読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

吉田修一「怒り(上)」殺害現場に6時間居座り「怒」という文字を残し指名手配された山神。一年後現れる身元不詳の男たちとは?!

2019-08-17 03:14:42 | 
吉田修一「怒り(上)」読み終わりました。



まだ


頭の中が混乱状態です。




次々と場所が入れ替わって進んでいく話に。





東京で尾木夫妻を殺し



その現場に6時間居座り続け



「怒」という一文字を残し立ち去った



山神一也当時27歳




すぐに指名手配されるも・・


1年後まだ捕まらずにいた。



山神を追う



刑事の北見



有力目撃情報に現場に向かうも・・



からぶりに終わる。





一方



房総の港町で働く洋平と愛子親子


洋平の働く水産業社にバイトで働くようになった


田代



訳アリそうなこの男と



愛子が急接近



洋平は田代が前に勤めていたペンションへ行ってみる



その近くで聞いた田代の偽名疑惑。。





そして


沖縄の波留間島に母と移住することになった


高校生の泉


泉は


同級生の辰哉の舟で


無人島の星島へ行ってみる。



そこで出会う田中



「ここに俺がいること誰にも言わないでほしい」



そう言う。




そして


東京の大手企業に勤める優馬



ゲイの裕馬が


発展場で出会う


直人



これと言って特徴のない顔



そういう印象しかなかった



だが



この直人になぜか優馬は惹かれてしまう



そして


行き場のない直人と



一緒に住むことになる。





それぞれの



身元不明の男たち



「田代」「田中」「直人」



この男たちは



事件とどうつながっているのか




それがこれからの読みどころになります!!




発達障害の愛子に



田代は「ほっとできる」という。





田中は辰哉から


家の民宿の仕事を紹介される。


それを一生懸命熟し


辰哉を信頼する。




直人は優馬の癌で幾ばくも無い優馬の母に優しかった。




それぞれの男たちの中にある



抱えた何か



それは一体何なのだろう?




そして・・



北見が惹かれた身元を隠している女



その女もなんか関係してくるのでは?!




北見が拾ってきた老猫のオムツを


忙しい北見に変わって替えてくれる



優しさを持った女





う~ん。。



コレも気になるなぁ~。




何か理由があって逃げ続けるって


相当辛いだろうと思う。



想像でしかないけど。。




でもそれをやらざるを得ない。。




人と関わらないように



そうしなきゃいけないのに



ふとした時に



やっぱりそれを求めてしまうのが



人間なんだろうなぁとも思う。




愛子に


「私はこんなだから」と言わせてしまう



父親洋平の哀しさ。。




母親に振り回され


母を「だらしない」と思ってしまう


そして


自分も傷を負った泉の悲しみ。。




自分はゲイだと割り切っていたつもりでも・・


直人に出会ったことで



そのことを割り切れていない自分に気づく優馬。。





それぞれの悲しみが交差する。




それが殺人事件とどう絡んでいくのか?!




続きが楽しみです










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一本木透「だから殺せなかった」~連続殺人犯「ワクチン」と新聞記者「一本木」の紙上対決!そして・・意外な結末が?!

2019-08-15 03:06:37 | 
一本木透「だから殺せなかった」読み終わりました。


この作品は


第27回鮎川哲也賞優秀賞受賞作品らしいです。




タイトルからググッと引き寄せられました。



何で殺せなかったの?



そう思ってしまうタイトル



その理由が知りたくて読み始めました。




新聞記者「一本木透」は


心に傷を抱えていた。



20年前の汚職事件


それを追っていた一本木は


その事件の真相にたどり着き


特ダネを新聞載せる段になる。



しかし!


その人物は・・



自分の大切な人の家族だった。。



悩む一本木


しかし


新聞記者であることを選んでしまう。




その後・・



大切な人を失ってしまう結末に。。




そんな一本木に



連続殺人事件の犯人を名乗る「ワクチン」から



挑戦状が届く




一本木を名指しし・・



紙面上で対決となる





ワクチンは



人間をウイルスと定義する。



それを退治するワクチンが俺だ。



人間こそが病原体だ。



増殖を続けるウイルスだ。



死は当然の報いだ。


次にだれを殺すかは、その場で決める。




そう言う。




あくまでこれは「無差別殺人」だと。




犠牲者となった人たちを殺すところを



克明に書くワクチン。



犯人しか知り得ないことだと警察は言った。



ワクチンが連続殺人犯だということは


間違いないだろうという判断だった。





一本木は



ワクチンに対し




人間をウイルスとした定義に反論する。



なぜあなただけが「ワクチン」なのか。



だれかの正義に相対するのは、


だれかが信じる別の正義であることもある。





そう解く。





こうしてワクチンとの紙上対決が繰り広げられる。




その裏でワクチンという人物の



特定に走る警察や新聞記者




既に殺されてしまった被害者3人の家族たちに



冷めた反応をされる。



居なくなってホッとしている家族たち




そして・・



殺される前に被害者宅にかかってきた



脅迫電話




被害者たちにつながりはあるのだろうか?




