つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

絵本

2020年05月18日 | 日記・エッセイ・コラム







大学時代のお友達が絵本を送ってくれました。

ただ夜が明けていく様を描き、少ない言葉で表しているだけですが、とても美しい色の絵本。

「今」これを送ってくださるお友達のお気持ちが私の心奥深くに優しく沁み渡り、癒されました。

この絵本を描かれた方の色の好みは東洋的だと思っておりますと巻末に





とありました。
少し調べさせて戴くと、すぐにこのような詩が見つかりました。






漁師の翁は夜は西の岩陰で過ごし、
夜明け方には清らかな湖水を汲んで竹を燃やす。
モヤが消えて日が出たと見る間に山と水の緑が現れた。
もはや人かげは見えず、漁師のうたう船唄が聞こえるだけ。


柳宗元(1773〜819)
古文復興運動の主唱者、その詩は自然を詠じてすこぶる清新である。
王敍文の政治改革運動に参画したが、王の失脚により永州(今の湖南省零陵県)の司馬に流され、のち柳州(今の広西省)で没した。
この詩は永州での作品。











私とこの友人は大学時代児童文化研究会に属していました。
その頃から絵本には少し興味を持ち、子育てをしている間は、毎晩子供と一緒に読みましたが
その時の絵本はみな「親の企み」「親の好み」によって選んでいましたので、「よあけ」のような本も一緒に読んでみればよかったと今になって思います。

自ずからなる「素直な心」で、、
これからも、絵本に触れるように、詩に触れるように、美術品に接していきたいと願います。


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昨日の佐橋美術店

2020年05月12日 | 日記・エッセイ・コラム
店の裏庭の皐月が今年も咲き始めてくれました。





いつかこの木の事も書かせて頂こうと思っているうちに、どんどん大きくなるアカメガシワ。。

不気味な成長ぶりです🥵


営業自粛の店の中には、それぞれのお部屋に留守番をおきました。









図書室にはご存知三沢厚彦のワンちゃんとドイツの木のお人形を。










応接間には、ぬいぐるみのミニちゃんを。






ギャラリーにはブロンズ作品を沢山おきました。

お留守番さん達のおかげで、何とか店は無事に営業再開へと向かえそうです。



意気込み等というものはありません。

恐る恐る「何とか細い糸が繋がっていきますように」と祈りながらの再開への準備です。






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営業再開について

2020年05月06日 | 佐藤忠良
今日の名古屋は、朝から時折激しい雨が降っています。

病気や厄災を除ける為の行事である端午の節句の1日を昨日過ごし、この雨が多くの傷みや不安を綺麗に洗い流してくれたらよいと願うばかりです。

国の緊急事態宣言の延長を受けて、当店のございます愛知県も休業要請に少し変更を示されました。

当店もそれに従い、今月末より変則的に営業を開始、久しぶりにご来店をいただく皆さまに今迄とは少し違った作品をご覧いただきたく6月初めからの小規模な展覧会の開催をもって、本格的な営業開始とさせていただこうと思っております。

今月半ばまで様子をみさせて頂き、各お客様にはご案内状、ホームページなどで再開のお知らせをさせていただきますのでしばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。



当店のような小さな店でありましても、ギャラリーの扉が再び開かれるのを楽しみにお待ちくださるお客様がいらっしゃることを大変光栄に存じております。

一昨日、ほんの少しの時間、店に居りますと、何かを察してか、ドンドンと扉を叩いてくださるお客様がいらっしゃいました。「以前ここに飾っていらしたお軸はおいくらでしたか?」とお声をおかけくださったのです。

お客様も私もマスクをしておりましたので、店の中にお招きすると「いいえ、ここで結構です」とおっしゃってくださり、扉の外で私が価格をお伝えするのをお待ちくださいました。

