アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

稲嶺名護市長は市民とともに進む

2013年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム

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正義の道を進む人の顔は、輝いていました。
 
稲嶺進名護市長が27日午後、政府の辺野古埋め立て申請に「断固反対」の意見書を、正式に仲井真県知事に提出しました。県庁ロビーには市民・県民が大勢詰めかけ、稲嶺市長を激励しました。

 稲嶺市長は意見書を提出したあと、ふたたびロビーで待っていた市民たちのもとへ。「知事には、周囲の状況が変わっても、歴史に耐えうる判断をしていただきたいと申し上げた。4年前の市長選挙で流れを変えたが、今度の選挙でふたたび流れを変えよう」

 奇しくもこの日、自民党沖縄県連は、前日の5人の国会議員に続き、「普天間飛行場県外移設」の公約を正式に投げ捨てたばかり。ロビーに集まった市民たちの怒りも沸騰していました。

 そんな中で提出された稲嶺市長の意見書は、新聞の活字で1ページと3分の2に及ぶ長文です。第1章「公有水面埋立法の要件を満たしていない事項について」、第2章「事業の不適切性について」で、政府の申請がいかにずさんで、市民の生活と自然環境に有害なものかを科学的に論証しています。そして第3章「市民の声」では、意見書作成にあたって寄せられた市民の生の声を新聞6段にわたって記載しています。きわめて少なかった「埋立賛成」意見も載せています。「反対意見」のいくつかを紹介します。

 ・ジュゴンやニモがすむうみに、きちをつくらせないでください。きれいなへのこのうみをまもってください。
 ・辺野古に住んでいた94歳の老女が、方言交じりで懸命に訴えていた。「戦後、命からがら帰ってみると、草一本生えていない。私の命を助けてくれたのは海。その海を傷つけたくない」と涙ながらに話しておられた。

 ・オスプレイがいつ墜落するか分からないので、いつもびくびく過ごしたり、騒音のせいで授業が中断されるのもいやなので反対。
 ・「沖縄の基地負担軽減」って一体何?名護は沖縄じゃないの?

 ・沖縄差別の歴史に終止符を打つためにも、新基地建設を撤回させよう。この機会を逃せば、いつまでも差別される。
 ・この島に生きる一人の人間として、子どもたちに引き継ぐ未来を考えたとき、今ここにいる大人の責任として、基地を造らせるわけにはいかない。

 ・お金では買えない命・人間の真心を守りたい。
 ・ウチナーンチュの魂と誇りにかけて、戦争につながる基地建設に反対します。

 ・山原や名護の美しい自然を守り活かして生きていくことが、名護や山原の人々のアイデンティティである。
 ・心臓を患っているわが身ですが、“いざ鎌倉”というときは、行動を起こさなければならないと思っています。

 そして稲嶺市長の意見書はこう結ばれています。「よって、市民生活の安心・安全、市の財産である自然環境の保全、未来を生きる子どもたちのため、そして私たち名護市民の誇りをかけて、『普天間飛行場の辺野古移設』に断固反対する。これが名護市民の強い決意であります」

市民への公約を破って恥じない者たちと、市民の中で市民とともにたたかい続ける人と。政治家としてというより、人間として、それはあまりにも対照的な姿です。


 <今日の注目記事>(28日付沖縄タイムス3面)

 ☆<「容認ドミノ」襲撃 翁長グループ猛反発 県内保守真っ二つに>
 「自民党県連は、普天間飛行場の辺野古移設を容認する方針を確認した。27日の議員総会で、県外移設の公約にこだわる声はごくわずか。政府・党本部が発する『固定化圧力』は、国会議員団に続き、県連も押しつぶした。ただ、県外移設の堅持にこだわる翁長雄志那覇市長率いる市議団は“容認ドミノ”に猛反発。衆院沖縄1区での選挙協力を拒否する、支部役員辞任の措置に出た。二の矢として集団離党を模索する動きもあり、県内の保守政界が真っ二つに分かれている」

 ※「集団離党」は模索ではなく、即実行すべきです。このまま自民党にとどまることは、対外的には公約破棄を容認することと変わりません。沖縄に良識のある新しい保守政党をつくるべきです。


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