つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

見物👺

2022年04月19日 | 小杉放菴
先週はご予約をいただくお客様がいらしたので、結局一般のお客様に展示をご覧戴く機会は土曜日の1日に
なってしまいました。

いつもの立て看板を久しぶりに外に出させて頂くと、前をお通りの方たちが、案外沢山いらしてくださいました。

けれど、結局お若いお嬢さん達の撮影会が長く続いてしまうのですねぇ

📸今日からは撮影お断りのメモでも貼らせて頂こうか?と少し悩んでいます。

当店の作品は、物故作家ばかりなので著作権に関わる問題はそう無いと思うので
それも言い訳に使えそうにありません。

佐橋は きっとまぁいいじゃない というのです。

ムムム

これがお若い青年たちのご来店なら、私もまぁいいじゃない っていうのかな?


いや、今は案外男の子たちの方がお行儀が良いぞ。

とりあえず、作品をご覧になりにいらしたのか?インスタ映え狙いか?
は私が勝手に判断をして、作品をご覧くださる他のお客様方にご迷惑をおかけしないように
努力してみようと思います。

気持ちは、軽やかな放庵の天狗さんのように👺が目標です。
久しぶりに「今」を感じる良いチャンスかもしれません。








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風月

2021年07月31日 | 小杉放菴
ブログの更新をまだかまだかと待っていらっしゃるとお客様から大変奇特なご意見をいただきました。

私のこのブログで?へぇ〜😅と思いますが、私もお気に入りのブログのサイトを見つけると、確かに毎日見てしまう。あまり長い時間更新されないとなぜか心配になったり、怒れてきてしまう😤という現代人特有の「不安」を抱える事はありますので、、、

今は丁度忙しく、ブログの一つ一つの記事の内容に完成度を求めてしまいますと、下調べなどに時間がかかり、またこの感染状況では、新しい作品の仕入れもままなりませんので、そして大変暑いですし💦、、、これからしばらくブログは短い文章で、気ままに簡単に書かせていただこうと思います。よろしければお付き合いくださいませ。


この作品とのお付き合いも長くなりました。

小杉放庵の「風月」






この表装は私たちが職人さんにお願いして設えさせていただきました。皆様から「おしゃれ」とお褒めをいただきますが、
なぜかすんなりとはお納めまで至らないという不思議な作品です。





きっとご自宅のさてどこに飾ろうか?とお考えになる間に、まぁ良いかぁ〜となるのでしょう。

なるほど、小杉放庵は「まぁ良いかぁ〜」の境地に近づいた画家ですものね。

おしゃれ〜、涼しい〜お軸部門では、当店ではダントツ一位の作品だと感じています。


小杉放庵 軸 紙本・墨 「風月」共箱 46.0×23.0㎝ 
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小杉放庵 軸 天狗 

2021年06月18日 | 小杉放菴
お花屋さんがひまわりを届けてくださいました。


夏のお花。やはり元気を貰えます。






応接室に小杉放庵の「天狗」を飾りました。

こちらもまたいかにも自由で、元気をもらえる作品です。

心を自由にすることは、不自由な環境の中にあっても可能なことなのだろうと教えてくれているようです。

巻いたお軸の中に居て、四角い紙の中にいて、3人の天狗さんはいつも大変ひょうきんで自由です。

小杉放庵の魅力は、こうしたところにあるのではないでしょうか?

今日もスルスルとお軸を解き放つと、天狗さんたちが溢れて落ちてきそうな気が致しました。








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突然に見え始めるのですね。

2020年07月25日 | 小杉放菴
「描けば描くほど思い出が思い出を呼んで新しいイメージが湧いてくる」はシベリアシリーズを生んだ香月泰男の言葉ですが、
同じように、「絵を見れば見るほど、新しい物が見えてくる」ということが、鑑賞者にも経験されることだろうと思えます。




見えてくるというのは、ただ「ああ、ここに木が描かれているのかぁ」とか「この赤には気づかなかったな」ということではなく
自分の人生や自然・宇宙の成り立ちに「気づく」ということだろうと思います。

小杉放庵のこの絵を佐橋はずっと褒め続けていました。

色紙ほどの小さな作品。確かに放庵らしくうまいなぁと思っていましたが、「何がそれ程までに良い?」と半分わかったふりをしていたのですね。

けれど、ふと見えてきました。絵の全体が。





私をここにおいてみたのです。(緑の矢印の場所)

すると突然、滝や川を流れる水の音、木々の揺れる姿、そして自分のいる場所の高さまで実感されました。

トリックアートなどと呼ばれる物ではありません。

放庵が紙と墨と筆に込めた「創造と美意識と努力」そのものです。

そして、人は人生において、自分をどこに置いて、何を眺め、何を楽しんで暮らすか?ということへの
放庵の示唆だろうと思えます。

この感染問題の決着はさて、どこにあるのでしょうか?

これから私たちは、新しいワクチンや薬の発見で真に「命への安心」を得ることができるのでしょうか?

一度、疑ってしまったものへの信用。

それを取り戻すのは、ただひたすらに自然の大きさ、美しさにひれ伏すこと、

そして「今」生きている自分の命を清く、明るく深く愛すること。

それだけしかないのだと教えてくれているようです。




独坐幽篁裏
弾琴復長潚
深林人不知
明月来相照

ただ一人奥深い竹藪に座り
琴をひいたり、詩を吟じたりしている。
奥深い竹林は人に知られる事もなく
明るく輝く月が私を照らしていてくれる。

王維(中国盛唐時代の文人) 「竹里館詩」より



池大雅 小杉放庵 共に「竹裏館」という作品の中に記した詩です。

放庵の新しい作品も入手いたしました。
順にご紹介申し上げて、夢であった放庵展の開催の準備を進めたいと思っています。









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小杉放庵 軸 初夏

2020年06月04日 | 小杉放菴
もう、なにか、、この箱書を見ているだけで満たされてくる想いというものがあるのではないでしょうか。

私は夏美という名を父母に付けて貰い、今迄「夏」という文字をどなたよりも多く書かせて頂いていると思うのですが、時々はね、こんな風に軽やかに自分の名前を書けたらよいなぁと思います。






麻布を用いた涼やかな表装。






夏らしい木立の中で子供たちを前におじさんがお魚を捌こうとしているのですね。
横にあるのは井戸でしょうか・・竿のようなものもありますね。


おじさんの持つ長い柳刃?包丁と手前の男の子の「見る気」の伝わる緊張感が
なんとも言えないリズムを生んで、可愛らしい作品です。


小さなお軸、しかも一見なんとも地味な作品ですが、こういったところにこそ、放庵という画家の面白さは
あるのだと思います。

箱書の鑑賞から始まるお軸の楽しさ。「暮らしっていいな。生きるっていいな。」そう
思わせてくれるのですね。

いまだ醒めず。未醒は放庵の若い頃の雅号です。
やっぱり佐橋はお酒好きの画家が大好きです。


※小杉放庵 軸 「初夏」紙本・彩色 共箱 32.7×25    150,000




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