずだ。社内におけるセクハラ・女性の人権侵害を徹底調査し根絶することだ。

 中でも重大な問題は、伊藤詩織さんに対する山口敬之TBS記者(当時)の性暴力事件だ。TBSはこの事件を自己検証し、全メディアの教訓にする必要がある。。

 東京地裁が山口被告に損害賠償を命じる判決を下したのが昨年12月18日。その3日後、12月21日のTBS報道特集でキャスターの金平茂紀氏がこの問題にどう言及するか注目した。金平氏は事件当時(2015年)TBSの執行役員でもあった。

 金平氏は判決を「画期的な出来事」としながら、こう言った。「今日は残念ながらできないが、いつの日か(この問題を)取り上げたい」

 それから3カ月半。報道特集はこの問題を取り上げていない。予告もない。金平氏の言う「いつの日か」とはいったいいつなのか。

 報道特集には注目すべきレポートも少なくなく、日本の報道番組としては一定の評価ができると思っていた。しかし、自身の対応・体質が問われているこの事件・問題で口をつぐんでいては報道番組としての評価は根底から覆る。
 金平氏・報道特集は自らの言葉に責任をもち、「山口敬之レイプ事件」についての自己検証を早急に特集すべきだ。

 


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