無差別と言ったワクチン




そして



捨てた家族がいたと言う。





その言葉の端々に・・



冷酷ではない犯人の心が見え隠れする





そして・・



4人目の犠牲者が?!





その犠牲者を殺したときに言った犯人の言葉を聞いた



目撃者の話





その言葉が犯人を特定していく。。





一本木透のモノローグ



そして



江原陽一郎のモノローグ




この2つで構成されたこの話



江原陽一郎という青年と一本木とのつながりは?!




最初はどう結びつくのかと思っていたけれど・・




まさかこんな風につながっているとは!!




そして


最後には



大どんでん返しが




なぜ犯人が連続殺人を起こしたのか?



それにはちゃんとした理由があった




自分の大切な人に置き換えてみる。



そうしたら



他人事じゃなくなる。




その言葉が心に残る





人生は「選択」の連続だ。




たらればは言ってはいけないけど




そう後悔してしまうことも多々あるのが人間




自分が犯してしまった罪




罪のない・・



罪悪感を持っていない人間なんているのだろうか?




そんなことも思った。




血のつながりって何だろう?とも。




大切な人



それを護ることって



どういうことなのだろう?



そんなことも思った。




大切なものって



失って見ないと気付けないこともあるからね。




だから殺せなかった。



その意味は最後の最後にわかりますよ。





最後の最後まで気が抜けず



グイグイ引き込まれていく作品でした




でも


難しい言葉がたくさん出てくるので


全部分かり切れていない部分もあるかも~。
















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伊東歌詞太郎「家庭教室」~20歳にしては物分かりにいい青年「灰原」そのバックグランドには悲しい過去が?!~

2019-08-12 02:07:18 | 
伊東歌詞太郎「家庭教室」読み終わりました。


初めて見る作家さんだったのですが


タイトルの「家庭教室」というのに惹かれて読んでみました。



「家庭教師」ではなく・・


「家庭教室」


そのタイトルの裏に何か隠れているようで。



読んでいると


ちょいちょい


主人公の「灰原巧」が


語るうんちく。



勉強になっていいのですが・・


ちょっと鬱陶しくもある部分も。



それに


なんか


20歳にしては物分かりが好過ぎない?



そんな風に思ってしまう部分も多々ありました。



でも


灰原のまっすぐで素直なところ



そこがいいと思った




そして



生徒に対して



一生懸命向き合おうとする姿勢




20歳にしては



酸いも甘いも分かった中年のような?



いや・・



中年でもそんなに物分かり良くないものなぁ~



とにかく


人間が出来過ぎてる!!



そんな風にひねくれて思ってしまう私が



ダメな人間だからか?




そんな風に思ってしまうほど


とにかくいい人なんだ~。



でも



そのバックグランドにあったのは・・



実は




いじめだった




その問題にぶち当たった時の


灰原は


いつになく


感情を爆発させる




自分の経験・・


そして


それなのに


救えなかったものへの怒り!!




そして


それを


もみ消そうとする大人に!!





灰原はすごいと思う。



だって


そんな経験をしながらも


人を信じる事ができる



そして


ひねくれず素直だ




辛い経験をしたからこそ?



なのだろうか?





塾講師のバイトを面倒見が良すぎたために


クビになり・・



その原因となった生徒の父「羽田」



羽田から斡旋される家庭教師の仕事をすることになる。



次々に


問題のある生徒を担当させられる灰原



それを全力でやり遂げようとする。



その姿勢に感服する




登校拒否になった生徒の原因をさぐり



時には


ストーカーのようなことや・・



変装して学校へ侵入?!




小学生にしてトレーダーの少女の母に


誘惑される?!




事実は小説より奇なり?




あるわけないよー。



とは言い切れないのが現実だ!




そう思い込めば楽しめる





伊東歌詞太郎さんの小説デビュー作らしいです。



あとがきを読んだら



まだまだ書き足りないことがあるようで



この灰原君が主人公の小説には



まだ続きがあるかも?!




この20歳にして


物分かりの良すぎる青年が


どうなっていくのか?



灰原の家庭環境も



なんか謎がありそう~。





それに


羽田君のお父さんの正体も気になります!



