つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

森芳雄

2021年11月28日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
小窓の上に、森芳雄の作品を2点飾らせていただきました。

特に「赤い部屋」については、このつれづれに何度も書かせていただいている記憶がありましたが、
カテゴリー検索をしてみても、この作品についての記事が見当たらず、結局この作品についてきちんと記事を書かせていただいた事が無かったのだと気づきました。

森芳雄の絵の上手さは十分に認めていても、なかなかピン!とくる作品に出会う事がなかった私が、現在、当店所有の油彩画の中で、この作品を「お気に入りトップ3」に入れていることに自分でも驚きます。












隣に並んでいる「鳥」は、森芳雄の評価を高めている一連の母子像の延長にある作品として、大変面白く、魅力的な「大人の作品」だと思っておりますが、それとは別に、「赤い部屋」は森芳雄の真の描写力、そして「物の見方」を味わえる作品だと思っています。

森芳雄の裸婦のシリーズの延長上にある作品というよりも、森芳雄の「色シリーズ」とお伝えした方がわかりやすいかもしれません。




何が描いてあるかわからないとおっしゃるのは、頭で絵をご覧になっている証拠。

そこから脱しようとするのが、抽象絵画でしょうけれど、その具象と抽象の間を行ったり来たりしながら
楽しめる、観る自分を広げられるのが、この作品の奥深さだろうと感じています。


美しさとはなんだろう?

困難に出会うたびに、「自分の眼は広がり、深まっているのだ」と信じたい気持ち。

その信仰にきちんと応えてくれる作品の一つにこの「赤い部屋」を挙げさせていただきたいと思います。














コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021/11/23

2021年11月23日 | 佐橋美術店よりのお知らせ
画像は2018年年末から2019年お正月の時期の当店のショーウィンドウの様子です。

六曲一双の森村良稲 絵、伴正臣 書の屏風を越年に際し、飾らせていただきました。

お客様からお売りになりたい旨ご依頼がありましたが、こうした屏風は市場でもなかなか値段がつきにくく
結局当店の倉庫に納めさせていただきました。

年末に佐橋と2人で、重い重い桐箱から、この屏風を出して、ここに飾ったのをよく覚えています。





ブログの更新が遅くなりました。

おかげさまで、先週末、佐橋が無事に退院をさせていただきました。

リハビリの為の通院などがあり、仕事復帰は、年末年始からになってしまうと思いますが
元気に帰宅できました事を家族みなで大変嬉しく思っております。

ご来店、またブログをご覧くださいますお客様がたにはご心配をおかけし、また様々な温かいお言葉を
いただきましたことに、心からのお詫びとお礼を申し上げます。

当店の営業につきましては、しばらくの間、現在のような営業日、営業時間とさせていただき、
引き続き、ご来店にはご予約を賜りたく、ご協力のほどお願い申し上げます。

また今月末より、ホームページにて、感謝セールを実施致したく、準備を進めておりますので
その際にはぜひご利用のほど皆様にお願いいたします。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉田善彦におもう。

2021年11月08日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日はお休みをいただいて、お寺の行事に伺いました。
普段はスルーしてしまうことの多い行事ですが、こういう時、神社の前を素通りできなくなったり、お墓詣りに熱心になったりするのが人の弱さというものでしょうか?

それと同時に、大変方向音痴の私はどこへ行くのでもずっと佐橋の後ろを歩いたり、車で連れて行ってもらったりしているので、この機会に「ひとりでできるもん!」の可能性を広げておきたいと思ったのも事実です。

お寺は私の住む名古屋市西区からバスと地下鉄で小一時間ほどの千種区本山にあります。

お墓参りを済ませた後、ちょうど同じ方向の古川美術館さんにも寄らせていただきました。

先日もお伝えいたしました通り、印象派展からエコードパリの時期についての作品の展示内容です。

古川さんは決して大きな美術館さんではありませんが、一階、二階に作品が並べられ、これらが全て個人蔵となっていることをあらためて知りました。

そういえば、展覧会のご紹介にもそう記述がありました。

展示作品の中には、確かに各美術館所蔵の作品に比べ、その画家の特性が弱く感じらるものもありましたが、特にルソーの作品2点とシャガールの2点はとても見応えがありました。








私の記事掲載が遅くなり会期が終了してしまい大変失礼してしまいましたが、先日東京の山種美術館さんに出掛けられたお客様よりお便りをいただきました。速水御舟と吉田善彦の展覧会。「速水御舟と吉田善彦ー師弟による超絶技巧の競演ー」のご感想をお寄せくださったのです。



が、どうやら善彦と御舟の師弟関係やその影響力、また善彦の作品自体や技巧の紹介が御舟のそれに比べ弱く感じられたということでした。やはり、善彦の作品は地味で一般観覧の皆様にはご興味をお持ちいただきにくいということかもしれません。


吉田善彦については、佐橋が一人息子にyosihikoという名前をつけたことも、以前こちらに書かせていただきましたが、先日その息子のお誕生日に際し、佐橋が下記のようなメッセージを書きましたので、ご本人には内緒で🤫💦こちらに転記させていただこうと思います。彼らしい、文章であり、また私にとっては感動の文章でした。


〜〜〜〜💐

「ヨシヒコ」の名を頂いた画家「吉田善彦」の画法に、ほぼ描き上げた絵を丸めてそれまでの絵の具を粗方落としてしまい、それを画板に水貼りして一から書き直すというのがあります。そうすることで一度落としたはずの絵が後から浮かび上がって来て、作品の奥行きを増してくれるというものです。

今回の僕の病気は乗り越えるにしても流石に大きく見えて、まだ枯れる年じゃないと思いながらも、ついユズリハについても考えてしまいました。しかしそれぞれの人生そんなものでもないだろうし、息子にとっても迷惑な言いがかりみたいなものでしかない。

何しろ盲目的に歩んで来た道なので、最後に眼を点す場所なんて端(はな)から考えてこなかったから…。
しょうがないので、これまで描いた絵を丸めまして、ただいま一所懸命延ばしております。落とした絵が奥行きになるまでの時間が残されているのか分かりませんが、一歩一歩足を前に出すところから生き直してみようと思っています。

この半年近く皆さんに多大なご心配をお掛けしてきましたが、やっと展望が開けてきました。(昨日の血液検査でも頗る良い数値が出ていました)

誕生日に相応しい言葉ではなさそうですが、ヨシヒコの名前の由来のお披露目とともに、僕自身のささやかな復活宣言とさせて頂きます。

お誕生日、おめでとう。
〜〜〜💐



画家には画家の覚悟があり、画商には画商の覚悟が必要です。そして、何よりもコレクター様にはコレクター様としての色々な意味での覚悟が必要ではないか?と昨日の古川美術館さん訪問、そして今日、冬支度をしながら考えてみています。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐久間友香個展

2021年11月05日 | おススメの展覧会、美術館訪問
東京でお若い日本画家さんの個展が開かれますのでご紹介致します。




佐久間友香さんの個展です。


年内にこの作家さんに当店も小品を分けていただく予定です。

お近くでしたら、ぜひお出かけください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする