つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

お土産

2019年05月31日 | 日記・エッセイ・コラム
ベトナムからお帰りのお客様がお土産をお届けくださいました。
 
 
陶磁器の生産地として長い歴史を持つ、ベトナムハノイのバッチャン村のコースターがその一つです。
 
当店のこの堂本印象の作品の中のこの女性を思い出してお求めくださったとのこと。
 
なるほどコースターも天秤棒をもつ女性ですね。
 
当店の作品をよくご覧下さるお客様らしいお土産です。
 
御心遣い誠にありがとう存じます。
 
 
 
 
 
 
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今の位置。

2019年05月17日 | 日記・エッセイ・コラム
 
美術書のほかに、個人的に読んでいる本をご紹介するのはお恥ずかしいものですが、
 
今珍しく、この五冊を同時に読み進めていて、偶然求めた本が結局みな同じ事を言っているように感じ、面白いと思えましたので少し書かせて頂こうと思いました。
 
岡潔さんの「数学する人生」はこの表紙のご本人のお顔を見て、「絶対これを読もう」と決めました。
 
どう見ても「変わり者」のお顔で、ワクワクしました。
 
 
「人の心というのは、簡単に言えば2つの要素からなっています。一つは懐かしさ。もう一つは喜び。この二つを同時に感じるのです」
 
やっぱり私のワクワクは当たっていました。
 
 岡潔という人を私は全く知らずにいましたが、
大変立派な数学者だったそうで、文化勲章をお受けになった時はその風変わりな生活も随分話題になったようです。
 
 ー数学と芸術ー
数学の目標は真ん中における調和であり、芸術の目標は美の中における調和である。どちらも調和という形で認められるという点で共通しており、そこに働いているのが情緒であるということも同じである。だから両者はふつう考えられている以上によく似ている。
 
しかし大いに違っている面もあると思って真ん中における調和と、美の中における調和が具体的にどうちがっているかを考えてみたところ、仕事をしている時のタバコの飲みかたが違うことに気がついた。
 
数学でも絵でも、仕事の途中であるところまで描けたと思うと、そこでタバコを出して一服する。その場合、数学なら、ここまでこう書けたがこの後はどう書いてゆくのかなぁと思いながらノートを見ている。ところが絵かきの場合は、これまでのところはこれでいいのかなと調べながらながめているらしい。つまり芸術では途中でタバコを飲む時、目は過去を向いているが、数学では目は常に未来を向いているので、うまく書けたかどうかはそれ以後どう書くかが決定する。
 
 
それが真と美との根本的な違いではないかと思う。
タバコを飲んで、これまでのところを調べるという点では同じだが、未来をしらべることによって過去を調べるというところに数学の特徴がある。しかしそれ以外では芸術と数学はよく似ているといえよう。
 
ーーーーー
 
 
 
 
この文庫本を手に入れて、数日後当店の本棚に同じ岡潔著「春宵十話」を見つけた時には驚きました。
 
本というのは本当に魅力的なものです。こちらから見つけなくては、私を誘ってもくれないのですから。
 
 
この五冊のお陰で随分色々な事に納得がいき、私の今の心の位置がわかったように思えます。
 
桃紅さんには「孤独」ということ、お久しぶりの養老さんには、「私という個性の強調のうるささ」を。。。それぞれお若い頃からの覚悟とともに、そのお心がより自然に近くなられているのが素敵だなぁと思えました。
 
私たちが、いまさら?近代絵画ばかりを扱わせていただく意味もかなり明確になりました。
 
なんといっても、高村光太郎です。
彼の詩や著作にはこれからも学ぶことが沢山ありそうです。また5冊の本の多くが触れている夏目漱石についても再度確認が必要であると感じました。思想、芸術、全ての「近代」にやはり漱石の存在はかかせないようです。
 
無私
 
西洋に触れた日本人は結局ここに立ち止まるのでしょうか?
 
 
さて、明日に向かい、展覧会の準備が進んでいます。
 
地味で、けれど「なかなか」の展覧会になりそうです。
 
少しづつ、またご紹介させていただきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
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目黒雅叙園さん

2019年05月07日 | 日記・エッセイ・コラム
連休中に3日ほど実家に帰り、妹や弟達と一緒に過ごしました。
 
実家に伸び放題になっていた植木や家の整理もしました。
 
2年が経てば、姉弟三様に父への気持ちも変化してきたように感じます。
 
皆で一緒に目黒雅叙園さんに食事にも寄らせて頂きました。
 
佐橋が60歳になりますので、サプライズで妹と弟が食事会の準備をしてくれました。佐橋はビックリ‼️私には感激の1日でした。
 
 目黒雅叙園のルーツは、創業者・細川力蔵が、東京 芝浦にあった自宅を改築した純日本式料亭「芝浦雅叙園」を開いた事にあります。
創業当時は、日本料理に加えて北京料理メインとし、お客様に本物の味を提供することにとことんこだわった高級料亭でした。
 
そして、より多くの人々に本格的な料理を気軽に食べていただくため、1931年(昭和6年)庶民や家族連れのお客様が気軽に入れる料亭として目黒の地に誕生したのが目黒雅叙園です。
 
料理の味はもちろん、お客様に目でも楽しんでいただきたいと考え、芸術家たちに描かせた壁画や天井画、彫刻などで館内の装飾を施しました。
 
豪華絢爛な東洋一の美術の殿堂はこうして誕生し、2017年(平成29年)4月1日目黒雅叙園からホテル雅叙園東京へと施設名称を変更することとなりました 。
 
勿論随分以前にもこちらに伺った事がありましたが、ワタベウェディングさんによるグループ化で結婚式場としても、宿泊施設としても、明るく、国際的なイメージを備えられ、活気を取り戻された気が致しました。
 
 
私達が中華料理を頂いたお部屋も絢爛豪華、目が慣れるまで初めはなかなか落ち着きませんでした。
 
お食事の後には百段階段にも挑戦、猫をテーマに展覧会をされていましたが、私達の興味はやはりお部屋の設えでした。
 
 
 
 そうそう清方の間もありました。ここでは、上ばかり見て首が疲れました💦
 
 
 
 
皆さまはどんな連休をお過ごしでいらしたでしょうか?
 
今日から戻られる日常に、日々一緒にお暮らしになるご所有の美術品が、どうか飽きることのない、新たな発見のある美の光を放ち、皆さまのお気持ちの支えとなりますように心からそう祈り、私達も仕事を再開させて頂きたいと思います。
 
 
 
 
 
 
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ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち

2019年05月05日 | おススメの展覧会、美術館訪問
更新が遅くなり失礼致しました。
 
思いがけず、色々起こり色々働いた1週間でした。
 
皆さまはどのようにお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか?
 
 
それにしても、今日は日本中の人が揃ってちょっと憂鬱な1日を迎えていらっしゃる気がいたしますね。
 
 
 
この1週間のうちに私達が伺った美術館さんは2つでした。
 
その1つ、東京のパナソニック汐留美術館さんで拝見したギュスターヴ・モロー展が余りに良かったので
 何か頭がボーっとしてしまいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
油絵とは?絵画とは?そうした問いかけが、何か根底からひっくり返されてしまった感じです。
 
クリムトの展覧会でも、かなりの衝撃を受けましたが、モローも又偉大な画家だと実感致しました。
 
623日まで東京で、その後大阪、福岡と巡回予定です。どうぞ、お近くでしたらお出かけくださいますように。
 
明日より営業させて頂きます。
 
よろしくお願い申し上げます。
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