次回作が出たら



また読んでみたい~♪



出来過ぎと言いながらも惹かれていく



そんな作品でした





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村山由佳「はつ恋」~いろんな経験を積んだ幼馴染が再会し恋に落ちる。ハナ姉とトキヲのゆったりと濃密な大人の恋~

2019-08-05 02:57:25 | 
村山由佳「はつ恋」読み終わりました。


「初恋」ではなく



「はつ恋」ってところがポイントなんだよね~。




40年ぶりに再会した2人は


恋に落ちた




小さいころ隣同士だった



ハナとトキヲ




お互い再会した時には



いろんな経験を積んだ大人になっていた。



お互い別々の相手との離婚。。





そんな経験を積んでの再会だったからこそ



そして



全く過去を知らない相手ではなく



思い出を共有する2人だからこそ



この



はつ恋になるんだろうなぁ



そう思った。



小さいころは気づかない。。



自分の思いが



恋なのかどうか?




4つ年上のハナを


「ハナ姉」と呼ぶトキヲは



甘えているよう。



でも


大工で鍛えた大きな体躯のトキヲ



そんなトキヲを呼び捨てで呼ぶハナは


頼っているよう。




大人同士の



だからこその



シットリとした濃密な2人の時間



それに引き込まれていく



時には


頬を赤らめるシーンも




過去の夫2人との


失敗。。



でもそれがあったからこその


ハナとトキヲの出会い



一見真逆に見える性格の2人は


合わないのでは?



と思ってしまう。




短気でむら気のトキヲ



ものを書く仕事をするハナは



繊細で人の気持ちの機微を感じ取ってしまう




そして


ある時


2人はぶつかり合う




でも


どんな時でも



相手ばかりを責めないハナ



「私もだけど」



その言葉に



トキヲは怒気も忘れ



笑ってしまう




そんな2人のゆくへを


猫のユズと



穏やかな風景の庭が見守る




野菜や花を育て



田舎の一人暮らしを楽しみながら



ものを書くハナ



そんな恋人の元へ通うトキヲ




40代だからできる



こんな恋




情熱的で



ゆったりとした



そんな時間を過ごす2人




縁側で風を感じながら



ゆったりと



じっくりと



読みたい作品だと思いました。






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秋川滝美「向日葵のある台所」~ほぼ絶縁状態だった母とやむを得ず同居することなった麻有子。娘の葵が2人の橋渡しに?!

2019-08-03 02:16:26 | 
秋川滝美「向日葵のある台所」読み終わりました。


秋川さんの作品は


最後が明るく終わるので安心して読めます。



どんな困難があっても


最後は前向きに考えられる主人公に


ホッとさせられる




夫と娘がお腹にいる時に離婚した麻有子



娘の葵は父親と会ったことが無い。



それでも


母娘は2人で協力して


家事も仕事も勉強も頑張ってきた。




葵は中2になり


仕事も順調だった麻有子に


姉の鈴子から電話がある



その1本の電話から


麻有子と葵の穏やかな生活が激変する




姉とはたまに連絡を取っていたものの


母の「正恵」とは20年間


ほぼ絶縁状態だった。



その母が脳梗塞で倒れ


同じ敷地内に住む鈴子が面倒を見ていたが


突然母と同居してほしいと持ちかけられる。



正恵と鈴子の夫の仲が上手くいっていないらしい。



戸惑う麻有子。。



でも


そんな麻有子の背中を押してくれたのは


娘の葵だった



葵のおかげで



母によって傷を負っていた麻有子



そして


麻有子に辛く当たっていた正恵



そんな2人の関係が


軟化していく



母に長年虐げられた麻有子



でも


母には母なりの理由があった




正恵と麻有子の母娘関係



そして



麻有子と葵の母娘関係




両極端にある2つの関係だけど



それは



麻有子が経験した事で



出来上がったものだった





父のようにならないように・・



そう麻有子を厳しく育てた正恵



褒めたことなどなかった正恵




たくさん



ありがとう



そう葵に言ってきた麻有子




葵の向日葵のような笑顔に


正恵も麻有子も



笑顔になる




笑顔って人を幸せにするよね





母への反発心で頑張って今の仕事を手に入れた麻有子




それは



母のおかげだったのかな?





私も小さいころ厳しく育てられ・・



口も手も出た母だった。



だから


私は母とは違うやり方で娘たちを育てたけど・・



果たしてそれが良かったのかどうか?




未だによく分からない。。




育て方が悪い?



そう教師に言われたこともあったけど・・



結局



「育て方」って何だろう?



どう育てたら



こうなる☆



そういう正解ってあるのかな?




同じに育てても



娘2人は両極端。。



生まれ持った性質



それもあるんじゃないかな?




親って難しい。。




親の素質ってあるのかな?




これを読んでそんなことをいろいろ考えてしまった。




それぞれ違う環境で



性質の違う子供たちを育てる



それって並大抵じゃないよね?




親の難しさ。。



親になった時母の気持ちもなんとなくわかって来た。




娘たちはどんな「親」になっていくんだろう?




血はつながってく



そして



親子の関係も。










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