私どもを応援してくださろうというお気持ちが大変ありがたく心からのお礼を申し上げますと
「では、また自粛が明けましたら」とお返事を頂戴し、大変嬉しく存じました。

が、

当店は幸か不幸か人通りの多い所にございますので、色々な方が前をお通りになり、店の外や中の様子をご覧になったり、想像されたりする事が容易です。
自粛要請期間中に少しでも営業させていただくことは、様々な「目」の前ではなかなか難しいことかもしれないふと実感させられました。







自宅に佐藤忠良のブロンズを持ち帰りました。

立体作品にある種の憧れを感じ、また幾つかの作品を所蔵しその素晴しさを感じて参りましたが、
これほど「本当に良いなぁ」と思えるのは、やはり「今、この時」であるからかもしれません。

私達の青春時代に思想の主流となった「実存主義」が今のお若い方達の間でも
文化として取り上げられているとお聞きしますが、まさにこの「実存」を感じさせてくれる、確かな芸術が立体作品だと思えます。


※佐藤忠良 ブロンズ 「チコ坐像」 高さ35・5㎝(一体台座含む)


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わかっていたのに。。

2020年05月04日 | 日記・エッセイ・コラム
珍しく佐橋が観山を見たい!と言ってくれましたので、お軸を自宅に持って帰りました。

忘れていました。。このお軸は長くて自宅のお床には掛からないのでした。

スルスルっと伸ばして、あら?となって、他の壁を探して、全て天井の高さは同じだろうということになって、「そうだ、この作品は店のギャラリーの部分にしか飾れなかったのだ」を思い出しました。



以前にも大きさを測ってこの作品は自宅には飾れないとわかっていたのでした。

わかっていたので、自宅には持って帰ったことはありませんでした。


記憶が衰えているばかりではないかもしれないよ。。ふと自分たちに救いの手を差し伸べてみました。

これだ!と思うと若い頃に比べて我慢できなくなってしまう。

これだ!と思うと、すぐ実行に移したくなってその他の事をシャットダウンしてしまう。

そういうこともあるのでないか?と考えてみました。屁理屈かな?


残念ながら「チラ見」になってしまいましたが、やはり観山は素晴らしい。

何か「格」が違うのです。




絵というものの懐の深さが温かく私を包んでくれています。







チラ見でも、自宅で見られて良かったとおもいます。
そしてこの荷姿を見るだけで、なんだかドキドキ💓安心をいたします。



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坦々と

2020年05月03日 | 日記・エッセイ・コラム
時々当店にお立ち寄りくださる「元教師」のお2人がそれぞれにお便りをくださいました。

元物理の先生でいらっしゃる山田先生は、長年寺田寅彦の事にご興味をもたれていらっしゃり、この春に、教科書に掲載された寅彦の随筆についての本を自費出版されました。


又、このつれづれやもう一つのブログでご紹介させていただきます元国語の先生でいらっしゃる豊永先生は、昨年から毎月朔日にご自分で絵を描かれて、親しい方達にお便りを差し上げていらっしゃいます。

絵もお上手ですが、流石に国語の先生でいらっしゃるので、使われる言葉も美しく、また寛容で、私も
毎月大変励ましていただいています。

お2人揃ってご来店くださると、本音がポロリと溢れたり、それぞれの良さを認め合っていらっしゃって
笑いが絶えず、本当に素敵な友情を育まれているなぁと羨ましくなります。


そろそろ80代を意識されるお年でいらっしゃいますので、現在はそれぞれにご自宅でお過ごしだと思いますが、こんな時期にも「坦々と」ご自分のお出来になる事を、そしてお好きな事を続けていらっしゃる。又、続けようと決めていらっしゃる。

長い人生にお苦しみの時期もお有りだったでしょうけれど、そして今も迷いやお悩みはお有りでしょうけれど、沢山の元教え子さんたちにも囲まれ、ご自分の世界を坦々と進まれるお姿に私は憧れを感じています。

いつも考え続けること、好きな事に没頭し、新しい感動に出会えるよう努力すること。
お2人には多くの事をお教えいただいています。










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