松尾芭蕉に「言語は 虚に居て実をおこなふべし 実に居て 虚にあそぶ事はかたし」という言葉があります。下に抜粋させていただきましたが、芭蕉が弟子たちに残した言葉として知られる一文です。芭蕉翁が言うに、俳諧というものには三つの境地(寂寞・風流・風狂)がある。寂寞(ものさびしさ)とは「情」を意味するもので、それは色事や美食を味わいながらも粗食の味わ . . . 本文を読む
情致の線の局所を求め工夫致居候。局所は美にてはなく超越的玄妙なるものに帰し可申存候、美を八釜敷云出したるは西洋舶来にて東洋的には美は極致には無之候。 小川芋銭趣のある描線の極みを求めて色々工夫してきたのです。その求める極みは、「美」に繋がるものでなく、どうやらそれを超越した世界、つまり幽玄の世界、無の世界に至る道筋にあるように思えます。「美」について、とやかく言い出し . . . 本文を読む
ホームページの「今月の画家の言葉」を草間彌生から長谷川麟二郎に替えさせていただきました。
先日まで掲載させていただいた草間彌生の言葉は大変わかりにくく、読み手によってどのようにも解釈できる一つの「詩」のようであったと思います。
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トルストイの童話に「イワンの馬鹿」という話がありますが、
悪魔が根負けするまでは私の仕事もつづくのです。
何故なら悪魔は芸術の敵であり、それ . . . 本文を読む
セザンヌが懸命になって写実に苦しむのは林檎そのものを再現しようとしてではない。
かれは、林檎と必死に取り組むことによって個性を試そうとするのである。
個性とはなにか?個性は作品にむかっておのれを試みることによって刻々と発見され、築き上げられ、成長するものだ。
人には無論わからず、自分にもわからないのが個性というものの本質である。
あらゆる芸術家は作りながら己を知り、己を確かめ、己を育てあげ . . . 本文を読む