つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

小林古径の作品

2011年08月15日 | 絵画鑑賞

残暑お見舞い申し上げます。

連日厳しい残暑が続いておりますねぇ~

名古屋らしいといえば名古屋らしい…ドョーンとくもって湿度の高いこの暑さに…いささかこちらもボヨーンとして参ります。

そんな夏休みを私達は珍しく名古屋で、いくつかの展覧会に伺いながら過ごしています。

※名古屋市美術館 「レンブラント-光の探求 闇の誘惑-」 (9月4日まで)

※碧南市藤井達吉現代美術館 「画家たちの二十歳の原点」(9月19日まで)

どちらもなかなか見応えがありました。

お休みを頂いている間に自分たちの店にも時々寄り、作品を見ておりますが

やはり今ひかれるのはこの作品でしょうか?

小林古径「むべ」です。 (画像が乱れています。申し訳ありません。)

その昔この実を食した天智天皇が「むべなるかな」と洩らした言葉に由来する、あけび科の低木で晩秋に赤紫の実をつけるそうです。

「一番好きな画家は?」と聞いて頂くと、私は決まって名前をあげるのが「小林古径」です。

厳しいと思える程の緊張感あるその美しい線をみていると、なぜか敬虔な気持ちになります。

古径の作品にはあまり駄作が見当たらず、自分の作品にも厳しい目を向けていた画家だったのだろうと思いますが、なるほどこの「むべ」も毎日みていると日に日にその美しさを増す作品です。

何よりもこのむべの実の美しい色合い。

それをいかすような品のよい葉の配置、ツルを描く絶妙な筆つかい。

無駄なく、しかし華やかさを失わず、誠に見ていて心地よい作品です。

「らしさ」

難しい言葉ですね。小林古径らしさ。何を描いてもその画家らしい作品が描ければ、その作家は一流ということになりましょう。

だとすれば、佐橋美術店のらしさとは? 一流の画家、一流の作品を扱えばその画廊の質があがる!そう思い、この10年を過ごしてきたつもりでおりますが、どうもそうばかりではないような気がして参りました。

では、どう努力すれば??

美術館をめぐりながら、色々ヒントを頂いて残りのお休みを過ごします。

※小林古径「むべ」は納品のため画像を削除させていただきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棟方志功展

2011年08月08日 | おススメの展覧会、美術館訪問

棟方志功展

夏休みにお薦めの展覧会を。

名古屋市美のレンブラント、豊田市美のフェルメールは勿論ですが、 愛知県美の棟方志功展は見応えのある展覧会です。

棟方作品は、若い頃から沢山の見てきたつもりでおりますが、今回の展覧会は今まで見たことのない作品にも出会えました。

会場に入ってすぐに飾ってある、写真の「弁財天妃の柵」は品よく美しく、その刷りの素晴らしさとともに味わい深い作品です。

また大作「大世界の柵」には棟方の情熱ばかりでなく、木版画独特の温かみを感じ、何か大きなものに包まれている安心を感じることができました。

作品の飾り付けはきっと大変だったと思いますが、「愛知県美術館ってこんなに広かったの?」と思わせる斬新な展示には学芸員さんの心意気のようなものが感じられました。美術品にかかわるものとしての「支援」・・その意味を考えさせられるよい機会となりました。

※祈りと旅 棟方志功展

  9月4日(日)まで 愛知県美術館にて

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

与勇輝展

2011年08月07日 | 日記・エッセイ・コラム

与勇輝展

急いでご紹介を。

8月7日まで松坂屋美術館で与勇輝展(アタエユウキ)が開催されています。

五年ぶりの新作展だそうで、昨年制作の57点と代表作を合わせ110余点のお人形が飾られています。

与さんはもう長く明治~昭和初期の子どもたちをテーマに人形制作を続けられ、その精密な描写と豊かな表情に多くの鑑賞者が魅了されつづけています。

もう25年前、彩鳳堂画廊さんで与さんのお人形さんたちに初めて出会ったときの感情がよみがえり、またその時の作品を見かけることもでき、とても懐かしい気持ちになりました。

私には私の「昭和」がある。 それを改めて実感する与勇輝展でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空海と密教美術展

2011年08月05日 | おススメの展覧会、美術館訪問

空海と密教美術展

あっという間に8月になりました。

来週夏休みをいただきますが、前半は店にこもって仕事をしていそうな予感がします。決算の月というだけで何だか気持ちが落ち着きません

先月末に東京の国立博物館に行って参りました。

「空海と密教美術展」が9日25日まで開かれています。

雨の日でしたので「空いているかな?」と軽い気持ちで立ち寄ったのですが、なかなかにそんなに甘いものではありませんでした。

さすが国宝、重要文化財が全展示物の98.9%を占めるという展覧会です。

小学生らしいお子さんから、沢山のかたが鑑賞されていました。

風信帖(展示は8月23日~)に代表される空海の書や密教法具、曼陀羅や仏像(360度何処からでも鑑賞できるよう工夫もされていました)…とにかく見応えがありました。

でも、やはりどうしても混雑具合が気になります。人の気配が気になり、鑑賞していて疲れてしまうのですね。

そこで、ある程度なまの作品の醍醐味を味わったあとで、あとの鑑賞は映像に頼ることにしようと思い名古屋に戻りました。

8月7日~三夜連続で「空海 至宝と人生」がNHK BS プレミアムで放映されると知ったからです。

最近はテレビの画質の向上で、美術館巡りや美術品の鑑賞の番組が増えましたね。

本物よりきれい??と思うほど、照明などのせいかどの作品も美しく映し出されます。

博物館で実際に眼にした作品がどのようにテレビに映されるのか?今から楽しみにしています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする