名古屋も雨が強くなって参りました。
一雨ごとに秋が近づく季節だとは思いますが、出来るならは日本中のどなたにも浸水などのご苦労なく、新しい季節をお迎えいただきたいと願うばかりです。
斎藤茂吉の書軸とのお付き合いも随分長くなりました。
茂吉がとても緊張感を持って文字を書き、また表装も大変立派で粋なので、気に入って長く所蔵しています。
夏の短歌。
「いそぎゆく 馬の背中の氷より 雫は落ちぬ 夏の山路に 茂吉 」
真夏はもちろん、夏が終わっていくこの時期の少しさびしい心を優しく掬い取ってくれる、「刹那」を感じる歌です。
奇しくも「馬」の歌ですね。
日本の近代化は美術ばかりでなく、文学、俳句や短歌、詩の世界にも大きな影響を残しました。
そして、美術、文学の境界線も曖昧になるほどその芸術家たちの交流は盛んな時代であったと思います。
季節感とともに、私たちは「自然や人と交わる心」「情緒」を凄まじいスピードで失ってしまっているように感じられて仕方ありません。
もう一度!ではなく、新しく!近代美術、文学、芸術に触れ直してみるのも良いのではないかと思うのです。
※斎藤茂吉 軸 絹本・墨 「いそぎゆく」 茂太箱 20.5×18㎝ (軸装 軸先幅37㎝ 長さ105㎝)
大正14年 歌集 「ともしび」より 450,000
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